MARVIE’S

思い出の音楽と趣味の生活

「田舎教師」を読んで    田山花袋 著

2012年09月03日 | 読書

最近、昔読んだ本をしばらくぶりに読んでいます。

何年ぶりかに読むと、随分、記憶違いがあって、まったく新しい本を読んでいる感じがします。

この主人公は、確か最後に自殺したとばっかり思っていたのが、再度読んでみると病気で亡くなっていました。

いずれにしても記憶とはなんと曖昧なものか実感しています。

主人公の林清三のモデルは実在の代用教員、小林秀三だったらしく埼玉県羽生の建福寺にお墓が残されているらしいです。

貧しい家計を助けるため田舎の小学校に赴任するが、上級学校へ進学する友人たちへの羨望、そして、失恋、音楽学校受験等の失敗、

やがて、田舎教師としての生活に諦めと慰めを見出すようになります。しかし、その頃には清三の体は結核に蝕まれていました。

ひっそりと田舎の片隅で24年の息を引き取ります。読み終わったあと、なぜか、はかない人生の無常を感じました。