D-Wade to Chicago ?

ドラフト本番が迫ってくるこの時期になると、まさか！というトレードの噂もちらほら聞こえてきます。
なぜこの時期なのかというと、リビルディングを目指すチームなど、現有戦力を大きく見直そうと考えているチームにとって、そのきっかけを作る格好の舞台がドラフトだからです。

もちろんFAでも戦力の入れ替えはできます。
でもFAだと、既に評価が確立しているベテラン選手のやり取りとなるため、いい選手は既存チームがガッチリ守ってしまい、なかなか大きな補強は望めません。
5年、10年先を見据えたリビルディングを考えるようなチームにとっては、未開の潜在能力を秘める新人選手の方が、より魅力的な投資となるんですね。

昨年のこの時期も、コービー、KG、ジャーメイン、ガソール、マリオン、レイ様・・・・などなど多数の噂が飛び交っていました。
そして実際ドラフト当日には、レイ様、J-リッチ、ザック・ランドルフらがトレードされています。（ブログ）
まあ、KG、マリオン、ガソールもその後トレードされることにはなるんですが・・・・
このように、チームが大きく動ききっかけとなるのがドラフトなんですね。

で、ウェイドがブルズに行くかも!?という噂が出ているのも、これと同じ理由です。
ヒートが大きく動くなら、今回のドラフトがチャンスだろうということです。
ウェイドはもちろん超スーパースターであり、フランチャイズ・ビルダーとして申し分ありません。
ただあえて難点を言えば、ケガが多いためになかなかシーズン通して万全の状態でプレーできないという点が挙げられます。

また早い時期に優勝を実現してしまったので、すでにヒートでの目標を果たしてしまっているというモチベーションの問題もあります。
今、1からリビルディングをしようとしているヒートで、またチーム作りの段階から付き合って優勝までの長いプロセスを辿るのはツライかもしれません。
それであれば、ある程度戦力の整ったチームへ行き、常に優勝争いに加われるチームで毎年プレーオフを戦えた方がいいかもしれません。

ヒートはデリック・ローズをとても気に入っています。
ローズを取るために是が非でも1位指名権を取りたかったのですが、わずかに届きませんでした。
1位のブルズはローズに傾いていると噂されているので、2位まで落ちてくるのはあまり期待できません。
そこで問題になるのは、ヒートがビーズリーをあまり気に入ってないということです。
僕個人的には、ビーズリーでもいいじゃんと思うのですが、どうもヒートはそう思ってないみたいで、それならまだOJの方がいいかもといった噂も出ています。

そこで出てくるのがトレードの噂です。
もしヒートがどうしてもローズを取りたいと思ったら、その方法はもう一つしかありません。
1位指名権を持つブルズとのトレードです。
とはいえ、ブルズだって簡単には1位指名権をくれてやるつもりは毛頭ありません。
唯一1位指名権を譲るとすれば、それはブルズにとって断れない好条件を提示された時でしょう。
その断れない好条件というのが・・・・・・ウェイドですね。

ローズはシカゴ出身で性格もマジメということで、ブルズの指名候補と見られていますが、ウェイドも同じく地元シカゴの出身で性格もマジメ。
ブルズとしては、「シカゴ出身」「チームの顔となるスーパースター」「得点力・決定力不足の解消」と条件の揃ったウェイドなら、フランチャイズ・プレイヤーとして文句ありません。
ローズよりも確実に結果が見込める点でも、堅実派のブルズ・フロント陣にとっては魅力ある条件と言えるでしょう。

でもヒートにとっては、一方的に不利なトレードじゃないか！
そう思われるかもしれません。
でもちょっと考えてみてください。
ヒートが1位と2位の指名権を両方手に入れたらどうなるでしょう？
ローズとビーズリーという、アウトサイドとインサイドの若手コアを同時に手に入れることができるんです。
これって豪華じゃないですか？

もしウェイドをトレードすれば、1対3とか1対4みたいなことになるんで、ノアやグッデン、ベン・ゴードンあたりをもらっておくと・・・・

PG：ローズ
SG：ベン・ゴードン
SF：マリオン／ビーズリー
PF：ハスリム／グッデン（orタイラス）
C：ノア

てな具合になります。
マリオンとグッデンはあと契約1年なんで、オフやシーズン中のトレードもありえますね。
あるいはサラリーキャップ用にグッデンを取るのではなく、将来への投資でタイラスやセフォローシャあたりの若手をもらっておくのもいいかもしれません。
いずれにしても、キープすべき若手のコアメンバーが増えることにはなります。

また、もしビーズリーではなくOJを2位で取るとしたら、ローズ＆OJの強力バックコートが生まれますね。

PG：ローズ
SG：OJ・メイヨー
SF：マリオン／ノシオニ
PF：ハスリム／グッデン（orタイラス）
C：ノア

いずれにしても、ローズ＆ビーズリー、またはローズ＆OJという豪華コンビが手に入り、さらにブルズのローテーションプレイヤーが3人ぐらいGETできるというのは、そこまで悪い条件でもないんじゃないかと思います。



ローズとビーズリーが同じチーム!?　それだけで見たい・・・・


【トレードダウンする場合は？】

まあ、1位指名権をトレードがするのが難しい場合、また別のシナリオもあります。
もしヒートが意中のローズを取れなかった場合、どうもビーズリーよりもOJを取るんじゃないかっていう噂が囁かれてるんですね。
でも他のチームでビーズリーを取りたがっているチームは山ほどあります。
なんで、ヒートは2位でビーズリーを指名して、どっかとトレードするんじゃないかというわけです。

最も安全なのは、3位のウルブズとのトレードです。
たとえば、

2位指名権（ビーズリー）⇔3位指名権（OJ）＋コーリー・ブリューワー

ブリューワーはフロリダ大の連覇メンバーですから、地元マイアミで愛されているプレイヤーです。
ウルブズでのルーキーシーズンは苦戦しましたが、ヒートが是非欲しいタイプのディフェンシブなスウィングマンです。

そうなるとラインナップは・・・・

PG：OJ・メイヨー
SG：ウェイド
SF：マリオン／ブリューワー
PF：ハスリム
C：マーク・ブラント

まあそこまで大きくは変わりませんが、ただ2位でOJを指名するよりはマシですね。


次に、4位のソニックスとだったらどうなるでしょう？
問題は、3位のウルブズの動きがいまいちよくわからないという点です。
チームのニーズから言えば「ビッグマンを取るのでは？」と言われていますが、タレント重視でいけばOJを取るかもしれません。

ただ、もしOJを取られた場合は、ジェリド・ベイレスでもいいかもしれません。
ベイレスは、ローズと同じ能力とプレースタイルを持っていると言われていますので、ローズが欲しかったヒートとしては、ローズのコピーロボットのようなベイレスなら欲しいと思うかもしれません。

2位指名権（ビーズリー）＋マーク・ブラント⇔4位指名権（OJorベイレス）＋クリス・ウィルコックス＋ヨハン・ペトロ

あるいは・・・・

2位指名権（ビーズリー）＋マーク・ブラント⇔4位指名権（OJorベイレス）＋アール・ワトソン＋ダミアン・ウィルキンス＋ヨハン・ペトロ

といった感じでしょうか。
するとラインナップは・・・・

PG：OJ・メイヨー（orベイレス）
SG：ウェイド
SF：マリオン
PF：ハスリム
C：ウィルコックス／ペトロ

または

PG：OJ・メイヨー（orベイレス）／ワトソン
SG：ウェイド
SF：マリオン／ウィルキンス
PF：ハスリム
C：ペトロ

といった感じですね。
まあ多少の小粒感は否めませんが、穴のポジションを埋めて、全体的な底上げにはなるかなと。
可能性としては低いと思いますが、ソニックスがビーズリーを取ることで、フォワードでダブるジェフ・グリーンを出してくれたらラッキーですね。
まあ、ないとは思いますが・・・・


5位のグリズとトレードする場合は、たとえばこんな感じです。

2位指名権（ビーズリー）＋マーク・ブラント⇔5位指名権（OJorベイレス）＋マイク・ミラー＋カイル・ラウリー（orジャバリス・クリッテントン）

そうするとラインナップは・・・・

PG：OJ・メイヨー（orベイレス）／ラウリー（orクリッテントン）
SG：ウェイド
SF：マイク・ミラー
PF：マリオン／ハスリム
C：モーニング？

ミラーもフロリダ大出身でマイアミにゆかりのあるプレイヤー。
若手のPGもラウリーかクリッテントンがもらえます。
トレードパートナーとしては、さっきウルブズやソニックスの条件よりもいいでしょう。
ただここまで来ると、OJは残ってんの？という疑問の方が大きいです。
ベイレスすらいなくなっている可能性も十分あります。


結論としては、ヒートがどうしてもOJを取りたいと思っているならば、最も安全な3位のウルブズと取り引きするのがいいでしょうね。
まあ最悪ベイレスでもいっか、というノリならば、4位のソニックスとの交換の方がトータルの戦力は充実します。
もしジェフ・グリーンがついてくることがあれば、なおさらです。
5位のグリズまでいってしまうと、相当なギャンブルになります。
もし5位にOJもベイレスも残っていないならば、そのままビーズリーを残した方が得策ですね。

とまあ、ヒートの2位指名権一つを取ってみても、これだけの仮説が成り立ちます。
ドラフトとトレードは表裏一体の関係であり、相互に作用しています。
こういったいろいろな可能性を思い浮かべながら、近づくドラフトの盛り上がりを追っていくと、ドラフトも、ドラフトに至るプロセスも、もっともっと楽しんでもらえるんじゃないかなあと思います。



高校時代はダントツのNo.1プレイヤー



ネクスト・コービー、ネクスト・ルブロンと呼ばれました



「MAYO #32」　OJ・メイヨー


『Our Love』 by Michael Mcdonald
from the album 「No Lookin' Back」


『I Keep Forgettin'』 by Michael Mcdonald
from the album 「If That's What It Takes」


『What A Fool Believes』 by the Doobie Brothers
from the album 「Listen To The Music - The Very Best Of The Doobie Brothers」


『Minute By Minute』 by the Doobie Brothers
from the album 「Listen To The Music - The Very Best Of The Doobie Brothers」