FA 2010 Vol.2

ずいぶんとノビノビになってしまいましたが、その後の“その他”契約情報をまとめたいと思います。
・・・・と言っても、まずはヒートからｗ

【ヒート】
SF：マイク・ミラー　5年30mil（ウィザーズ⇒FA）
SF：ジェームズ・ジョーンズ　1年ミニマム（バイアウト⇒再契約）
PF：ユドニス・ハスリム　5年20mil（FAで再契約）
PF：ジュワン・ハワード　1年ミニマム（ブレイザーズ⇒FA）
C：ジョエル・アンソニー　5年18mil（FAで再契約）
C：ジャマール・マグロア　1年ミニマム（FAで再契約）
C：ジドルナス・イルガウスカス　2年ミニマム（キャブス⇒FA）

新BIG3の脇を固めるサポーティングキャストの補強は、着々と進んでいるように見えます。
ただまあ、全部納得という感じではないですね。
マイク・ミラーとジョーンズのシューター補強はいいと思います。
金額も、まあまあ許容範囲かなと思います。

でもハスリムとアンソニーの契約には疑問が残ります。
ハスリムはヒート生え抜きでウェイドとのつながりも強いので、ケミストリーの観点から残した方がいいのはわかります。
ただ戦力的な観点から言えば、何よりもまず優先すべきは、サイズがあってフィジカルに守れるセンターとの契約です。

ハスリムはPFとしてもアンダーサイズであり、ボッシュの控えとしてしか使えません。
またアンソニーもセンターとしてはアンダーサイズであり、第2センターとしてならいいですが先発には物足りません。
しかも、昨季までは1milにも満たない最低年俸でキープできていたのでお値打ちでしたが、今回一気に増額しています。
どちらも先発Cとしては不十分なのに、その2人に結構な金額をはたき、それで先発Cを呼べるオカネがなくなってしまっています。

僕ならば、ハスリムやアンソニーと契約するよりも先に、その分の金額でブラッド・ミラーとマット・バーンズを確保しますね。
ブラッド・ミラーは、先発Cをこなす実力と十分なサイズがあります。
パスがうまく、ミドルが打てて、ゴール下でフィジカルに当たれるという点も、新BIG3を補完するのに最適です。
それに、ブラッド・ミラーはその後ロケッツと3年15milで契約しましたので、ハスリムの5年20mil、アンソニーの5年18milのどちらかをやめるか削るかすれば、十分払える金額でした。

また、アンダーサイズなビッグマン2人に長期契約を投資するぐらいなら、その分をウィングのストッパーに回してほしかった。
マット・バーンズやトニー・アレンなら、3年10milぐらいで十分手に入れることができました。
シューターはマイク・ミラーとジョーンズで補強できてるので、もう1枚ストッパー役を加えるべきでした。
もし今後ストッパーを獲得しないままでいくとしたら、1つ大きな穴ができると思います。

またセンターをいっぱい集めていますが、いったい先発は誰にするのか？
Zを先発Cとして当て込んでいるのかもしれませんが、それなら最低年俸では契約しないでしょう。
かと言ってハスリムやアンソニーでは、高さのミスマッチができてしまいます。
先発Cとウィングのストッパーという2点で、現状のサポーティングキャストはバランスを欠いています。
適切な人材を確保できなかったしわ寄せで、結局ゲーム終盤はボッシュをCで起用するようなやり方になるとしたら、優勝からは一歩遠のくと思います。

【ロケッツ】
PG：カイル・ラウリー　3年24mil（制限付きFA⇒キャブス⇒マッチ）
PF：ルイス・スコーラ　5年47mil（FAで再契約）
C：ブラッド・ミラー　3年15mil（ブルズ⇒FA）

そのミラーを安価で獲得できたロケッツは、いい買い物をしたと思います。
スコーラはちょっと値が張りましたが、安定した結果を残しているので正当な評価でしょう。
ラウリーはキャブスが本気で狙ったので、年8mil平均という高い値がつきましたが、ロケッツはマッチしてきましたね。
いつの間にか、ラウリーへの評価はこんなにも上がっていたんだなあと実感しました。

【ウルブス】
PG：ルーク・リドナー　4年16mil（バックス⇒FA）
PF：マイケル・ビーズリー（ヒート⇒トレード）
C：コスタ・クーフォス（ジャズ⇒トレード）

キャップ対策とはいえ、ドラフト2位指名の選手を2巡目指名権と交換できたのはラッキーでした。
ただ逆に、KGとのトレードで目玉として取ったはずのジェファーソンを、タダ同然でジャズにあげてしまったのはいただけません。
プラマイゼロという感じでしょうか・・・・

また、ドラフトでのPGカブりで批判してたばっかりなのに、FAでもPGをカブせてきました。
ちょうど1年前に4年16milでラモン・セッションズを呼んだのに、また1年後に同じ4年16milで今度はリドナーを呼んできました。
チームには既にジョニー・フリンが先発としてプレーしているのに、です。
当然セッションズには放出のウワサが出ていますが、それにしてもお粗末な補強方針と言わざるをえません。

【ジャズ】
SG：ラジャ・ベル　3年10mil（ウォリアーズ⇒FA）
PF：アル・ジェファーソン（ウルブス⇒トレード）

【ブレイザーズ】
SG：ウェスリー・マシューズ　5年34mil（ジャズ⇒制限付きFA⇒マッチされず）

FAでブーザーを失ったジャズですが、ウルブスからビッグアルを“もらえた”ことはラッキーでした。
穴は最小限に食い止めることができそうです。

ただ、昨季ルーキーFAで最低年俸だったウェスリー・マシューズに、5年34milというビッグオファーが来たのは意外でした。
平均3～4milのオファーならマッチできたと思いますが、さすがに年7mil平均となるとタックスライン上のジャズにはキツイ。
仕方なく安価なベルでSGを埋めましたが、戦力ダウンは否めないと思います。

【サンズ】
SF：ジョシュ・チルドレス　5年35mil（ホークス⇒制限付きFA⇒サイン＆トレード）
SF/PF：ヒード・ターコルー（ラプターズ⇒トレード）

【ラプターズ】
PG：リアンドロ・バルボサ（サンズ⇒トレード）
SF：リーナス・クレイザ　4年18mil（ナゲッツ⇒制限付きFA⇒マッチされず）
C：ドゥエイン・ジョーンズ（サンズ⇒トレード）

アマレを失ったサンズは、おとなしめな選手を集めていますね。
フライ、ウォーリックに続いて、ギリシャに行っていたチルドレスと、ラプターズを出たがっていたターコルーを獲得しました。
どうやら、チルドレスは6thマンで、アマレ後のPFにはターコルーが入りそうな流れです。
おもしろそうなラインナップですが、サンズが戦闘力をキープできるのか興味深いです。

ラプターズは元サンズGMのブライアン・コランジェロが、バルボサとディアウを取りに行きました。
バルボサのトレードは成立し、ターコルーも厄介払いすることができたんですが、ディアウ＆チャンドラー⇔カルデロン＆エバンスのトレードはお流れに。
どうやらオーナーのMJが、成立直前でNOを出してご破算になったそう。。
MJはトレードデッドラインの時も、TJ・フォードのトレード話でこれをやっているので、乱発するのは非常に危険です。

【ボブキャッツ】
PG：ショーン・リビングストン　2年7mil（ウィザーズ⇒FA）
SG：マット・キャロル（マブス⇒トレード）
SF：エドワルド・ナハラ（マブス⇒トレード）
SF：ドミニク・マグワイア　1年ミニマム（キングス⇒FA）
PF：タイラス・トーマス　5年40mil（FAで再契約）
C：エリック・ダンピアー（マブス⇒トレード）

【マブス】
PF：イアン・マイーミ　2年4mil（スパーズ⇒FA）
C：ブレンダン・ヘイウッド　6年55mil（FAで再契約）
C：タイソン・チャンドラー（ボブキャッツ⇒トレード）
C：アレクシス・アジャンサ（ボブキャッツ⇒トレード）

そして、ラプターズのトレードを止めて選んだのが、マブスとのトレード。
こちらは戦力の獲得ではなく、完全なサラリーカットのトレードとなりました。
フェルトンを失ったPGは、リビングストンで穴埋め。
しかし先発級のPGではないので、カルデロンをやめたとしても、ウルブスのラモン・セッションズあたりをトレードで獲得すべきだったと思います。

マブスがヘイウッドに与えた巨大契約には驚きました。
もっと評価されるべきだとは思いましたが、昨季終盤はダンピアーを先発させていたので、てっきり評価されていないのかと思ったからです。
まあ、それにしてもちょっと高すぎですけどねｗ
オカネを度外視すれば、ヘイウッドとチャンドラーでCはだいぶ強化されました。

【ネッツ】
PG：ジョーダン・ファーマー　3年12mil（レイカーズ⇒FA）
SG：アンソニー・モロウ　3年12mil（ウォリアーズ⇒制限付きFA⇒サイン＆トレード）
SF：トラビス・アウトロー　5年35mil（クリッパーズ⇒FA）
C：ヨハン・ペトロ　3年10mil（ナゲッツ⇒FA）

タイラス・トーマスを狙いにいったネッツですが、結局ボブキャッツが値を上げ、奪い取ることができませんでした。
代わりに大物狙いを止め、手に入れられる小粒な補強に終始しました。
モロウの契約は、安くて使えるいい契約だと思います。
ファーマーもちょいと払いすぎですが、いいでしょう。

しかし、アウトローに7mil平均の5年契約は好条件を与えすぎですね。
さらに、ペトロに3年10milはもっとあげすぎです。
ペトロはベテランミニマムでの契約が妥当でしょう。
ルブロンをはじめ大物にフラれ、サラリーキャップが余っているのはわかるんですが、ちょっと小粒なタレントに大盤振る舞いしすぎですね。

【ニックス】
PG：レイモンド・フェルトン　3年25mil（ボブキャッツ⇒FA）
SG：ケレナ・アズブーキ（ウォリアーズ⇒トレード）
PF：アンソニー・ランドルフ（ウォリアーズ⇒トレード）
C：ロニー・トゥリアフ（ウォリアーズ⇒トレード）

【ウォリアーズ】
SF：ドレル・ライト　3年11mil（ヒート⇒FA）
PF：デビッド・リー　6年80mil（ニックス⇒サイン＆トレード）

ルブロンにふられたニックスは、すぐさまリーのサイン＆トレードを行いました。
既にアマレをGETしていたので、いずれにしてもリーの居場所はなかったんですね。
で、代わりにウォリアーズから3選手を獲得しましたが、これはなかなかいい取引でした。
ランドルフはSFからCまでこなせる才能豊かな若手だし、アズブーキは隠れた実力派プレイヤー。
トゥリアフもニックスになかったゴール下のタフさを与えてくれるディフェンダーです。
ニックスにいい武器が増えたなという印象です。

セルジオ・ロドリゲスがレアルと契約してしまったPGには、フェルトンを持ってきました。
悪くない動きだとは思いますが、ダントーニのスタイルにはもう少しパサータイプの方がよかったなと。
例えば、その後ウルブスと契約したルーク・リドナーのようなタイプですね。

【ナゲッツ】
PG：アンソニー・カーター（FAで再契約）
PF：アル・ハリントン　5年34mil（ニックス⇒FA）
C：シェルダン・ウィリアムズ（セルティックス⇒FA）

ダントーニと折り合いが悪かったと言われるハリントンは、やっぱり放出。
ケニオン・マーティンとバードマンが両方リハビリ中のナゲッツが、先発PF候補としてGETしました。
戻ってきた時にどうするのか？というのはよくわかりませんけどねｗ

【ブルズ】
PG：CJ・ワトソン　2年6.5mil（ウォリアーズ⇒サイン＆トレード）
SG：ロニー・ブリューワー　3年12mil（ジャズ⇒FA）
SF：カイル・コーバー　3年15mil（ジャズ⇒FA）

こちらもルブロンにフラれたブルズですが、実力派の安価なFAに切り替えました。
レディックにオファーしたのはいい狙いでしたが、制限付きFAをブン取るにはちょっと安かったですね。。
ローズ、レディック、デン、ブーザー、ノアというスターティング5を見てみたかったですねえ～

代わりにコーバーとブリューワーという元ジャズコンビで穴埋めをしましたが、これは堅実なチョイスですね。
やはり元ジャズのブーザーが、彼らの獲得をチームに推薦していたようですけどね。
まあ、小粒ではありますが、リーズナブルないい補強だったと思います。

ワトソンも隠れた実力派プレイヤー。
1年前のオフも脱出を試みましたが、制限付きFAの呪縛でウォリアーズに囲われていました。
今年はようやく解放され、晴れてブルズ入りしたという形です。
ローズのいいバックアップになるでしょう。

【マジック】
PG：クリス・デュホン　4年15mil（ニックス⇒FA）
SG：JJ・レディック　3年20mil（制限付きFA⇒ブルズ⇒マッチ）
SF：クエンティン・リチャードソン　3年8mil（ヒート⇒FA）

そのレディックを連れ戻したマジックは、イマイチよくわからない補強。
昨季不調にあえいだデュホンに4年15milを与えるのは明らかにあげすぎだし、マット・バーンズを引き留める素振りも見せずに、Ｑと契約してしまうのもどうかという動きです。
レディックも、ブルズがスターター用にと提示した金額にマッチしたので、控えSGに払う金額としては値が張ります。
去年のゴータットの二の舞にならないといいんですが・・・・

【セルティックス】
PG：ネイト・ロビンソン　2年7mil（FAで再契約）
C：ジャーメイン・オニール　2年12mil（ヒート⇒FA）

【グリズリーズ】
SG：トニー・アレン　3年10mil（セルティックス⇒FA）

セルティックスは、ドラフトで似たようなタイプであるエイブリー・ブラッドリーを指名したため、ネイトと再契約する気がないのかな？と思っていました。
ただ逆に、ディフェンス面のキーマンであるトニー・アレンを失ったのは痛い。
ネイトもいいんですが、先にトニー・アレンを確実にキープしておくべきでした。
ここの代償は後で響いてきそうな気がします。。

パーキンスがリハビリ、ラシードは引退で穴の空いたCは、ジャーメインで補強。
レイ・アレン同様に結構な金額を与えていますが、どこまでやれるかは未知数な感が。。
名前だけ並べるとかつてのオールスターチームみたいで豪華なんですけどねえ・・・・
僕はセルティックスの一連の動きには危うさを感じます。

【レイカーズ】
PG：デレック・フィッシャー　3年10mil（FAで再契約）

一時ヒート移籍もチラつかせたフィッシャーですが、やはり落ち着くところは再契約でした。
レイカーズからの条件を引き上げるためのダシに使ってるんだろうなあと思っていましたが、おそらくそんなところだと思います。
その効果？もあって、条件は1年2.5mil⇒3年10milに大幅アップしましたので、効果絶大だったと言えるでしょうｗ

コービーが獲得を熱望していた、かつての仇敵ラジャ・ベルは、結局ジャズに取られる格好に。
レイカーズにはミッドレベルの残り1.8milしかなかったため、ジャズがオファーした3年10milには遠く及びませんでした。
代わりにシャノン・ブラウンと再契約するのではないかと言われていますね。

【スパーズ】
PF：マット・ボナー（FAで再契約）
PF：ティアゴ・スプリッター　3年11mil（07年ドラフト1巡目指名）

いやあ、ようやくようやくスプリッターがやって来ます。
スコーラをロケッツにあげてしまったのも、スプリッターがいるからこそだと思っていたので、本当にようやく感があります。
ダンカンも待望の頼れるビッグマンを得て、少しは負担が楽になればなあと思います。

【クリッパーズ】
PG：ランディ・フォイ　2年8mil（ウィザーズ⇒FA）
SF：ライアン・ゴームス　3年12mil（ウルブス⇒ブレイザーズ⇒FA）
PF：ブライアン・クック　2年ミニマム（ロケッツ⇒FA）
PF：クレイグ・スミス　1年（FAで再契約）

ゴームスとフォイをリーズナブルな金額で引っ張ってこれたのは、いい動きだと思います。
ドラフト指名したアミヌはまだまだ計算できないので、先発SFにゴームスを取ったのは納得です。
フォイもかつてのロッタリーピックであり、両ガードポジションをバックアップできるので使い勝手はいいはず。
過小評価されがちなクレイグ・スミスと再契約したのもいいと思います。

【バックス】
PG：キオン・ドゥーリング　2年（ネッツ⇒FA）
PF：ジョン・ブロックマン（キングス⇒トレード）

元ヒートのドゥーリングは、バックアップPGとしてヒート行きのウワサもありましたが、結局バックスに決まりました。
またバックスは、キングスからガテン系PFのブロックマンを獲得。
とことん地味路線を驀進中ですねｗ

【ピストンズ】
C：ベン・ウォーレス　2年4mil（FAで再契約）

引退もウワサされていたベンは、ピストンズと2年契約。
お姿を見られるだけでも、ファンにとっては嬉しいことです。



ところで、彼らの行くチームは・・・・？？？