第三幕
オディール: ドロテ・ジルベール
ジークフリート王子: マチュー・ガニオ
悪魔ロットバルト: ステファン・ビュヨン
王妃: 加茂律子
道化: マチアス・エイマン
司会者: 野辺誠治
チャルダッシュ(第1ソリスト): 長谷川智佳子、大嶋正樹
(第2ソリスト): 森志織、福田ゆかり、高橋竜太、氷室友
ナポリ(ソリスト): 高村順子、マチアス・エイマン
マズルカ(ソリスト): 田中結子、坂井直子、中島周、横内国弘
花嫁候補たち: 小出領子、西村真由美、乾友子、佐伯知香、高木綾、吉川留衣
スペイン: 井脇幸江、奈良春夏、後藤晴雄、平野玲
ここでも最初からマチアスくんが場を盛り上げます。
花嫁選びの舞踏会。王子マチューはルグリ先生ほどの押し出しはないが、美しく育ちの良い王子。
お約束のディベルティスマン、各国の踊り。
まずはチャルダッシュ。大嶋さんの鋭くキレのある踊りはやはり目を引く、長谷川さんをサポートでくるくる回すのはかなり前のめりに音をとっていて、ちょっとせわしなかったかも。
ナポリでマチアスが高く高くジャンプするのに息を呑む。
大体、この人は見知った踊りの重心を高く引き上げたところで演技をするので、この踊りってこんなだったっけ?と見直してしまう場面多々あり。
東バ一のチャームの持ち主、かわいい役どころならお任せ、のスペシャリスト高村さんと愛らしい微笑を交わしながらの幸せ感一杯の演技。ナポリは基本的にはテクニックを見せる踊りではないので、マチアスには物足りなかったかも・・・。
ピンクのブーツにいつも疑問を持つ(笑)マズルカでは中島さんのラインの美しさをチェック。
花嫁候補の踊りでは美しいが見所はないのが常ですが、主役級の小出さんがきれいな手首を見せてくれて場を引きしめています。
どの女性にも興味が持てないのです、とソフトに、でもキッパリとお断りするマチュー。がっかりして悲嘆にくれる母娘たち。
と、暗転、激しい音楽、怖がる道化。
スペインチームを引き連れてロットバルトの登場。
艶やかなダークグリーンのサテンの長いマントを翻すとオディールが。
ドロテはさすがに華がありますね。
マチュー、ドロテ、ステファンの並びは美しくて華やか。
期待高まる中、まずはスペイン。東バの中でも長身美形のソリストが踊るこのスペインのカッコよさには定評がありますが、この踊りのスペシャリスト井脇さんの切れの良さと柔軟な肢体を活かした反って扇で床を打つ演技も相変わらず冴えていて、ワクワクします。
そしてお待ちかねのパ・ド・トロワ。
マントを翻して、オディールを隠しながらエスコート。王子に歩み寄り、キメポーズで誘惑の視線を送るオディールに目を向けさせる、暗躍のロット。この場面はダンサーの個性や力量で際立つ役や役の意味が大きく変わって来る、演じ手の全てがさらけ出される見所なのですが、今回の3人は・・・。
ドロテは企みの視線をロットと交わしたりの目力はあるのですが、基本的に妖艶さや女性らしさ、というよりは陽性の活き活きとした生命感やキレのあるリズム感が持ち味なので、適役と期待されたほどにはオディールの誘惑に魅力を感じなかったかも・・・。
テクニックの強さを見せる、見せ場の32回フェッテでは、最初は3回に1回はダブルを入れてきたり来るぞ来るぞと思わせておいて、最後息切れしたのか最後の手前で降りてしまいました。土曜日の自分の主演の通しに照準を合わせて、今日は無理をしないことにしたのでしょう。
ロットは父親代わりの後見人的な立場なので、ベテランの色気のある男性が勤めるとロットとオディールの間に大人の愛人関係にあるカップルのような秘めた親密さが流れてドラマを盛り上げたり、キャラクテール的なベテランだとヤリ手の宰相のような政治力を発揮したりするのですが、スジェのステファンとプルミエールのドロテは年も近いので、2人の目配せは、女スパイドロテが「守備は上々よ」「了解」と同僚スパイのお仕事のよう。
ステファンはロットのソロもきれいに決めて、凄みを感じさせるにはキレイすぎ、ソフトすぎの風貌ではありますが、押さえた表情で、なかなか悪くないロットでした。
マチューはまんまとだまされる王子・・・でしたが、オディールが誘って王子が近づくといきなり拒絶、という手管を使った後には少し心が高ぶって次にオディールの手をとるときにはちょっと強引な感じで強く引き寄せたり、思いがけない若者の血潮を垣間見せて。
単にサポート下手、という説もありますがxxx。わたくしとしては演技との説を採りたいところ。
マチューのソロは複雑なジャンプアラベスクの連続など難易度の高い演技をきれいにこなしていて流石。ジャンプも高いしアントルシャもきれい。
ただ、マチューってとことん持ち味がソフトで難しいことを大げさにアクセントをつけずに淡々とこなしてしまうので、凄いことをしているのに全く凄く見えない・・・そこがマチューの凄いところ??
誓いを立てたところで高らかに嘲り笑うロット・オディール・スペイン軍団。背後の壁には苦しみ踊るオデットのシルエットが。騙された!
火薬が爆発、白煙が昇り、ロットの一団は姿をくらまします。
「ママ~!」との声が聞こえそうなマチューが王妃の膝にすがり、よろめきながら走り去り、悲嘆にくれる王妃と悲しみ慰める道化、王宮の人々が残されて幕。
オディール: ドロテ・ジルベール
ジークフリート王子: マチュー・ガニオ
悪魔ロットバルト: ステファン・ビュヨン
王妃: 加茂律子
道化: マチアス・エイマン
司会者: 野辺誠治
チャルダッシュ(第1ソリスト): 長谷川智佳子、大嶋正樹
(第2ソリスト): 森志織、福田ゆかり、高橋竜太、氷室友
ナポリ(ソリスト): 高村順子、マチアス・エイマン
マズルカ(ソリスト): 田中結子、坂井直子、中島周、横内国弘
花嫁候補たち: 小出領子、西村真由美、乾友子、佐伯知香、高木綾、吉川留衣
スペイン: 井脇幸江、奈良春夏、後藤晴雄、平野玲
ここでも最初からマチアスくんが場を盛り上げます。
花嫁選びの舞踏会。王子マチューはルグリ先生ほどの押し出しはないが、美しく育ちの良い王子。
お約束のディベルティスマン、各国の踊り。
まずはチャルダッシュ。大嶋さんの鋭くキレのある踊りはやはり目を引く、長谷川さんをサポートでくるくる回すのはかなり前のめりに音をとっていて、ちょっとせわしなかったかも。
ナポリでマチアスが高く高くジャンプするのに息を呑む。
大体、この人は見知った踊りの重心を高く引き上げたところで演技をするので、この踊りってこんなだったっけ?と見直してしまう場面多々あり。
東バ一のチャームの持ち主、かわいい役どころならお任せ、のスペシャリスト高村さんと愛らしい微笑を交わしながらの幸せ感一杯の演技。ナポリは基本的にはテクニックを見せる踊りではないので、マチアスには物足りなかったかも・・・。
ピンクのブーツにいつも疑問を持つ(笑)マズルカでは中島さんのラインの美しさをチェック。
花嫁候補の踊りでは美しいが見所はないのが常ですが、主役級の小出さんがきれいな手首を見せてくれて場を引きしめています。
どの女性にも興味が持てないのです、とソフトに、でもキッパリとお断りするマチュー。がっかりして悲嘆にくれる母娘たち。
と、暗転、激しい音楽、怖がる道化。
スペインチームを引き連れてロットバルトの登場。
艶やかなダークグリーンのサテンの長いマントを翻すとオディールが。
ドロテはさすがに華がありますね。
マチュー、ドロテ、ステファンの並びは美しくて華やか。
期待高まる中、まずはスペイン。東バの中でも長身美形のソリストが踊るこのスペインのカッコよさには定評がありますが、この踊りのスペシャリスト井脇さんの切れの良さと柔軟な肢体を活かした反って扇で床を打つ演技も相変わらず冴えていて、ワクワクします。
そしてお待ちかねのパ・ド・トロワ。
マントを翻して、オディールを隠しながらエスコート。王子に歩み寄り、キメポーズで誘惑の視線を送るオディールに目を向けさせる、暗躍のロット。この場面はダンサーの個性や力量で際立つ役や役の意味が大きく変わって来る、演じ手の全てがさらけ出される見所なのですが、今回の3人は・・・。
ドロテは企みの視線をロットと交わしたりの目力はあるのですが、基本的に妖艶さや女性らしさ、というよりは陽性の活き活きとした生命感やキレのあるリズム感が持ち味なので、適役と期待されたほどにはオディールの誘惑に魅力を感じなかったかも・・・。
テクニックの強さを見せる、見せ場の32回フェッテでは、最初は3回に1回はダブルを入れてきたり来るぞ来るぞと思わせておいて、最後息切れしたのか最後の手前で降りてしまいました。土曜日の自分の主演の通しに照準を合わせて、今日は無理をしないことにしたのでしょう。
ロットは父親代わりの後見人的な立場なので、ベテランの色気のある男性が勤めるとロットとオディールの間に大人の愛人関係にあるカップルのような秘めた親密さが流れてドラマを盛り上げたり、キャラクテール的なベテランだとヤリ手の宰相のような政治力を発揮したりするのですが、スジェのステファンとプルミエールのドロテは年も近いので、2人の目配せは、女スパイドロテが「守備は上々よ」「了解」と同僚スパイのお仕事のよう。
ステファンはロットのソロもきれいに決めて、凄みを感じさせるにはキレイすぎ、ソフトすぎの風貌ではありますが、押さえた表情で、なかなか悪くないロットでした。
マチューはまんまとだまされる王子・・・でしたが、オディールが誘って王子が近づくといきなり拒絶、という手管を使った後には少し心が高ぶって次にオディールの手をとるときにはちょっと強引な感じで強く引き寄せたり、思いがけない若者の血潮を垣間見せて。
単にサポート下手、という説もありますがxxx。わたくしとしては演技との説を採りたいところ。
マチューのソロは複雑なジャンプアラベスクの連続など難易度の高い演技をきれいにこなしていて流石。ジャンプも高いしアントルシャもきれい。
ただ、マチューってとことん持ち味がソフトで難しいことを大げさにアクセントをつけずに淡々とこなしてしまうので、凄いことをしているのに全く凄く見えない・・・そこがマチューの凄いところ??
誓いを立てたところで高らかに嘲り笑うロット・オディール・スペイン軍団。背後の壁には苦しみ踊るオデットのシルエットが。騙された!
火薬が爆発、白煙が昇り、ロットの一団は姿をくらまします。
「ママ~!」との声が聞こえそうなマチューが王妃の膝にすがり、よろめきながら走り去り、悲嘆にくれる王妃と悲しみ慰める道化、王宮の人々が残されて幕。