下新庄学童クラブ記事倉庫

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優しさとしての文化

2005-07-01 | みんなで考えたい事
6/26の大阪学童保育研究集会の記念講演のひとつが立命館大学教授で雑誌「上方芸能」の代表であられる木津川計さんの講演でした。
 木津川計さんは講演の前に特別報告で発言されていた東住吉のひよこ学童を立ち上げた父母の一人でもあり、懐かしく頼もしく思う旨の発言を最初にされていました。
 講演の内容は文化論で、京阪神で大阪が一番都市格は下・・・経済力があって都市力はあるが格は下であると述べられていました。
 例として、3都市を50音で現すと京都は「はひふへほ」で、神戸は「パピプペポ」で、大阪は?
 「ばびぶべぼ」だそうです。(会場大爆笑)
 又、ある有名な作家が恋愛小説を書くと京都は「雪のふる・・・」になり、神戸は「花のふる・・・」になり、大阪は?
 「銭のふる・・・」でさらに大爆笑でした。
 昭和50年代にヒットした「昔の名前で出ています」の歌も例に挙げ、横浜では「ひろみ」、京都では「しのぶ」、神戸では「なぎさ」と言われてお店に出ているが「大阪には寄っていないんですねー」と神戸ワインと河内ワインのイメージの違いにも触れられ、ユーモアいっぱいの文化論でした。
 文化の格には3つのポイントがあり、①文化のストック(蓄積)がある②景観の文化性③発信する情報をあげられていました。
 又、携帯電話の普及で「待つ」と言う文化が失われ、竹下夢二の「待てど暮らせど来ぬ人を・・・」の様な当てのない待ち方が出来なくなってしまっている指摘されていました。
 又、大阪の文化発展に貢献した秋田実さんが「人を殺さない・傷つけない、家中の誰もが楽しめるものが本当の笑いだ」と平和的な笑いを追求した事に言及し会場の共感を呼んでいました。
 鉄腕アトムやフーテンの寅さんやセカチュー・歌謡曲にまで話が及び結局、やさしさのあるものを皆求め、それが文化として国民のものになっていると発言されていました。
 久しぶりの木津川計さんの講演会でしたが、とても楽しく為になる講演会でした。