京の街に、『祗園祭』の輪郭が姿を現し始めました。
7月10日、長刀鉾・函谷鉾・菊水鉾・鶏鉾・月鉾、鉾建て開始。
巡行時には豪華懸装品をまとう鉾も、今は木組みと縄がらみのみ。
ふと目に留め、やがて去る人多し。
その足を、どうか止めて見届けて欲しい。
美しい人の手が、ひとつひとつ作り出す芸術を。
そして、作り手の思いを。
<!-- 鉾建て -->
ついに、7月10日になりました。
祗園祭が最も華やぐ1週間の始まりです。
今日を皮切りに明日以降、続々と山鉾が姿を現し始め、
12日には四条烏丸界隈の主要鉾が曳き初めを迎えます。
単純に 「鉾建て」 といっても、くまなくその作業を見学すると、
実に興味深く、そして建方さん達の手の美しさに気づきます。
「祗園祭」が “人々の想い” から成り立っていると信じてやまない私は、
数ある神事、行事の中でもこの「鉾建て」が特に好きです。
残念ながら今日は体の具合が思わしくなく、仕事だけで精一杯でした。
鉾建ての作業も見に行くことが出来ず、上の写真は去年撮影したものです。
小雨降る中作業されている様子は、テレビのニュースで拝見しました。
一瞬だけだったけど、長刀鉾の建方さんが映りました。
それが4枚目に写っている方。
手の皺から、刻まれた時の長さ、染み込んだ技術を感じるのです。
去年この方を知り、心に残って仕方ありませんでした。
ぜひ、去年の記事をもう一度ご覧いただければと思います。(→★)
そして今日は、主要な行事が目白押し。
鉾建てに始まり、夕方にはお迎え提灯の行列が、そして神輿洗が執り行われました。
(それぞれ去年の記事にリンクを貼っています)
八坂神社の神輿蔵から、三基の神輿が運び出されます。
そのうちの二基は舞殿に奉安され、八坂の神・スサノオノミコトの乗る中御座は、
この後四条大橋まで担ぎ出され、鴨川の水で清められます。
その神輿が通る道を清めるのが大松明。
空を焦がすように炎が燃え、神輿の来るのを待ちます。
やがて、八坂神社宮司の手によって「神輿洗」の儀が執り行われました。
この時点で、神輿にはスサノオノミコトは乗っていません。
15日の「宵宮祭」で、八坂神社本殿から神輿へと神霊が遷されます。
こういった神事のひとつひとつが「祗園祭」、正式名「祗園御霊会」であり、
この祭事に関心を持つのであれば、「知ること」に努めなければと思っています。
「毎年同じように無事に出来れば」という思いで祭事にあたっているとある鉾町の方が仰っていました。
見にいけなかったけど、きっと今年もこんな風に、同じように祭事が進んだのだろうと。
そう思ったので、過去に撮影した写真で記事を書きました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
週末に向けて体調を整えて、12日の曳き初めには出向きたいと思います!