良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

本当の優しさ

2010-01-02 09:57:34 | つぶやき
 誰かがケガをした・・・誰かが病気になった・・・そんなことを聞くと、すぐに「まあ、何て事でしょう お気の毒に・・・」と思いますね。そして、早く良くなられるようにと祈り、もっと近しい人であれば、「何かお役に立てることはないだろうか?」と思います。
 そして、実際に、お手伝いをする時もあるし、頻繁に時間の都合をつけて見舞うこともあります。
 でもね、私はそんな時いつも、こっそり「ああ、私の家族は健康で良かった・・・」そうも思ったものです・・・

 今回、息子が重い心臓疾患を患い、大変リスクの高い手術をすることになって、私は全く今までとは違う感覚?を味わいました
 現実をしっかりと受け止め、決してうろたえることなく、「今、すべきことは何か?」と冷静に考える・・・
 しかし、そういう「静」の思いと同時に、一方では、ただただ、何としても生きて欲しい、生かしてやるぞ!という「動」の思いがあり、多くの方々に「力をください」とお願いをしました
 そして、無事に手術が終わってから3週間が過ぎ、当時のことを思い出すと、「別の私」がいたように思えてなりません。

 思えば、入院から手術までの1ヶ月・・・あのひと月ほど「命」という言葉に敏感に反応し、「死」というものを身近に意識したこともなかったでしょう。
 年末に近づき、今年一年の報告やデータなどを報道する番組で「自殺者が○○人・・・」などと聞くと、極々真面目に、「ご自分でもういらないと思っている命ならば、どうぞ息子に譲ってください」と叫びたくなりました。

 テレビでは、医療に関するクイズ番組や報道番組、ドキュメンタリーが多いですねえ きっと視聴率も高いのでしょう。
 何にでも興味のある私ですから、今までもそういう番組は大好き、好んで見ていました。
 でもね、今では、なかなか以前のように「興味」という、ある意味での「志向」で見る気にはなれません

 残念ながら、息子はまだ入院中です
息子の病棟にもたくさんの方が入院されていて、クリスマスもお正月も病院で迎える・・・という方がおいでになるのです。
 こんなふうに、病気や病院が、自分に身近な現実となって、私は初めてそういう「現実」を知りました。
 ブラウン管の向こうの世界ではなく、まさに我がこととして・・・そして、思ったのです。
  私は、本当に今まで優しかったかな?
  私は、人の痛みを、心底理解していたかな?
  私は、自分の目の前のことしか見ていなかったのではないかな?

 東急東横線には、つり革やポールが黄色い色に塗り分けられた「優先席」があります。どんな私鉄にも、たぶんJRにも、そういう席があり、そこには「この付近では、携帯電話の電源を切ってください。」と書かれてありますね。携帯電話の電源を切るのは、心臓ペースメーカーを付けた人達のために!という配慮です。
 私は、敢えて優先席に座ることはありませんが、それでも、案外、平気でその付近でもメールをしていることがありました そんな時、私は「そんなに大勢、ペースメーカーを付けた人はいないよなあ・・・」という気持ち、とでも言うのでしょうか
 息子が手術で取り付けたのは、動脈の人工弁や人工動脈であって、心臓ペースメーカーではありません。

 けれど、息子もそんな一人になったように、若かろうが、健康そうに見えていようが、「社会には、本当にたくさんの身体や臓器に障害を持った方」がいるのですね・・・

 今年、関東地区は日本晴れの好天に恵まれ、美しい元日を迎えました。大晦日の満月も、元旦の朝日も、良い年となる前兆であって欲しい・・・きっとみなさんがそう思われているでしょうね。
 私は今年からは、本当の意味で、すべての人に優しい心を向け、真の優しさを持って人に接することのできる「素敵な人」になろう!そう思っています


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