定番のアニメキャラばかりではなく、BOSCHの電動工具類やKalitaのコーヒーメーカーから墓石や礎石、はたまたなんだかわからない謎の物体まで様々な物が商品となっているガチャガチャ玩具。
その中でも乗り物は大きなジャンルとなっていて、ミリタリーも数多くラインナップされています。
大抵は長期にわたるベストセラーというのはあまりなく短期販売となるためにシリーズ化して次々とその中身を変えていくことが多いのですが、現在ワールドウイングスデフォルメの第3弾として販売中のこの商品。
「超空の要塞編」としてボーイングB29A スーパーフォートレス戦略爆撃機がかわいくデフォルメされて並んでいます。
ぼくはミリタリー好きでこういったガチャガチャを見ると手を出してしまうのですが、B29となれば心がザワつき小銭を投じることができませんでした。
迎撃する側である日本軍の夜間戦闘機月光11型も入っているのですが、このパッケージデザインからするとこの企画の主役はB29なのでしょう。
しかもウエポンベイを開いた爆撃時形態も入っている芸の細かさ。
さすがにエノラゲイやボックスカーでは無いのですが、迎撃機としての月光と一緒に商品化されているところからこのテールレターP/Zも東京大空襲や日本本土爆撃に参加した機体をイメージした物なのでしょう。
これがマニア向けのプラモデルなら別になんとも思わないですし、それこそ海外メーカーから原爆を投下したエノラゲイ及びボックスカーがキット化されているのも知っています。
逆に我が国から見た敵地を爆撃した機体や敵艦を撃沈した武勲艦も日本メーカーから商品となっており、今回のようなガチャガチャ化されてもいます。
でもやはりそれがB29となれば日本人から見れば心中穏やかでは居られない人も多いのではないでしょうか。
超高空クルーズを可能とした与圧キャビンや排気タービン、爆撃コンピュータ搭載と当時の日本がまだ足りていなかった最新技術が満載で歴史的に残されていく名機ですし、そんなメカニズムを持ったこの機体はとても魅力的で美しいとも感じます。
でも、可愛いディフォルメ商品となったこのB29は少なくとも日本のメーカーがやるべき物では無い。
そう感じてしまいました。
ぼくはミリタリー好きであると同時に子どもを持つ親です。
だからこんな趣味をしていはしますが、戦争なんてまっぴらだし、自分の娘が戦火に巻き込まれるなんて考えたくもありません。
ミリタリーの知識がある分、過去から現在までどんなに凄惨な事があったかも多少は知っているつもりです。
兵器を魅力的と感じる心と同居する戦争への恐怖と憎悪。
先日見に行った稲城長沼駅前のスコープドッグ。
アニメ「装甲騎兵ボトムズ」に登場する兵器です。
もうめちゃくちゃカッコイイ。
でもそのカッコよさと裏腹にやはり心がザワつく。
アニメキャラとはいっても右手に携行しているGAT22 30mmマシンガンがあまりに殺傷兵器として分かりやすい銃のカタチをしているので、子どもたちも多くいる駅前にこれはどうなんだろう?と感じたりもするのです。
では手ぶらな姿であれば良いのか?
いや、それはイヤだな。
やはりスコープドッグは武装をして欲しいんですよ。
血と硝煙の匂いにむせるような出で立ちでいて欲しいんですよ。
お台場のユニコーンだって、先代のRX78-2ガンダムだってビームライフルを持っていて欲しかった。
絶対その方がカッコいいんだもの。
でも公衆の場で銃というのも……
きっとこの心のザワつきは一生解決しない問題なんだろうな。
近代兵器を愛でることはどこか後ろめたさかあるし、他者からの痛い視線を投げかけられる事もある。
でも同様に名刀に魅力を感じて全国の展示を回っても別に「戦争が好きなの?」なんて言葉を投げかけられたりはしない。
銃と同じ殺傷兵器であるはずなのに。
戦闘要塞であるはずの名城や城跡を見たり調べる趣味を子どもが持っていても、それは歴史に興味がある子どもと逆に勉強熱心という印象すら持ってもらえる。
それってなんだろう。
単に経過した時間の長さだけではない気がする。
このガチャガチャを見ながらそんなことを考えていました。
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