日本唯一のウィスキー専業メーカとして、ユニークなウィスキー
製造に積極的に取り組んでいるベンチャー・ウィスキー社。この
ブログでは、既にイチローズ・モルトMWRを取り上げています。
そのベンチャー・ウィスキーがリリースした、これまた非常に珍
しいウィスキーが本日のお題です。イチローズチョイス・シングル
グレーン川崎。
イチローズチョイスシングルグレーン川崎1981
ユニークな点は2つあって、ひとつはグレーンウィスキーだけの
ボトリングであること。もうひとつは川崎蒸溜所のウィスキーで
あること。川崎とはもちろん神奈川県川崎市です。
グレーンウィスキーとは、原材料にとうもろこしを使用したウィ
スキーのことで、グレーンウィスキーだけを考えるなら、世にバー
ボンとよばれる北米のケンタッキー・ウィスキーは皆グレーン
ウィスキーですから、珍しくもなんともありません。
しかし、北米以外のウィスキーの分野ではモルトベースが基本で
すので、通常グレーンウィスキーは脇役でグレーンウィスキーの
しかもシングルカスクが商品化されるのは滅多にない(といいます
かこれまで聞いたことがない)ことです。
だからこそリリースされたボトルですので、どんなものなのか
と思ってテイスティングしてみると、シェリー樽仕込みですが
25年以上の長期熟成だけあって、しっかり熟成したシェリー
テイストをもちながら、モルトベースだと重くなりがちな個性が
グレーン独特の個性を主張しないボディと類稀な調和をみせ、堂
々としたウィスキーに仕上がっています。
もうひとつレアなのが川崎で、かつて多摩川河口付近、川崎球場
近くにあったウィスキー蒸溜所の原酒ということも、滅多にない
非常に珍しいことといえます。
これはグレーンウィスキーがブレンドのベースに使われることが
多く一般的に日の目を見ることがないのと、この樽が特別に素晴
らしく熟成したウィスキーだったことからベンチャーウィスキー
社がリリースの英断を下したからこそ日の目を見ることになった
からで、その見識眼こそ評価されてしかるべきだろうと思います。
まだまだ知らないことが多いと再発見させてもらった奇跡の一本
です。
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