Euroleague

話変わりますが、先日Jスポーツでユーロリーグを見ました。
ベスト8からの放送で、ちょうどバルセロナ×レアル・マドリッドの豪華カードをやってくれていたので、「お、ルビオ見れんじゃん」と喜んで見ることにしました。

みなさんはヨーロッパのバスケにどんなイメージをお持ちですか？
ソフト？
ディフェンスがない？
スリーばっか打ってる？
どうせレベル低い？

少なからずそういうイメージが先行しているかと思われます。
でも、そう思っている人ほど見た方がいいと思いますね。
実際に見るとかなりイメージが違います。
一言で言って、「激しい」ですね。

個々の身体能力などはNBAの方が上なのは当然です。
でもヨーロッパの方が身体接触は多いんじゃないかと思います。
ディフェンスもよく動くし、ゴール下ではガシガシ当たっています。
ディフェンスしてないなんて誤解ですね。
よっぽどNBAの方が、ローテーションさぼって電車道ができたりしてます。

それからやっぱりサイズがデカイ。
ルビオとプリジオーニのPGマッチアップはどちらも6-4（193cm）だし、フロントコートには210cm超が並びます。
なのでゴール下は大男たちが林立していて、容易にレイアップが決まりません。
それでいて、その大男たちはポジション関係なくスリーまで打ちます。

走るスピードやジャンプ力という天性の身体能力はNBA選手より落ちるかもしれませんが、勤勉さや動きの量やチームとしての統一感はヨーロッパの方が上ですね。
ディフェンスなんて、いくら走るのが速くてもローテーションさぼったら穴が開いておしまいなんで、自分がカバーするんだという強い意志を持っていかに豊富に動くかにかかっていると思います。

ディフェンスは激しくよく動き、オフェンスはアイソレーションや1on1が少ないという感じなので、どちらかというNCAA寄りのゲームスタイルかな？と思います。
スーパースター的な存在がいない分、チームとしての結束力やバランスは高い気がします。
もちろんスターはいるんですが、ヨーロッパでスターと呼ばれる選手はアンセルフィッシュなパサータイプやオールラウンダーが多いですね。（クーコッチ、ボディロガ、パパルーカスなど）

さて個人に目を移すと、お目当てのルビオはやっぱり輝いていました。
以前の所属チームから離れ、ウルブスを蹴り飛ばし（笑）、今季からバルサに移籍（ブログ）したわけなんですが、もう完全にチームの中心になってました。
スロベニア代表のラコビッチというPGがいて、日本で行われた世界選手権でかなり活躍していたので印象に残っているんですが、そのラコビッチをバックアップに追いやって先発PGの座をGETしています。
まだ19才なんですけどねｗ

この大舞台でもトリッキーなパスは繰り出しますし、広いコートビジョンでフリーの見方に的確なパスを出していました。
スリーも打てば決まるし、小気味よいドライブインも見せ、得点も取ろうと思えばいつでも取れるといった感じでした。
GAME1では、4Qの勝負所でゴール下へ果敢なドライブ。
3人のマークを引きつけたところで、エンドライン際から3Pライン上へアウトレットパス。
フリーでパスを受けたチームメイトがスリーを沈め、ゲームを決めるポイントを演出したりしました。

一言で言えば、「いつでも通用するな」という感想です。
今すぐにNBAに来ても、すぐに先発PGとして活躍できる実力があります。
ウルブス入りを拒否した時、「実力が足りないからだ」という意見もチラホラ聞かれましたが、全くの見当外れだと思います。
今すぐ通用しますし、本当に来なかった理由は、ダブルでPGを指名して天秤にかけるような対応されたことに、本気で「来てほしい」という誠意を感じなかったからだと思います。
あと2年のうちに、次代の先発PGを探しているチームへのトレードがまとまることを願います。

それともう1つ、これは全くの個人的なことでアレなんですが、バルサでテレンス・モーリスの姿を見つけて感激しました。
モーリスはメリーランド大でプレーした大型SFで、攻守両面で何でも器用にこなせるオールラウンダーとして活躍しました。
2年生時には、平均15.3点・7.1リバウンド・2.3ブロック・FG55.1％・3P35.5％・FT82.5％という成績を残し、ドラフトでTOP5指名は確実と言われていました。
でも・・・・この時アーリーエントリーしなかったんですね。
それが後々のキャリアに響いていきます。。

その後、シドニー五輪を控えたドリームチーム相手の練習試合に大学選抜チームの一員として出場し、活躍を見せたりしました。
しかし、元々アンセルフィッシュだったプレースタイルが災いしてか、3～4年生時のスタッツが1～2年生時に見せた上昇カーブには及びませんでした。
そうすると、ドラフトで最も重要視される“ポテンシャル”への期待値が一気にしぼんでしまうんですね。
最終的に、4年間カレッジでプレーした後にエントリーしたドラフトでは2巡目まで指名されず、かつての“TOP5”の評価は遠く彼方へ消え失せていました。

NBAではロケッツとマジックでプレーしますが、パッとした成績は残せず、ヨーロッパへと新天地を求めました。
ただヨーロッパでは輝かしいキャリアを残し、マッカビ・テルアビブ、CSKAモスクワ、FCバルセロナと強豪チームを渡り歩き、いずれのチームでもユーロリーグのファイナルまで進出しています。
何かに秀でているわけではないんですが、何でもスマートにこなし、動きが非常にスムーズで、サイズが大きいのにそれを感じさせないオールラウンドなプレーぶりが、個人的に非常に好きなタイプのプレイヤーです。

・・・・なんてことを、目的も着地点もなく徒然と書いてしまいましたが、今年のユーロリーグでベスト8に残った各チームを見ていたら、知ってる名前が結構あることに気がつきました。
たいていは元NBA選手だったり、過去にドラフト指名を受けていたり、世界選手権で活躍したのを見たりといった感じなんですが、そんな選手を簡単にご紹介してこうかな、なんて思います。
ホント一言ずつですが、何かのご参考になれば。。


【FCバルセロナ（スペイン）】

'03ユーロリーグ制覇。スペインの名門クラブ
ボディロガ、ヤシケビシャス、ガソール兄弟も所属

ロースター

PGリッキー・ルビオ（スペイン）192cm
トリッキーなパス、カリスマ性抜群。'09ドラフト5位指名

PGヤカ・ラコビッチ（スロベニア）186cm
スロベニア代表の司令塔。'06世界選手権でも活躍

SGフアン・カルロス・ナバーロ（スペイン）191cm
スペイン代表の中心的存在。点取り屋。元グリズリーズ

SGジャンルカ・バジーレ（イタリア）192cm
イタリア代表のエース。高速リリースの3Pシューター

SFピート・マイケル（アメリカ）197cm
ディフェンシブな肉体派ウィング。元ニックス

SFテレンス・モーリス（アメリカ）207cm
長身で器用に何でもこなすオールラウンダー。元ロケッツ

PFエラゼン・ローベック（スロベニア）208cm
ミシガン・ステイト大出身。ペイサーズがドラフト指名

PFフラン・バスケス（スペイン）209cm
'05ドラフト11位でマジックが指名するも入団せず物議

Cボニファス・ンドン（セネガル）213cm
7フッターらしからぬキレとスピード。元クリッパーズ


【レアル・マドリッド（スペイン）】

バルセロナと並ぶスペインの名門クラブ
サボニス、ボディロガなど所属

ロースター

PGセルジオ・ラル（スペイン）190cm
'09ドラフトでロケッツが指名権。ハンドリングもシュートも○

PGパブロ・プリジオーニ（アルゼンチン）193cm
ペペ・サンチェスの跡を継ぐアルゼンチン代表の司令塔

SGルイス・バロック（アメリカ）185cm
ミシガン大出身のスコアラー。'99のドラフト指名

SGトラビス・ハンセン（アメリカ）198cm
攻守にタフな働きをするスウィングマン。元ホークス

SFマルコ・ヤリッチ（セルビア）201cm
クリッパーズでは先発PGを務めていた長身コンボガード

PFフェリペ・レイエス（スペイン）203cm
キャプテン。堅実なプレー。'06世界選手権優勝メンバー

PFホルヘ・ガルバホサ（スペイン）205cm
元ラプターズ。高確率の3P。リアル黒ヒゲ危機一髪

PFダリアス・ラフリノビッチ（リトアニア）212cm
双子の7フッター。器用な技巧派。'06世界選手権で活躍

Cアンテ・トーミッチ（クロアチア）217cm
将来を有望視される若手センター。ジャズがドラフト指名


【マッカビ・テルアビブ（イスラエル）】

'04、'05ユーロリーグ連覇のイスラエルNo.1クラブ
ヤシケビシャスやアンソニー・パーカーが所属

ロースター

SFアラン・アンダーソン（アメリカ）198cm
ミシガン・ステイト大出身。元ボブキャッツ

SFデビッド・ブルーセンサール（アメリカ）203cm
サザン・カリフォルニア大出身。元ドラフト候補

PFステファン・ラズミ（ガボン）203cm
元ウォリアーズ。ショットブロッカー

PFヤニフ・グリーン（イスラエル）206cm
元ドラフト候補

Cディオール・フィッシャー（アメリカ）211cm
ウェスト・バージニア大出身。元ドラフト候補


【パルチザン・ベオグラード（セルビア）】

ブラデ・ディバッツがオーナー
セルビアNo.1の名門クラブ

ロースター

PFローレンス・ロバーツ（アメリカ）
'05ドラフト2巡目指名。元グリズリーズ

Cスラフコ・ブラニェス（モンテネグロ）229cm
'03ドラフト2巡目指名。元ニックスの大巨人


【CSKAモスクワ（ロシア）】

'06、'08ユーロリーグ制覇。ファイナル常連
本田が移籍したことで日本での知名度もアップ

ロースター

PGゾラン・プラニニッチ（クロアチア）199cm
元ネッツ。キッドの控えを務めていた大型PG

SGトレイジャン・ラングドン（アメリカ）192cm
'99準優勝の元デューク大エース。3Pシューター
'99ドラフト1巡目11位指名。キャブスでプレー

SFラムナス・シシュカウスカス（リトアニア）198cm
リトアニア代表の先発。冷静なプレーのベテラン

SFビクトール・ハリャパ（ロシア）203cm
元ブレイザーズ。ディフェンス力に優れる

PFポップス・メンサー・ボンス（イギリス）206cm
元ラプターズ。ジャンプ力に優れるアスリート

Cサーシャ・カーン（ロシア）213cm
'08カンザス大優勝メンバー。ドラフト2巡目指名


【カハ・ラボラル（スペイン）】

タウ・セラミカからチーム名を変更
カルデロン、スコーラ、ノシオニら所属

ロースター

PGショーン・シングルタリー（アメリカ）183cm
'08ドラフト2巡目指名。サンズとボブキャッツでプレー

PGマルセロ・フエルタス（ブラジル）190cm
ブラジル代表の司令塔。元ドラフト候補

SGカール・イングリッシュ（カナダ）192cm
ハワイ大出身シューター。元ドラフト候補

SFウォルター・ヘルマン（アルゼンチン）202cm
アルゼンチン代表のシューター。元ピストンズ

PFリオル・エリヤフ（イスラエル）207cm
'06ドラフト2巡目指名。ロケッツが保有権

PFティアゴ・スプリッター（ブラジル）212cm
'07ドラフトでスパーズが1巡目指名。ブラジル代表
攻撃力のあるバレジャオ。来季からNBA入りか？


【オリンピアコス（ギリシャ）】

パナシナイコスと並ぶギリシャ2大クラブ
過去にはアイバーソンにも契約オファー

ロースター

PGスクーニー・ペン（アメリカ）180cm
オハイオ・ステイト大でマイケル・レッドとコンビ

PGパトリック・ビバリー（アメリカ）
'09ドラフト2巡目指名。ヒートが保有権

PGヨタム・ハルペリン（イスラエル）196cm
'06ドラフト2巡目指名。大型のコンボガード

PGセオドロス・パパルーカス（ギリシャ）200cm
CSKAモスクワで2度の欧州制覇をした大型PG
'06世界選手権でアメリカ代表を破り準優勝

SFジョシュ・チルドレス（アメリカ）203cm
元ホークス。今オフに制限付きFAでNBA復帰？

SFリーナス・クレイザ（リトアニア）203cm
元ナゲッツ。チルドレス同様、NBA復帰も

PFソフォクリス・スコーツァニティス（ギリシャ）206cm
'03ドラフト2巡目指名。クリッパーズが保有権
'06世界選手権でアメリカ撃破の“ベイビー・シャック”

Cルーカス・マフロケファリディス（ギリシャ）208cm
'06ドラフト2巡目指名。ウルブスが保有権

Cアンドレアス・グリニアダキス（ギリシャ）215cm
'03ドラフト2巡目指名。元ソニックス


【アセコ・プロコム（ポーランド）】

ロースター

PGジュニア・ハリントン（アメリカ）193cm
元ナゲッツの大型PG

SGダニエル・ユーイング（アメリカ）191cm
デューク大出身。元クリッパーズのコンボガード

SFクインテル・ウッズ（アメリカ）203cm
短大から直接ドラフト1巡目指名。元ブレイザーズ

Cラトコ・バルダ（ボスニア）213cm
元ピストンズの7フッター



パスは相変わらずトリッキーなルビオ



ルビオとプリジオーニ。激しくあたります



僕の好きなテレンス・モーリス



ちょっとカッコイイ写真でイメージアップ（←なんでｗ）



230cmの大巨人スラフコ・ブラニェス



ジャンプしたら誰も届かない



横から見た図



ベイビー・シャックが小さい



デカイなあ～



隣りは子供じゃなくてチームメイトです



お巡りさんもビックリして眺めてます