まど

細く開いた窓を覗いてみると、そこにはNikonD70Sを前に困惑している女がひとり・・・

藪を漕ぐ

2005-10-22 13:11:22 | Weblog

藪を漕ぐ、という言葉を初めて知ったのは確か串田孫一の随筆だったと思う。
この言葉を聞くたび随筆から呼び起こされたイメージが映像のように浮かぶ。
向こうに色付いた広葉樹の林がある。
そこからこちらに向かって藪が広がっている。遠くに望むなだらかな山。
その藪の中を串田孫一が一歩ずつ足元を探りながら進んでいるのだ。
ベージュのヤッケを着て、赤いチェックのネルのシャツを着ているようだ。
藪が深いので胸から下は見えない。
空はよく晴れて、秋の日差し。それを私が高いところから見ている。


箱根の仙石原に行ってきた。
風があるので夕日をうけて光るススキの原は金色の海のようだ。
頭の中で夢見ていた藪とはまた違う美しさである。
仙石原に宿をとり、朝日に光るススキも見た。
夕日では金色に光っていたススキは朝日を浴びて銀色に輝いている。
光の加減が難しくて、いかにも仙石原、という写真は撮れなかった。

残念。おとといおいで、とススキが手を振る。

 

↑わざわざ仙石原までいかなくても撮れたかもしれない。単価の高い写真である。