ベンチャーウィスキー社は2004年創業のため、これまでご紹介
してきたウィスキーは羽生蒸溜所その他の原酒から作られたもの
でした。
今日の内容は、2007年に設立され現在稼動中の秩父蒸溜所のも
のです。
▲左から蒸溜したて未貯蔵。バーボン樽3年&ミズナラ樽3年。
シングルモルトの象徴ともいえるポットスチルで蒸留されたウィ
スキーは、その蒸溜順にフォア、ミドル、フェインツと呼ばれます
が、樽に詰めて熟成させるのはミドルのハートと呼ばれる部分
だけだそうです。
この未貯蔵モルトももちろんハートの部分。いわゆる麦焼酎の超強
力版のような酒なのですが、蒸溜所ごとの個性というのはこの時
点で明確に表われます。
私は、マイブレンドウィスキー作りに参加したときの余市のニュー
ポットとイメージを比較しながら口に含んだのですが、あちらは
麦芽の甘みがフルボディで広がるタイプ。こちらは麦草の香りが
印象的なタイプ。
ワインに例えるなら、余市がフルボディのボルドーで秩父がブー
ケっぽいブルゴーニュというところでしょうか。
続けてお待ちかね秩父3年物。まずはバーボン樽のものですが、
かなり強いオークの樽香が溶け込んでいて、先のニュースチルで
いうフォアのウィスキーのようです。これだけをシングルカスク
と言うなら、かなり強くて早いストレートのパンチみたいです。
一方、最後の3年物はミズナラ樽仕込みで、こちらはミズナラ特
有の甘い梅酒のような味わいが特徴。ちょっと私には甘すぎてこ
れだけを飲むのは辛いですが、シェリー仕込みの例えばマッカラ
ンなどがお好きな方には、別のタイプの甘いウィスキーもあると
いうことでお楽しみいただけるのではないでしょうか。
ちょっとキツいウィスキーとちょっと甘いウィスキーでしたので、
両方とも5:5で混ぜたら丁度いいのではないかと思って試して
みたら、これが信じられないくらい素晴らしいバランスのウィス
キーになりました。色も丁度いい琥珀色です(笑)。
蒸留してわずか3年でこの素晴らしさですから、5年8年10年と
熟成を重ねていく将来がとても楽しみになりました。
にほんブログ村
感謝!