うたた寝映画日記

米子ではたらく税理士の個人的映画論

八日目の蝉

2012年09月23日 21時56分22秒 | 映画論
秋は映画の季節です。
は僕の持論ですが、

やっと観ました!!

「八日目の蝉」

DARAZFM番組
ハッピーシネマストリートでも、
ゲストが大絶賛されていた本作。

赤ちゃんを誘拐して、4年間その子と一緒に暮らした女性のお話。

誘拐犯役に、永作博美。
誘拐された赤ちゃんの大人になってからの役に、
井上真央。

誘拐された当時の時間軸と
大人になってから当時の逃走経路を訪ねる時間軸とが、
絶妙に交差し、ひとつひとつの過去が明らかになっていく。

ミステリーですが、間違いなく家族の映画です。

一般常識では、誘拐犯は悪です。

しかし、生まれてすぐ誘拐され、4歳まで
我が子以上の愛情で育てられた女の子にとっては、
大好きなお母さんでしかありません。

そして、4年間の逃亡生活の上、無事救出され、本当の両親のもとへ。
普通なら一件落着なのですが、4歳の女の子にとっては、
実の両親は、知らない大人でしかありません。

果たしてこの子にとってどちらが幸せなのか?
ひょっとしたらこのまま誘拐犯とは知らずに、大好きなお母さんと
一緒に暮らした方が幸せだったかも。


大人になってから、子供の時に母親だと思っていた誘拐犯と
暮らした小豆島を訪ねる。
母親や友達との楽しい思い出しか残っていない小豆島。

封印していた過去。
混沌とした未来。

自分の人生を歪めた誘拐犯を憎んでいたが、
やはり自分は誘拐犯だった母親が大好きだったと改めて思い出す。

そして、自らも、身篭った赤ちゃんと一緒に生きていこうと決意する。

子供にとっての家族とは?
を考えさせられた作品でした。

本作の永作博美さん、最高です!!