舞姫

ひぐらし日記

キナーゼ医薬品の研究開発(3)

2021-01-25 | 日記
 DGKキナーゼは、低分子化合物で、がん細胞を攻撃するキラーT細胞の働きに関与。具体的には、DGKα及びDGKζと呼ばれる2種類のキナーゼが、キラーT細胞を眠らせる信号を伝達する役割を果たしている。このため、DGKαとDGKζの働きを阻害する薬剤ができればキラーT細胞の働きを活発化させ、がん細胞への攻撃力を回復させる効果が期待できる。

 2018年3月にはエーザイが自社の抗がん剤「レンビマ」と米メルクの「キイトルーダ」の併用療法による共同開発契約を締結し、メルクから契約一時金及び開発・販売マイルストーンで約6,110億円を得る可能性があることを発表した。

 カルナバイオサイエンスは今後、免疫チェックポイント阻害剤との併用療法なども見据えた開発を進めていくものと予想される。

 CDC7キナーゼを阻害する経口投与可能な低分子化合物です。
CDC7を阻害すると、不完全なDNA複製が引き金となって、染色体の不安定化を引き起こし、がん細胞に細胞死を誘導します。
 一方で、正常細胞は、細胞周期の制御が正常であるため、CDC7活性が阻害されても細胞は死ぬことはなく、この点からCDC7阻害剤は非常に副作用の少ない新しい治療薬となる。

キナーゼ医薬品の研究開発(2)

2021-01-24 | 日記
 日本新薬は、骨髄線維症を対象に開発中のJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬NS-018をCOVID-19による重症肺炎やARDSの治療薬に転用することを検討。同社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグ(製品名「ウプトラビ」)をCOVI-D19で生じる血栓症の治療薬として開発することも検討しています。(再掲)

 エーザイは、かつて重症敗血症を対象に開発していたものの、P3試験で主要評価項目を達成できずに開発を中止したTLR4拮抗薬エリトランの臨床試験を開始。試験は、国際共同治験「REMAP-COVID」として行われ、米国で開始したあと、日本を含むグローバルへと拡大する予定です。

 エリトランは、サイトカイン産生の最上流に位置するTLR4(Toll様受容体4)の活性化を阻害する薬剤で、サイトカインストームの抑制を狙います。

 その他 英アストラゼネカは海外で白血病治療薬として承認されている。BTK(ブルトン型
キナーゼ)阻害薬アカラブルチニブの臨床試験を実施中。
 カルナバイオは白血病幹細胞を死滅させる根治療法を目的としたものであり、開発に成功すればブロックバスターとなる可能性がある。早期に前臨床段階へ

キナーゼ医薬品の研究開発(1)

2021-01-23 | 日記
コロナ重症患者に対する治療薬 
 
(1)JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬では、関節リウマチ治療薬 バリシチニブ(米イーライリリーの「オルミエント」)が米NIAID主導のアダプティブデザイン試験の一部としてレムデシビルとの併用療法に関する国際共同臨床試験を開始。同試験には日本も参加しています。P3試験も行われています。

(2)JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬ではこのほか、トファシチニブ(米ファイザーの「ゼルヤンツ」)も欧州で医師主導臨床試験が行われているほか、スイス・ノバルティスも骨髄線維症などの適応で承認されているルキソリチニブ(製品名「ジャカビ」)のP3試験を準備している。
「AS-0871」の開発に成功すればブロックバスターに育つ可能性は十分

(3)ペフィシチニブは、トファシチニブおよびバリシチニブに次ぐ第3のJAK阻害薬が登場  
 関節リウマチ(RA)は慢性の炎症性自己免疫疾患で、T細胞選択的共刺激調節薬のインターロイキン-6(IL-6)阻害薬のトシリズマブ(アクテムラ
JAKには4種類のサブタイプ(JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)がある。

 日本新薬は、骨髄線維症を対象に開発中のJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬NS-018をCOVID-19による重症肺炎やARDSの治療薬に転用することを検討。同社は、肺動脈性肺高血圧症治療薬セレキシパグ(製品名「ウプトラビ」)をCOVI-D19で生じる血栓症の治療薬として開発することも検討。

カルナバイオ:1000億円超え期待の2新薬の開発が進展

2021-01-22 | 日記
カルナバイオは国立がん研究センターと「TNIKキナーゼ阻害剤」(大腸がん)、
北里大学と「次世代抗マラリア薬」を共同研究開発。
2016年カナダのProNAi社(現シエラ・オンコロジー)にキナーゼ阻害薬を導出。
2018年キナーゼ阻害薬の創製研究で大日本住友製薬と共同研究開始。
2019年6月米国のギリアド社から新規がん免疫療法の創薬プログラムに関する契約で一時金21億2800万円を獲得したが、今後、開発状況や上市などの進ちょくに応じて追加的に最大で4億5000万ドル(約470億円)を受け取る予定であること、さらに上市後は売上高に応じたロイヤルティーを受け取る契約。
2020年BTK阻害剤「AS-1763」で中国医薬品開発のバイオノバ・ファーマシューティカルズとライセンス契約。契約一時金はすでに受領済みだが、
マイルストーンは最大で約2億500万ドル(約215億円)、上市後は最大2ケタの料率の段階的ロイヤリティも受け取る計画。

 ブロックバスター、リウマチなどの免疫炎症疾患治療薬AS-0871で被験者への投与を開始、
 血液がんや免疫を介したがん治療薬「AS-1763」は審査が順当に進めば2月末まで欧州での臨床承認が得られる見通し。BTK阻害薬「AS-0871」は免疫炎症疾患(リウマチなど)を対象にこれらの数字は今期売上高予想11億300万円の同社にとって極めて大きな数字といえよう。
 また、さまざまながん細胞の増殖を強く阻害するBTK阻害剤「AS-0141」の開発・製造・販売の全権利を2020年6月に再取得し、国内での治験実施準備中。


トランスGが新型コロナウイルスの抗体の取得に成功 (再掲)

2021-01-20 | 日記
トランスGが、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に結合する抗体の取得に成功 20/12/24
糖ペプチド抗原を使用した免疫試験の結果、スパイクタンパク質に結合す抗体の取得に成功したと発表。取得抗体群の一部については21年1月下旬に販売を開始する。
スパイクタンパク質は多数の糖鎖修飾を受けた糖タンパク質であり、その変異が生じやすいことが報告されている。しかしながら、医化学創薬は、変異を受けにくいと報告されている糖鎖付加部位をターゲットとし、独自の糖ペプチド合成技術と抗糖タンパク質抗体取得技術を融合させ、免疫用糖ペプチドを設計及び合成し、免疫試験を実施した結果、新型コロナウイルスが有する糖鎖とタンパク質の両構造を同時に認識するユニークな特性を持つ抗体を複数取得することに成功した。
なお、医化学創薬がターゲットとしている糖鎖付加部位は、先日より英国等で報告されている新型コロナ変異種の変異箇所には該当せず、当該変異の影響を受けないことが明らかとなっている。
新型コロナウイルス感染症に対する簡易検査キット(イムノクロマト法=抗原抗体反応を利用した迅速診断法の一つ)