マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

GLEN MHOR 1978

2011-12-15 12:41:40 | グルメ

1983年に閉鎖されてしまったグレン・モールのカスクボトルを
とあるバーで見付けました。

GLEN MOHR 1978

これまた幸か不幸か、ここのバーはバーボンが専門とのことで、数
少ないモルトウィスキーのボトルの陰に忘れられたかのように残っ
て(そう、残って)いたものです。そういうお店だからかマスターも
特別なご関心はお持ちでないご様子でした。

このボトルは瓶詰め年の記載がなかったので、熟成年数は不明です。
しかし蒸溜年のプリントがあるヴィンテージボトルという性格を考
えると少なくとも20年前後でしょう。私個人的には若さと熟成の
バランスが最高だと考える最適年数ですので、迷うことなくお願い
しました。

テイストは典型的なグレン・モールです。程よくナッティーでフルー
ティ。アーモンドのスライスを載せたフルーツ・タルトのよう、と
いうと上手く表現できるような気持ちにもなりますが、一方でアル
コール度数が63.2度もあるのでアルコール辛く、マイルドな甘
さの後で稲妻が走る好みのタイプでした♪

そういえば、グレン・モール蒸溜所はインヴァネスにあったそうで、
以前訪れたことのある知っている町にあったという親近感もプラス
の評価を加点したいくらいです。

そういうことで大変申し訳ないですが、前回までご紹介したものは
ぜひ何方でもご一緒させていただきたいウィスキー。今回のグレン・
モールは私一人の秘密にさせてください(笑)。

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Isle of JURA 10 yo

2011-12-14 12:31:56 | グルメ

アイラ島の東隣にあるジュラ島。隣りというのは本当に隣りで、
カリラ蒸溜所やブナハーブン蒸溜所からは川の対岸のように見
えます。

Isle of Jura
▲カリラ蒸溜所からジュラ島をみる。泳いで渡れそう。

そのジュラ島には、その名もジュラという島唯一の蒸溜所がある
のですが、目と鼻の先まで行っておきながら終にジュラ島には渡
らず飛行機で戻ってきてしまいました。ウィスキーのジュラには
そういう思い出があります。

そんなご縁ということが理由なのか、今までジュラを飲んだこと
はなく、あちらこちらで読むテイスティングノートはアイラと正
反対と書かれていて、それで選択肢に登らなかったのかもしれま
せん。ようやく初体験でした。


アイルオブ ジュラ 10年

幸か不幸か、はたまた何かの悪戯か、その日も強いウィスキーを
飲みたい気分の日で、一杯目がラガヴーリンから始まるような具
合でしたので、ジュラを飲んだときには味がなくなってしまった
かのような舌の変化に狐に摘まれた気分になりました。

しかしながらよく観察してみると、とてもスムーズでなめらかな
舌触りをもっていて、これは確かにアイラ島では見かけない種類
の味であり、あえて言えばローランドのローズバンクのようと形
容するのが近いのでしょうが、されど3回蒸溜の丸い味ではなく
むしろウルトラスムーズなハイランドに近い感覚です。

仕込みはどうやらバーボン樽らしく、とうもろこし甘いメロウな
味がころころと転がり、フィニッシュはサスティーンが長く続く
爽やかな一本。

一見(一舐)なんてことはないウィスキーのようですが、その実は
他のどこにもない個性であり、ハイランドほどアルコール辛くな
く、ローランドほどメロウでなく、アイラほど臭くなく、スペイ
サイドほど樽香が強くない、されど無個性ではなく味わいのある
ウィスキーが飲みたい。そういう本物が欲しくなったときに最適
なウィスキーです。

今までご縁がなかった不徳を恥じつつ、これからは密かな常備薬
としてラインナップしたい(もちろんオールドボトルを!)ウィ
スキーです。

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A. D. Rattray BOWMORE 14yo

2011-12-13 13:02:32 | グルメ

前日のバーテンダー氏に、ちょっと変わったものある?と聞いて
出てきたのが、こちらのボウモア14年でした。


デュワラトレー ボウモア14年[1997]

アイラ島で最古の蒸溜所として有名なボウモア蒸溜所系列の瓶詰
業者であるデュワラトレーがボトリングしたもので、日本のメジャー
酒販業者である信濃屋さんが樽買いされたのだそうです。ラベル
の一番下に「for Shinanoya」と入っていました。

ボウモアは、今やサントリー社傘下の蒸留所としてウィスキーを
製造していますけれども、このボトルは従来蒸留所を経営してい
たモリソン・ボウモア社のスタッフがカスクを選んだとのことで、
昔懐かしいボウモア本来の美味しさが残っている貴重な一本です。

テイストは幸か不幸かシェリー樽仕込みだったようで、ミディアム
にピートを焚いたモルトのピート香とモルトの甘み、シェリーの
風味、ヨード香が次々と姿を現すように顔をみせ、大きな味の流れ
のなかにグレープフルーツのような柑橘系のヘザー・テイストが
光るウィスキー。フロアモルティングで製麦したのか、複雑なボ
ディが口のなかに広がります。

もちろん、ボウモアであることを頑として主張するように黒コショ
ウとオイリーなテイストが芯を貫いているので、ちょっと変わっ
たボウモアとしてだけでなく、昔懐かしい本物のボウモアを味わ
いたい御仁にも最適です。

ここまでくると、本当のボウモアを日本にもってきた酒販業者を
誇りに思うべきか、ボウモアを日本の酒造メーカが所有している
ことを誇りに思うべきか、非常に悩ましい事態となります。

かつてボウモアで蒸留長をしていたジム・マッキューワン氏は、
山崎蒸留所などを経て独立、ブルックラディ蒸溜所のオーナーに
なりました。

ウィスキー製造の世界では、蒸留長が一番強いのが通り相場だそ
うですが、伝統がよいのか商売がよいのかは製品のみが知るとい
うことなのでしょうか。


ウイスキーがお好きでしょ
(作詞:田口俊 作曲:杉真理)

ウイスキーがお好きでしょ
もう少ししゃべりましょ
ありふれた 話でしょ
それで いいの 今は

気まぐれな 星占いが
ふたりを めぐり逢わせ
消えた 恋 とじこめた
瓶を あけさせたの

ウイスキーがお好きでしょ
この店が 似合うでしょ
あなたは 忘れたでしょ
愛し合った事も

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LOCH LOMOND Triple distillery

2011-12-12 09:38:41 | グルメ

『ロッホ・ローモンド』と読むのだそうです。初めて見聞きした
モルトウィスキー。バーテンダー氏はスペイサイドだと仰いまし
た。


LOCH LOMOND 18YO

私はEU法によってウィスキーが40度になってしまってからと
いうもの、あまりスペイサイドを好んで飲まなくなりました。そ
れは43度から40度へ3度分加水することによって、その特徴
の大きな割合を占めるナッツ風味が毀損してしまったことにより
ます。

シングルモルトだといって、スペイサイドを飲んでも他の地域を
飲んでも差が小さくなってしまったと言い換えてもよいかもしれ
ません。

でも、このロッホ・ローモンドを選んだ理由は、40度ではなく、
スペイサイドだからでもなく、3回蒸留だと聞いたからです。

ウィスキーは、一般的に蒸留2回で樽詰めし熟成に回されますが、
グラスゴーやエディンバラに近いローランドと呼ばれる地域では
今でも3回蒸留をしています。日本ではサントリー社のおかげで
オーヘントッシャンが比較的容易に入手可能でおなじみですね。

しかし他の地域で3回蒸留の製法を耳にしたのは始めてで、3回
蒸留するということは、2回に比べてアルコール純度が高くなり、
熟成樽の成分が溶け込みやすく、熟成年数が短くて済むという特
徴が、EU法のデメリットを上回ってくれると期待して頼んでみ
たのです。

試した結果は成功で、9年熟成のボトルでしたが十二分に熟成が
進み、スペイサイドらしいナッティーなテイストが(2回蒸留物
に比べて)マイルドなアルコールの上でダンスしているような味わ
い。

他のスペイサイドとは明確に違い、ローランドとも異なる、完全に
ユニークな個性のウィスキーが出来上がっているのですから、この
チャレンジは大いに称えられるべきものでしょう。

モルトウィスキーには、まだフロンティアが残されていることを
高らかに宣言する素晴らしい美酒です。

まだ誰も知らないうちに、あなたもぜひどうぞ♪(笑)

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