マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

Highland Park Distillery

2009-07-31 18:52:18 | グルメ

Holm Road kirkwall, Orkney, KW15 1SU

私が考える世界で一番のウィスキーはハイランドパークです。今回
は積年の念願が叶って蒸溜所を訪問することができました。

Highland Park Distillery

ハイランドパークは、カティザークやフェイマス・グラウスのキー
モルトとしても知られており、生産量のおよそ3割が上記ブレンド
用に供給されているとのことでした。

ハイランドパーク蒸溜所は、現在のところ地球上で最北にある蒸留
所としても有名で、スコットランド本土からは航空機かフェリーで
さらに北極圏まで北上しなければならないことから、物理的にも心
理的にも非常に遠くに感じる場所です。

しかしながら、自分自身のなかで一番なのですから、これはなんと
してもこの眼で見ておかねばならない、実際に体験することでさら
に一段上のステージ(おいおい何のステージだよ!)に行かれるに違
いない、と考えていました。

Highland Park Distillery

前日のタリスカーと同じく、ハイランドパークでも蒸溜所ツアーを
開催しています。私は数種類あるツアーの中からコニッサーツアー
と呼ばれる、数種類のテイスティングをさせてくれるものに参加し
ました。

Highland Park Distillery

ハイランドパーク蒸溜所は、その分野では非常に高く評価されてい
ますから、レセプションセンター等にはこれまで受賞した様々な評
価が飾られています。

その受賞を誇りにウィスキーを作っているのは言うまでもないので
すが、驚くのは蒸溜所の全員が全員、皆とてもフレンドリーでオー
プンなのです。

シングルモルトに興味をもつと、まずそのポットスチルの形状に興
味をもつところが全世界共通で一般的で、蒸溜所側もそれを承知で
解説をしてくれるのですが、ポットスチルのメンテナンス・ハッチ
を開けて中まで見せてくれたのはハイランドパークが初めてでした。

Highland Park Distillery

ツアーでは、貯蔵庫まで進んで樽の製造から入手、メンテナンスの
解説まで含み、昨今はシェリー樽の価格が高騰しているなどといっ
たことまで話してくれました。

ちなみに、ハイランドパークは250リットルのホッグズヘッドを
3段積み。ウェアハウス(貯蔵庫)は23あるそうです。

Highland Park Distillery

蒸溜所ツアーが終わったら、いよいよ待ちに待ったテイスティング♪

オフィシャルボトルの若い年数のものから順に、シニアマネージャー
の解説つきで1時間以上の長時間をつかったもので大満足。

「ハイランドパークの21年は、余市の20年とよく似ていますよ」
と言ったら、シニアマネージャー氏は余市のことをよくご存知のご
様子で「余市は良いウィスキーだね。少し前にあった150種類の
ウィスキーをブラインドでテストするコンテストでトップだったね」
と非常に関心があるようでした。

ハイランドパークで使用している大麦の種類は、オプティック種とい
うもので、これも余市と共通ですね。

ちなみに、余市はスコットランドでは輸入品なので、ハイランドパー
クの21年が80ポンドのところ、余市20年は150ポンドだから
自分には買えない!と仰っていました(笑)。


今回は特別に「あるウィスキー」(秘密!)もテストさせてもらって、
まるで天国に上る気分。「これはヘヴンだよ」と言ったら「そうだ
そうだ。キミに同意するよ!」と仰っていました。

Highland Park Distillery

他にも色々とあるにはあるのですが、ここで公開するのはこの辺で
おしまい。

こうして夢にまで見たオークニー島の最北の蒸溜所訪問は、総てを
越えるリッチで長いフィニッシュのまま、私の長い記憶に仕舞われ
ることになりました。

スコットランド・オークニー島にて。

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Talisker Distillery

2009-07-30 18:50:02 | グルメ

Carbost, Isle of Skye 1V47 8SR

さて、ここからしばらくは、シングルモルト・ファンの皆さまのた
め(笑)のページです。

ハイランド・モルトで最もストロングなウィスキーを作るのが、こ
の「タリスカー」蒸溜所です。タリスカーの名を知らない人でも、
ジョニーウォーカーやベルといったスコッチウィスキーの名前なら
ご存知の方も多いでしょう。

タリスカーは、これらのブレンデッド・ウィスキーの味を決める重
要なシングル・モルトと言ってもいいのではないかと思っています。

さて、そのタリスカー蒸溜所はスコットランドは西に点在する島々
の中のひとつであるスカイ島にあって、同時に島にある唯一の蒸留
所でもありますので、タリスカーのファンになってしまった方は、
わざわざこの蒸溜所を見学するために、この島までやって来なけれ
ばなりません。はい。それは私のことです(笑)。

スカイ島には、ブリテン島の最西で接することになるカイル・オブ・
ロハルシュというところから橋を渡るか、フェリーで渡る2ルート
がありまして、今回私は前者の方法で行ってきました。

カイル~の駅までは、インヴァネスからローカル線で約2時間半。

UKの、地上の天国と呼ばれる典型的な風景を眺めながら、古くて
必ずしも保線状態の良くないグリーンラインに揺られて着くのは、
稚内のような小さな駅。

TALISKER DISTILLERY

カイル~を誰も知らないのですから、駅前にも当然のようになにも
ありません。蒸溜所へは橋を渡って別の島に行かなくてはならない
ので呆然としました。

時間の制約もあるので頑張って気を取り直し、自動車ディーラーに
飛び込んでレンタカーはあるかと聞いたり、たまたま駅前に停まっ
たクルマのドライバーに聞いたりしながらまずはツーリスト・イン
フォメーションを発見。そこで聞いてみると、タクシー会社がレン
タカー・サービスをやってるとのこと。

TALISKER DISTILLERY

そのまま赴いて尋ねてみると「今日はないよ。残念だね。明日はど
う?」という長閑な返答でこれまた呆然。しかたなくタクシーで連
れて行ってもらいました。

クルマで走ること約1時間で蒸溜所に到着。

TALISKER DISTILLERY

ローカル線やタクシーの車窓で感じたのは、まったく函館本線の山
線の風景そのもの、そっくりそのままスケールを2倍にしたような
ものだったということです。

タリスカーと日本の余市のウィスキーの類似性は、前回書いたとお
りだと思っているのですけれど、現地に来てみればやはり非常に似
た環境で合点がいきました。

昨今のシングルモルト・ブームを繁栄してか、蒸溜所には大勢の観
光客が来ていて、蒸溜所側は定期的に工場見学のツアーを開催して
います。せっかくだからと私も参加しました。

TALISKER DISTILLERY

タリスカーでは、その生産量の6割をシングルモルトとして出荷し
ていて、4割は上述したブレンド用に出荷しているそうです。この
お話を伺ったときにはブレンド用の割合が少し多いなと感じました
けれど、ジョニーウォーカーのメインモルトならば当然ですね。

日本で出版されているウィスキー関連書籍によく掲載されているタ
リスカー独特のポットスチルは、2回蒸留するうちの初留釜で、再
留はすぐ隣にある一回り小さいストレートネックの再留釜で行うそ
うです。

TALISKER DISTILLERY
ツアーの終了は、蒸溜所内に設置されたショップで終了という巧い
構成になっていて、ショップでは蒸溜所限定のカスク・ストレング
スの試飲をさせてもらって、理性が吹き飛びそうになったことを書
き記しておかなければなりませんね(笑)。

スコットランド・スカイ島にて。

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