湘南の名前は中国のある場所の風景と似ているので、そこから引っ張ってきたというのは、なんとなく知っていましたが、湘南といえばせいぜい茅ヶ崎までが西の端、とイメージしていたので、大磯が湘南の発祥の地と知って驚きました。
そして東は葉山くらいまで、と思っていたのですが、鎌倉、逗子、葉山は明治時代までは湘東と呼んで湘南とは区別されていたというのです。
大磯、鴫立亭に湘南発祥の碑と説明の立て札がありました。
ここは、西行が
こころなき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋のゆふぐれ
を詠んで吟遊した場所とされるところだそうです。
いい句ですね。
景色が目に浮かび、寂しさがこみ上げてきて背中がぞわぞわします。
鴫立亭は日本三大俳諧道場のひとつだそうです。
いかがでしょう。一句、ひねってみては。
鴫立亭の脇を流れる小川が行き着くところは「こよろぎの浜」と呼ばれる美しい浜になっています。
西行を偲びつつ、プリンスホテルのあたりまで浜を歩こうと思って、役場の脇から浜に出る隋道に向かってみたら、立ち入り禁止のテープが・・・。
台風による被害で、とのことです。
でも、浜には釣り人の姿があるので、どこか入れるところがあるはずです。
西湘バイパスの側道を、通れる隧道を探してとうとうプリンスホテルの先まで歩いてしまいました。
今日は海に嫌われたな、と思い、帰路に着くことにしました。
あとから聞いたところ、浜はひどい荒れようで、隋道のコンクリが終わったところから砂がごっそりなくなり、2~3mの高低差が出来てしまっているということです。
ただ、1箇所、幼稚園のところ(と、説明してくれた方はおっしゃいました)は船の引き込みのために機械を入れて砂を戻したので通れる、もう一箇所、釣り人が集まって人力で砂を戻し、立ち入り禁止のテープをくぐって通っているところがあるらしいです。
もとのように美しい浜の姿に戻るには何年もかかるでしょう。