プロのシニアソムリエの解説付きで、ワインを都合6~7本ほど
テイスティングさせていただく機会に恵まれたのですが、それは
素晴らしい体験で、もしまた機会があれば飛んで行って参加した
いほどの充実ぶりでしたが、それはそれとして私には他流試合を
したという目的がありましたので、総括をしておかなければなり
ません。
ワインとウィスキーを同列に扱うことにそもそもの違和感がある
のは承知のうえで、ブレンダーが原酒の特徴を掴んで美味しさを
作っていくというプロセスの観点からみて感じたことは、やはり
原酒のもつポテンシャルが最重要ということです。
例えば、ワインの場合、産地によっては初めから複数のブドウを
ブレンドして生産するのがスタンダードになっていることがあり、
その結果、その地域のワインの特徴を作り出しているという事実
です。それは、好き嫌いを別にして、生産者の方々がこれまで
積み上げてきた創意工夫と技術と伝統のたまものですから、尊重
すべきということです。もちろん、そのうえに新しい創作を行う
ことは許されるでしょう。
私のような門外漢が出掛けていって、もしお役に立てるのであれ
ば、その部分で従来とは異なった視点での付加価値が提供できる
かどうかということだろうと思いました。
さらにその上で言えることとしては、ワインの方がウィスキーに
比べて、(アルコール度が低いためか)香りも味わいも繊細である
ことが多く、プロの指摘を受けて初めてなるほどと感じられる
こともありました。
このあたりは、より多くのトレーニングを積む必要がある領域で、
言語外に感じているものを言語化する努力が求められると思い
ますし、さらに異分野の領域に出ていって学習することもアリ
かとも思いました。
一方、同じ酒に関する趣味嗜好という観点で言えば、結局のところ
「お酒が美味しい」というのは、ボディなどの熟成感をもって
「美味しい」と表現しているのであって、色や香りや簡単に言語
化できる味などは、美味しさを演出するひとつの要素に過ぎない
ということでもあります。
そういったこれらのことを統合すると、やはり素材の味わいを
きちんと伝える酒こそ、美味しいお酒ということになると感じ
ましたし、ただ酔うためだけでない飲み方がそこにあるとも
再認識しました。
ブレンダーの結論としては、調香師になる勉強でも始めようか
思ったところです。
感謝!