マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

CLYNELISH 1997

2015-10-16 11:12:58 | グルメ

もうかなり酔っ払っていますので、気持ちはもっと飲みたいエン
ジンが全開でしたが、もうそろそろ堅固な意識の方が限界です。

そこで、泣く泣く最後の一杯でお願いしたのが、やはりこれを
置いて他にないでしょう。クライヌリーシュの17年ものです。

clynelish1997.jpg

これもハイランドの北の方の蒸留所ですが、丁寧に正直にお酒
作りに取り組んでいることが製品にしっかりと反映している賞賛に
値する素晴らしい蒸留所で、私のなかで個人的には世界一、二を
争うレベルだと考えます。

最近はもっぱらブームになって市場の裾野が広がっているモルト
ウィスキーですが、「テレビでやってたから」とか「最近話題に
なっているらしいから」という通り掛かりの方が、ペンキで塗った
ような味のウィスキーを「美味い」という声が、多くの数になって
ネット上を賑わす世の中ですけれども、一過性の通り掛かりが
過ぎ去った後でもしっかりとそこに立っている。そういう約束を
してきたし、これからもしてくれるという信頼が味わいのなかに
潜んでいます。

こういうものこそスピリッツではないでしょうか。

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BALBLAIR 1996

2015-10-15 10:59:06 | グルメ

いくら新興メーカとはいえ、ウィスキー蒸留所の創業者がバーを
回って試飲会を開くなどというのは、ちょっと滅多にない機会なの
ではないだろうか。数年前の秩父蒸留所を思い起こさせるエピ
ソードに違いない。その珍しい機会に遭遇するチャンスを下さっ
たJ's Barの蓮沼さんには感謝してもし切れない。改めて御礼を
申し上げたい。

さて、新興メーカの若い原酒の後には、やはりどうしても老舗の
クラシック原酒が欲しくなるもので、なぜならクラシックとは永遠
だからである。熟成した年数を味わうウィスキーらしい話では
ないかと思う。

樽詰め後数年の若い原酒を4~5種類もテストしたものだから
十分に酔っ払ってしまっているので、後ろ髪引かれる思いで
頼んだのは2種類だけ。

まずは、ハイランドの孤高の蒸留所であるバルブレアの1996年
ヴィンテージ。

balblair1996.jpg

ここの蒸留所は、映画の撮影にも使用された本当に本物の
クラシックなのだが、多くの方には知られていない通好みの蒸留
所と言っていいだろう。私にとってはその方が都合が良かったり
もする。

ただ不都合なのは、多くのバーで取扱いが非常に少ないことで
もあり、今回バブルレアを頼めたのはラッキーなことで、救いでも
ありました。

テイストは相変わらずのドライな辛口だけれども、しっとりとした
麦の穀物感や樽熟成の豊かさが出ているところなどは、最近
流行のコントラストの強いブレンドに対して良心を感じさせる
ところで安心させてくれる。

1996年3月23日蒸留、2015年4月2日瓶詰めの樽番号
414。19年熟成のアルコール度数は51.1度でした。

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WESTLAND KALISH & SONS

2015-10-15 10:40:16 | グルメ

今回の試飲会のボトル群のなかで、私が一番気に入ったのが
このカリッシュ&ソンズと名付けられた、樽番号7でした。

westland-distillery.jpg

詳しい説明をマットから聞いたはずですが、手元のメモには
3年熟成としか書いてありません。おそらくは味か会話に夢中
になってしまって、メモを残すことを失念してしまったのでしょう。

我ながら情けないといいますか、酔っ払いのテイスティングなど
この程度のものとも言えるかと思います。

いずれにしても、ここの原酒はこれから長い年月の熟成を経て
市場の評価を獲得していくことになりますので、そのプロセスを
樽のなかで眠ると同じように楽しみながら、しっかりと眺めつつ、
またシアトルに出掛ける機会があったら蒸留所でのマットとの
再開も楽しみにしながら、ともに歩んでいきたいと思います。

それこそが、ウィスキー作りに携わる者のやりがいだと思う
からです。

matthofmann.jpg

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WESTLAND 312

2015-10-13 10:29:07 | グルメ

ウェストランドの樽番号312はシェリー樽原酒でした。

westland-distillery03.jpg

私は、普段シェリー樽熟成のウィスキーを好んで飲みませんが、
全世界では一般的に人気のあるウィスキーですから、ハイボール
人気でウィスキーの消費が増えているここ日本でも、当然に人気
の商品にラインナップされると思われます。今回の試飲会場でも、
多くの方が「美味しい」といって飲んでいらっしゃいました。

樽番号の順からいえば、こちらが若い原酒となりそうですが、
マットに聞いてみたところ、これは3年熟成だそうです。

高価なシェリー樽に樽詰めしたウィスキーを3年で商品として出荷
しなければいけないところは、新興メーカの苦しい台所事情が
透けてみえるようですけれども、原酒の熟成がもっともピークと
なる20年後のウィスキー需要は誰にも分かりませんから、売れる
タイミングにしっかり売っておくことも、経営上は大変重要なことに
違いありません。

シェリー樽熟成のウィスキー原酒をカスクストレングスで飲める
のは、これまた滅多にない機会ですので、お好きな方には宝物
になるでしょう。

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WESTLAND 242

2015-10-09 10:17:08 | グルメ
前回書いた原材料の麦芽使用割合も珍しいですが、製品の見た目
である、ボトルのデザインもスコットランドの伝統に縛られない
新しさがあり、これもアメリカらしいといいますか、新興メーカ
らしい自由さがあって微笑ましいです。

今回テストしたもののなかで、一番若い2年物の原酒が242と
名付けられたボトルでした。

westland-distillery.jpg

これはシングルカスクでのボトリングのため、樽番号をそのまま
商品名にしていることから、数字が商品名になっているのです。
とてもユニークですね(笑)

アメリカにはウィスキーの最低熟成年数という法規制がないそう
なので、2年熟成どころか、ニューポットでも製品として発売
することが可能なのだそうですよ。

味のほうは、さすがに2年ですから、ニューポットのピリピリ感が
口の中で花火のように炸裂するといった印象で、正直なところ、
美味しいとか不味い以前の問題なのですが、アメリカンオークの
ニューカスクということで、これからホッグズヘッドのような
熟成がしていくであろうところを瓶詰めした商品ということに
なります。

したがって、この蒸留所のウィスキーが美味しいかどうかという
よりも、他所では法律の規制によって味わうことができない2年
熟成の原酒をテストさせていただいたと解釈するのが素直なところ
でしょう。もしそのように考えると、これはこれで滅多にない大変
貴重な機会だったということになりますから、消費者でいる限り
一生に一回あるかどうかの重要な体験です。
 

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WESTLAND FLAGSHIP

2015-10-08 10:53:57 | グルメ
ウェストランド蒸留所のウィスキーがユニークなのは、アメリカ合衆国初の
モルトウィスキーということだけではありません。ウィスキーの原料となる
麦芽に多くの品種を用いてブレンドしていることも、これまでの多くの蒸留
所がせいぜい数種類程度しか使ってこなかったことと比較して、非常に
際立った大きな特徴と言っていいでしょう。しかも、マットはそれを公開
するだけでなく、僕の手帳に書き込んでくれました。

westwood-flagship.jpg

彼が言う、ウェストランドの「フラッグシップ」という、同社の代表的銘柄には
次の5種類が同時に使われています。「モナーク」「エクストラ・スペシャル」
「ブラウン」「ペール・チョコレート」「ワシントン・セレクト」

内訳は、ワシントン・セレクト 70%
エクストラ・スペシャル 12%
モナーク 10%
ペール・チョコレート 4%
ブラウン4%

それぞれの麦がどんな個性の持ち主なのかまで、聞いてみたいと思って
いたのですが、当日は会場がごった返しており、またマットはどこへ行って
も人気者だったため、なかなかまとまった時間が取れず、聞くことができ
ませんでした。

もちろん、ブレンダーとしては、この原料麦のブレンド構成による味わいに
ついても非常に興味深いところですので、次回マットに会うことがあったら
ぜひその秘密を聞きたいと思っています。

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ウエストランド蒸留所 試飲会 

2015-10-07 11:17:48 | グルメ
池袋のJ's Barさんにお声をかけていただきまして、アメリカ・
シアトルの新興モルト・ウィスキー蒸留所「ウェストランド」の
試飲会に出掛けてきました。

westland-distillery.jpg

今回は、オーナー創業者のマット・ホフマン氏が来日しての
プロモーションです。

ウエストランドの創業は2010年とのことですので、2~4年
熟成の若いウィスキーを都合7種類ほどテストさせていただき
ました。

ご本人と直接やり取りさせていただいたのですが、大学で蒸留酒
作りを学び、アメリカで現在メジャーなバーボンの前にはライ・
ウィスキーの歴史があること、地元のシアトルがモルトウィスキー
作りの条件が揃ったパーフェクトな土地だということで始めた
そうです。

ご本人は、もちろんアメリカ人ですから、上昇志向とともに非常に
開けたフランクな方で、スコットランド以外で初めてモルトウィ
スキーを作った日本をとても尊敬しているとのこと。

今後は、自分たちでも製麦(モルティング)を行って、いずれ100%
ワシントン州産の麦でウィスキーを作りたいそうです。

さしずめ現代のマッサンというところですが、日本には似たような
時期にウィスキー蒸留を始めた秩父の肥土伊知郎さんがいますので、
これからよく似た二人として比較対照されていくでしょう。

今後が楽しみです。

matthofmann.jpg


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