暑い日中がおわり、心地よい疲労感が漂っているような
夏の夜には、空調の効いた部屋でウィスキーをやるのが
一番ですね。
近ごろのように、連日真夏日が続くような酷暑の夜には、
ウィスキーをクラッシュアイスでロックにした、ウィスキー
の”クラッシュミスト”という飲み方がおススメです。
では、ウィスキーなら何でもいいかというと、もちろん
そういう訳ではなく、真夏の夜に最適なウィスキーがあり
ます。
それがハイランドパーク。
ハイランドパーク 28年 1977 シングルカスク 48,5% - 700ml.
私は、当代随一のウィスキー評論家マイケル・ジャクソン
氏が何と言おうとハイランドパークが世界一のモルトウィ
スキーだと思っておりまして(笑)、本当にウィスキーを楽
しみたいと感じる夜は、このウィスキーが一番しっくりき
ます。
このウィスキーは、一番若い12年のオフィシャルボトルで
も定価が1万円もする高級ウィスキーで、これを一番初めに
知ったときには雲の上の憧れの存在でした。
それが、90年代の円高とともに並行輸入が入るようになっ
てからは、あれよあれよという間に2980円まで下落して、
あっという間にお茶の間の人気者になってしまい、雲の上を
見上げていた当方の事情も立場もお構いなしに楽しめるよう
になりました(笑)。
そういう個人的な事情はさておいても、本当に世界一のウィ
スキーだと思います。
ちなみに真冬はタリスカー、春はオーヘントッシャン、秋は
余市がよろしいでしょうか。
感謝!
ニッカのブレンダーズ・バーで飲んだウィスキーは、どれ
も珍しいものばかりでちょっとした貴重な体験でした。
そのなかでも特に今回珍しかったものはこれ。
ザ・フェイマス・グラウス
一般に流通しているフェイマス・グラウスの12年物は
グレーン原酒をバッティングしているので、私は普段なら
あまりご縁がないタイプなのですけれど、この1989年の
ヴィンテージ物はモルト原酒だけのバッティングと書かれて
いたので頼んでみました。
私はテイスティング・ノートを書けるほど知識も経験も
ありませんので良く分かりませんが、リッチで香り豊か。
リフィルカスクの豊かさが高いバランスを生み出して
います。
いわゆる世間で言うシングルモルトのイメージは、樽香
とかピート香とか、シェリー香などが持てはやされることが
多いところ、このウィスキーは純粋な熟成を味わえる正統
な味わいが特徴でしょうか。
こういうものというのは、小手先の技術でなんとかなる
種類のものではなく、あくまで正直に丁寧に物を作ることに
一所懸命に取組んだ結果出来上がるものであり、そこに
価値があると思います。
そして、なぜニッカが本社併設のバーにこのウィスキーを
置いているかの意義が透けてみえるような出来事でした。
もし機会があれば、ぜひおすすめしたいウィスキーです。
感謝!
青山のニッカウヰスキー本社に併設されている、ニッカの
ブレンダーズ・バーが4周年を迎えたので、ちょっと久し
ぶりに行きました。
▲ニッカウヰスキー本社
中に入ってみると、もちろんすでに満卓で皆さん和気藹々
と大人のお酒を楽しんでいらっしゃいます。こういった
ウィスキーを主体にするバーは軽いお酒で大声で盛り上が
るようなこともなく、あちらこちらで笑い声が聞こえる
程度のところが落ち着いていていいですね。
そんなところに一人で飛び込んだものだから、当然カウ
ンターに通されたのですが、ご当地は天下のウィスキー
メーカが直営するバーの4周年記念日のため、両側にいらっ
しゃる御仁は私など箸にも棒にも掛からない熱烈なニッカ
ファンの方ばかり(笑)。
このブレンドは○○さんのものだとか、アニバーサリーが
どうとか、どこどこの蒸留所に出掛けていったなどの
難しいお話が飛び交っていて熱い熱気を感じたので、私は
一人で大人しく飲んでおりました(笑)。
それでも、やはり他所では飲めないウィスキーばかりを
頼んで楽しく時間が流れ、エアコンがギンギンに効いた
バーで暑い夏の極上の贅沢を楽しませていただきました。
感謝!