経済(学)あれこれ

経済現象および政策に関する意見・断想・批判。

IMFよ、内政干渉するな(改訂版)

2010-07-17 03:19:59 | Weblog
内政干渉するな、IMF(改訂版)

 読売新聞夕刊(15日)のトップに、
     
IMF「日本消費税を」
14-22%案提示

とありました。大きなお世話です。内政干渉はやめてもらいたい。10%でも増税となり均衡財政の犠牲として一大不況が出現すると予想されるのに、とんでもない話です。新聞紙面上では消費税をかける事により、強制的に消費させ、その結果税収が増えるというようなことが書いてありました。そのとおりに行くでしょうか?逆に倹約を助長して、消費を低迷させる事態にもなります。税収が上がる前に不況が先行するでしょう。一度不況感
に襲われると、回復には極めて長い時間がかかります。不況にしておいてから、景気刺激をしても手遅れです。IMFの処方では手遅れになります。
 むしろ国債発行を増やすべきです。それを日銀に引き受けさせて、流通貨幣量を増加させ、そのかなりの部分を政府が握り、成長産業育成に積極的に投与すべきです。何事も士気と気分です。積極的で拡大的な政策の方が優れています。空腹を抑えて、パイが大きくなるのを待つより、パイを食べながら、成長しましょう。後退そして前進より、前進しつつ戦いましょう。空腹を抑えすぎると飢え死にします。
IMFの勧めに従えば、こういう事になりかねません。
  Operation succeeded ,patient died. 
だいたい日本を欧州、ましてギリシャなどと比較するほうがおかしい。欧州の経済危機は、アメリカの金融資産運用で膨らんだ資産が欧州諸国の国債に向けられ、破綻したものです。ギリシャなどは本来これという産業もないのに、国債を買ってもらって、借金で生活していました。
 日本は違います。財政赤字といっても、それは国民が政府に貸したお金です。国内のことですから、妥協次第でどうにでもなります。本来その国に必要な通貨量は、その国の資本と技術、特に将来成長するであろう分野の資本と技術により決められます。日本ではこの意味での資本は過剰です。ならなにも均衡財政による緊縮経済を取らなくても、必要な通貨を増量すれば足ります。なんなら欧州などに金を貸してあげてもいいのです。
 通貨量を増やし、それを資本として、成長産業を育成すれば、不況などはふっとびます。そうなれば税収は自然に増大します。通貨量が増えた分、雇用は促進されますから、所得は老年者から若者に移転し、更に消費も増えます。
 そもそもなんで今頃IMFは日本にこんな滑稽な要求をするのでしょうか?まずIMFと言っても、彼らは所詮、金融屋、銀行です。銀行は不況になると融資をしぶり、資産勘定の安定を求めます。その程度に考えておればいいのです。
 米欧そして中国が優等生的な均衡財政の方策をとっていますか?もしそうなら米欧はリ-マンショック後すぐ破綻していたはずです。自分達がしない事を人に押し付ける、かっての占領下でGHQが日本にした事と同じです。シャウプ税制、ドッジラインetcです。IMFは自分たちの狭量な判断で、しかもどうにもならないから、教科書的で優等生的な方策を日本に示し、日本の国債額の高さや消費税の低さ、を格好の材料として、日本に世界不況の責任を押し付けようとしているのです。
 今回の参院選では消費税が最大のテ-マになりました。それと、菅民主党政権の経済オンチという弱点に付け込んで、自分達の意志を押し付け、日本をいいようにしようとしています。政局混迷の時、そして各党派が明確な経済政策を見出せないでいる時、こういう提案は、効果があります。狡猾な脅しです。IMFなどのいう事をまともに聞いていると、日本経済は縮小し、衰退し、挙句は欧米の金融屋に食いちぎられ解体されてしまいます。案外その辺が狙いかも知れません、今回のIMFのお言葉は。
 具眼の士はあるものです。私はいままで、みんなの党、についてあまり知りませんでした。新聞報道によれば、みんなの党は、増税に反対しています。より特記すべきは、この政党は、インフレ促進と、経済政策を日銀管理から解き放つ事を提唱していることです。日銀管理の否定とは、私が言う通貨量の増大を意味するはずです。IMFも日銀も所詮は銀行屋、銀行に積極的な方策がうてるはずがない。みんなの党の意向が、私の推量するとおりなら、大歓迎です。政治に影響力を与えうる勢力の中で、始めて有効な意見が出てきました。
 付言すれば、日本の消費税率は高いといわれますが、私が仄聞した限りでは、間接税率総体は日本と欧米の間に差がほとんどない、ということです。なによりも消費税率という言葉が独り歩きするのが危険です。狭義の意味での消費税のみならず、同質の税総体で考えるべきです。なによりも諸外国のそれとの厳密な比較が必要です。
 今日の世界経済の混迷は、新しい成長産業が見出せない状況に由来する長期的なものです。こういう時は根本的なところから発想しなければいけません。増税で事足りるなどと考えるのは愚の骨頂です。
 そもそもリ-マンショックなどで世界経済を不況に導いた根源は弱いドル、ふらふらするドルにあります。ドルが弱ければ、それを補強する方策はあります。かってケインズが唱えた、混合通貨、つまり世界主要経済国で新しい世界通貨を作ればいいのです。例えば、ドル:円:ユ-ロ(ないしマルク)を5:2.5:2.5の比で計算し、新しい紙幣を創造するなどの方策もあります。なおよくbricsなどと言われますが、彼らの経済実態は弱いものです。世界通貨形成に参加するほどの力はありません。
 欧米はショック以来大量の資金を注入しましたが、その金はどこに消えたのでしょうか?恐らく彼らが抱える多量の不良債権です。これでは債権が紙幣になっただけで、真の景気促進効果はありません。なんらかの形で製造業に結びついてのみ、経済は成長します。
 日本は多量の赤字国債を抱えています。政府が国民から多額の借金をしています。しかしこの事実は裏から見れば、それだけの国債を抱え込む能力が日本にはある、ということです。単純な仮定を設け、国債はすべて福祉にまわされているとしましょう。つまり国家が国民に代わって福祉という事業をやっているのです。それをやれるほどの経済力が日本にはあるという事です。ただ現状では、この事業は事業というほどのものになっていない。ただ金をばらまくのみで、その一部が景気刺激となり、国税等に還流するだけです。この福祉事業を産業化する必要があります。ただ金をばらまくだけでなく、必要な人員を大幅に増やし、そして福祉事業を極力機械化する、つまり人と人の間に機械を入れます。こうすれば福祉事業は極めて大規模なものになり、IT・電気・機械工業、製薬・化学工業さらには、農業・食品製造業などとの繋がりが大きく強くなります。福祉事業は巨大な後方連関を得て、投入された資金は大きな乗数効果を発揮します。経済は刺激され成長し、税収は増加します。こうする事により、福祉は産業化できます。輸出も可能になります。日本はこの福祉工学を実践するに必要な資本も技術も充分に持ち合わせているのです。
 Onse again
You , IMF. Don’t interfere with our economy!

Uncore unifois

Pas d’ interference dans economie japonaise

Noch einmal

Sollst nicht eingreifen in japanische Wirtschaft

コメントを投稿