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Sparkring Life

旧・京都Sparkring Life
通って住んだ足掛け10年の京都生活を終え、横浜に住まい中。
書く人:maiky

【祗園祭09】 鉾建て

2009年07月10日 | 【京都】祗園祭


京の街に、『祗園祭』の輪郭が姿を現し始めました。

7月10日、長刀鉾・函谷鉾・菊水鉾・鶏鉾・月鉾、鉾建て開始。





巡行時には豪華懸装品をまとう鉾も、今は木組みと縄がらみのみ。
ふと目に留め、やがて去る人多し。


その足を、どうか止めて見届けて欲しい。





美しい人の手が、ひとつひとつ作り出す芸術を。





そして、作り手の思いを。


<!-- 鉾建て -->





ついに、7月10日になりました。
祗園祭が最も華やぐ1週間の始まりです。
今日を皮切りに明日以降、続々と山鉾が姿を現し始め、
12日には四条烏丸界隈の主要鉾が曳き初めを迎えます。

単純に 「鉾建て」 といっても、くまなくその作業を見学すると、
実に興味深く、そして建方さん達の手の美しさに気づきます。

「祗園祭」が “人々の想い” から成り立っていると信じてやまない私は、
数ある神事、行事の中でもこの「鉾建て」が特に好きです。

残念ながら今日は体の具合が思わしくなく、仕事だけで精一杯でした。
鉾建ての作業も見に行くことが出来ず、上の写真は去年撮影したものです。
小雨降る中作業されている様子は、テレビのニュースで拝見しました。
一瞬だけだったけど、長刀鉾の建方さんが映りました。
それが4枚目に写っている方。
手の皺から、刻まれた時の長さ、染み込んだ技術を感じるのです。
去年この方を知り、心に残って仕方ありませんでした。
ぜひ、去年の記事をもう一度ご覧いただければと思います。(→


そして今日は、主要な行事が目白押し。
鉾建てに始まり、夕方にはお迎え提灯の行列が、そして神輿洗が執り行われました。
(それぞれ去年の記事にリンクを貼っています)



八坂神社の神輿蔵から、三基の神輿が運び出されます。



そのうちの二基は舞殿に奉安され、八坂の神・スサノオノミコトの乗る中御座は、
この後四条大橋まで担ぎ出され、鴨川の水で清められます。



その神輿が通る道を清めるのが大松明。



空を焦がすように炎が燃え、神輿の来るのを待ちます。



やがて、八坂神社宮司の手によって「神輿洗」の儀が執り行われました。

この時点で、神輿にはスサノオノミコトは乗っていません。
15日の「宵宮祭」で、八坂神社本殿から神輿へと神霊が遷されます。


こういった神事のひとつひとつが「祗園祭」、正式名「祗園御霊会」であり、
この祭事に関心を持つのであれば、「知ること」に努めなければと思っています。


「毎年同じように無事に出来れば」という思いで祭事にあたっているとある鉾町の方が仰っていました。
見にいけなかったけど、きっと今年もこんな風に、同じように祭事が進んだのだろうと。
そう思ったので、過去に撮影した写真で記事を書きました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

週末に向けて体調を整えて、12日の曳き初めには出向きたいと思います!


【祗園祭09】 くじ取り式

2009年07月02日 | 【京都】祗園祭


■くじ取り式
17日の巡行の順番を決める式で応仁の乱後から続けられている。
毎年、「山1番」がどこの山になるかが注目される。
くじを取らない基は8基。
先祭の先頭・長刀鉾函谷鉾放下鉾岩戸山船鉾
後祭の先頭・北観音山、2番目の橋弁慶山、しんがりの南観音山



今日は京都市役所でくじ取り式が行われました。
今年の「山一番」は芦刈山!



◆芦刈山◆ 綾小路通西洞院西入ル芦刈山町
謡曲「芦刈」に取材した山。
応仁の乱以前からあり、全山鉾中、最古の御神体人形をいただく。
真松の梢近くには金色の三日月を懸け、秋の薄暮の情景を表す風情ある山。

現在の巡行で使われている前掛のライオンと見送りの鶴図は、
昭和60年代に製作された山口華陽原画によるもの。
胴懸けの杜若図は、尾形光琳の原画を元に平成6年に伸張された。

粽の御利益は「夫婦和合」「縁結び」。



御神体人形
古い頭(かしら)は天文6年(1537)、仏師・康運の作。
 ※現在は江戸時代に作られた摸品を使用しているそうです
手足は享保7年(1722)、早瀬川宗兵衛の作。
衣装の旧小袖は天正17年(1589)の墨書きがあり、全山鉾中で最古の人形衣装。
 昭和45年に重要文化財に指定される。
 ※別に織田信長の小袖を拝領したものが伝わるが、重文の方がそれとする説もある


ざっとですが、芦刈山の説明です。
芦刈山は2年前の巡行でも山一番になった山。
何とくじ運の良いお山でしょう 
2年前といえば、私にとって初めての祗園祭でした。

祗園祭の授与品として代表的なのが「粽」。
よく家の玄関先などに見られるアレです。(うちは南観音山の粽)
毎年決まった山鉾の粽を求める人もいれば、
毎年どこの山鉾の粽にするか選ぶ人もいます。
そして、「今年の山一番」の粽にする人もいます。

ということで、今年は芦刈山の粽が人気ありそうですね。
「夫婦和合・縁結び」のお守りと、芦の葉がついているのが特徴のようです。
実家に置くのは、芦刈山にしようかなー。(今は長刀鉾)


それから、“くじ取らず”の長刀鉾、函谷鉾に続く「鉾一番」は、月鉾になりました。



稚児人形の於菟麿(おとまろ)ちゃんがとっても可愛い鉾。
私は月鉾のお囃子の音色が、一番好きです。
鉾の重量は全32基の中で最も重く、装飾品は豪華絢爛。
「動く美術館」といわれる山鉾の象徴的な存在です。

ちなみに、eriちゃん家の粽が月鉾だったのをお宅訪問時にしっかりチェック済



こうして町内の掲示板に「山○○番」と掲示されると、にわかに鼓動が早まりますね。
そして夜は、お囃子を持つ鉾町に二階囃子を聴きに行く。
10日から始まる鉾立てで一気に祭ムードが高まるまでの、静かな時間です。


【祗園祭09】 吉符入

2009年07月01日 | 【京都】祗園祭


■吉符入(きっぷいり)
神事始めの儀式。各山鉾町で1日の午前中に関係者が集い、
祭りの諸打ち合わせを行う日。長刀鉾は5日。

■二階囃子(にかいばやし)
1日~10日の夜間、各会所の二階でお囃子の練習が行われる。


始まりました!祗園祭!!

京都に来て3回目の祗園祭は、何だかあっという間に訪れた気がします。
宵山までの間は「祭」というより「神事」の雰囲気なので、

始まりました!祗園御霊会!!

って書き出すほうが良いのかも知れないけど…ちと固いね
ひとまず10日までは、お囃子を持つ鉾町を回って二階囃子を楽しみます。
今日も仕事帰りに遭遇し、思わず聞き入ってしまいました。

そうしたら雨がザァーーーーーーッ

油断して店に傘を置いて出てしまったので、濡れネコになって帰宅しました

明日、2日は「くじ取式」。
17日の山鉾巡行の順番が決まります。
順番が決まると、「○○山 山●番」と町内の掲示板に掲げられたりして。
そんな様子を見ながら自転車を走らせるのが好きです。
今度見かけたら写真撮ってきまーす。

今年の山一番はどこかなー。
そしてお天気はどうでしょうねっ。


では、二階囃子の様子を。
これを聴いて、ミナサマも祗園祭モードになっておいてください(笑)

<!-- 二階囃子 -->



2008年 祗園祭 まとめ読み

2008年07月31日 | 【京都】祗園祭

 
 2008年 祗園祭 まとめ読み


 ・7月 1日 吉符入~二階囃子
 ・7月 2日 くじ取り式
 ・7月 4日 守り継ぐもの
 ・7月 5日 長刀鉾吉符入 稚児舞披露
 ・7月 7日 綾傘鉾稚児社参
 ・7月 9日 続けていること
 ・7月10日 鉾建てお迎え提灯神輿洗
 ・7月12日 曳き初め
 ・7月13日 長刀鉾・久世稚児社参
 ・7月13日 南観音山 真松立ち上げ
 ・7月15日 宵山
 ・7月16日 宵山 in 南観音山
 ・7月17日 山鉾巡行 (1) (2) (3) (4) (5)
 ・7月24日 花傘巡行
 ・7月24日 還幸祭(1)(2
 ・7月31日 疫神社 夏越祭

 ※記事には動画入りのものもあります



【祗園祭】疫神社 夏越祭

2008年07月31日 | 【京都】祗園祭


2008年の祗園祭が終わります。




7月31日の疫神社・夏越祭をもって、1ヶ月に渡る祭事が締めくくられます。

八坂神社の境内摂社、疫神社の祭神は「蘇民将来(そみんしょうらい)
祗園御霊会で祀られている神様です。
詳しくは去年の記事に書いたので、今年は割愛しまーす。


ということで、私も朝10時からの夏越祭に参列してきました。
一般参列ですが、今年は花傘巡行での奉仕もあったので、ちょっと特別な気分。
他にも、長刀鉾や綾傘鉾のお稚児さんたちをお見かけしました。
みんな元気そうで、何だかほっこりしました。

宮司さんのお言葉にも、お稚児さんの活躍を労う節々が。
「綾傘鉾のお稚児さんは、まだちいちゃな幼稚園生ですが、立派に巡行のお勤めを果たされました」
との言葉には思わず目頭が熱くなる一面も。おいおい(笑)

この宮司さんのお話を聞くことで、私も1ヶ月を振り返ることが出来るのです。
だから夏越祭への参加は欠かせない。
去年もそう思ってました。


祭事が終わると鳥居にくくられた大茅の輪をくぐって、無病息災を祈願。
そして参列者は、茅(かや)の枝を持ち帰ることが出来ます。
この茅を自分で茅の輪にするのが、夏越祭のちょっとした楽しみ^^




去年はもらえなかったのだけど、今年はいただいてきました!
どうやって輪っかにするのか知らなかったけど、勘でやったら出来た☆

とりあえず、円山公園のベンチでもくもくと作業。
この時期の円山公園は本当に静かなので、凄くリラックスした気分でした。
今日は暑さもやわらいで、藤棚の下のベンチは居心地抜群。
ときどき視線を上げて、遊んでる鳩とか見てボーッとしたり・・・。

そしたら、茅の輪がいっぱい出来た(笑)
ちょうどお分けしようと思っていた人数分。
ほんの少し余った枯葉で、月1回の八坂神社参拝用のミニ茅の輪も作れました。

本当なら、ここに「蘇民将来之子孫也」の掛守を付けるのが正しいのですが。
すみません、忘れてしまいました;

でも出来上がった茅の輪を持って、もう一度疫神社に参拝してきました。
私の知りうる全ての人が、健康で過ごせますように。
そんな思いをこめて。


そして、今日の良き日に吉報が飛び込んできました。



『祗園祭の山鉾巡行、ユネスコの無形文化遺産の国内候補に』
読売新聞web記事

この素晴らしい芸術が、世界みんなの遺産となる日が来るのかもしれませんね。

でも。

「町衆の祭にとどまらず、日本の歴史全体から…」という声に、私はちょっとだけ反論。
今までも、これからも、この祭事は町の人の手によって守られているもの。
私はそんな身近な偉大さに惹かれたのだから。

その暁に、町衆の手から大切な何かが奪われることがないことを願います。


ありがとう、2008年の7月。
みなさまの健康をお祈りします。