記憶の彼方へ

カラーとモノクロの写真と一緒に 日頃のなにげないエピソードやホッとするコトバを♪

クリムト

2009年10月04日 01時11分03秒 | Weblog
昨日の美の巨人たちは「クリムトの接吻」。
私が好きな画家のひとりだ。
パリに留学していた時にちょうどグラン・パレに来たのでウィーンに行かずに実物を見ることが出来た。グランパレはパリ8区にある大規模な展覧会場の建物で、1900年のパリ万博万国博覧会のために建てられたもの。
接吻は予備校時代からの友人akkoの家に泊まりにいった時に知った絵だ。15年ほど前の話。当時ひとり暮らしをしていたakkoの家の玄関に飾られていた。
初めて見た時の感想は全体を占める金色におどろいたが、不思議と違和感はなく金色独特のいやらしさは感じなかった。そして何よりも情熱的なキスをまだ知らなかったので、からだも心もすべてあずけるような信頼しきった女性の姿に憧れた。
以来わたしもクリムトのファンである。パリでの展覧会ではエゴン・シーレも同時に展示されていた。一緒に見に行ったIDAはエゴン・シーレをいたく気に入った様子だったがわたしは断然クリムト派だった。なかでも「ダナエ」が一番だ。次に「女の生の三段階」、三番目に好きなのが「接吻」。ダナエは女性そのものを表している。どういう体勢をとっているのかは疑問だが、赤ちゃんが胎内にいる時の体勢に似ている。女の生の三段階は老婆の姿がなんとも言えず直視しがたいが、子供を抱いた母親の姿が美しい。
基本的に金色は扱いが難しいと心得ている。私が身につけるアクセサリーもゴールドは極力選ばない。プラチナやシルバーのほうが肌の色に合っているからだ。でもその金を絵の中に違和感なく溶かし込むのはクリムトならではなのではないだろうか。
番組では、クリムトは尾形光琳に影響を受けたのではないかと推理していた。ただよく見ると、金は金でも色が違う。クリムトは神々しい金色だ。一方、尾形光琳が選んだ金色はトーン(明るさと鮮やかさの度合い)が抑えられている。一見して日本人の絵だとわかってしまう。
つまり、クリムトは日本の絵画のよいところを抜粋して自分のものとしたのだろう。どんなすばらしい技法や技術もはじめは誰かの真似から生まれるのだ。
まあ、私が二つの絵を見ても共通点がある事には全く気付かないが




fine ART photgrapher Masumi
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