モラルハラスメント・ブログ

モラルハラスメントな夫と壮絶なバトルの末離婚した二児の母のブログ☆モラハラブログリンク集もあります☆

恐怖感

2005年07月18日 03時05分35秒 | モラルハラスメント
なぜ、配偶者である夫に恐怖感を抱くのか。
なぜ、そうなるまでに自分は追い詰められたのか。

離婚が成立し2ヶ月、別居して16ヶ月が経過した今、
自分の中の、元夫に対する恐怖感が明らかに減少しているのを感じる。
夫所有、私使用中の外車の名義変更の件で、
今夫とメールでやり取りをしているが、今朝夫からのメールが到着したときに
「ああ、返事やな」と、まるで他の人から来た普通のメールのように
受け止めている自分がいた。

よくここまできたものだと思う。
人間、どんなことがあっても、いろんな意味で「回復」「復帰」するように
できているのだな、と痛感する。
今はこんな私だが、同居していた頃、ここへ越して来た頃の恐怖感は
たとえようもないほど大きなものだった。

客観的に見た場合の元夫は、営業マンであることもあって
にこやかで、ブラピのようなぽっくりエクボがあって、
快活で極めて礼儀正しく、声も大きいさわやかボーイである。
社内の上司や後輩に対し、高圧的な態度を取る場合や、感情を制御できず
爆発させがちな「熱い」部分はあったにせよ、対外的にはほとんどの人が
「好印象」を持ち、高い評価も受けていたりした。
どんな場合でも、本人の満足するような評価ではなかったらしかったが。
まさに「まさかあの人が」状態である。
きっと「不運な事故」に大騒ぎして出て行った私のほうに非があると、
会社では噂されているに違いない。
人がそのように信じて疑わなかったその立ち居振る舞いや、
さわやかな言動と清潔感溢れるルックスを、
私も当然のように信じていたから、配偶者として選択してしまったのだと思う。

まさか数年後に、そんなさわやか営業マンと幸せに結婚したはずの私が、
その人と生活していて逃げ出したくなるほどに、
「怖くて怖くてたまらない」ほどの恐怖感を抱くに至るとは
誰もが想像し得なかったことだと思う。
当然に、私も想像し得なかった。
結婚したときは猛烈に幸せだったし、その幸せがずっとずっと続くと
信じていた。

そしてあのような恐怖感を、後にも先にもあの当時以外に、
私は経験したことがない。
それまで恐怖感を、人間に対してはっきりと抱いたことはなかった。
恐怖感とは、見えないものでは「地震」「霊」や見えるものなら
「ゴキブリ」に対して使う程度の感情だった。
生身の人間に対して一度も、「怖い」と思ったことはなかった。
だから、自らの中に生じた「恐怖感」に気づくのが遅かったのか?
恐怖感に疎かったのか?
そうかも知れないし、違うかもしれない。
いずれにしても、後にも先にも彼以外に対して
恐怖感を抱いたことがないから、わからない。

なぜ、暴力を振るうわけでもない、ただ私を無視したり罵倒したり
避けて通ったり、「家庭内いじめ」を家庭内で繰り広げる男を
「嫌い」ではなく、先に
「怖い」と思うに至ったのかと思う。
驚くべきことに「怖い」と感じ始めた当時の私は、夫に対し、
「嫌い」よりも「好き」の感情の方が圧倒的に強かった。

夫に抱いていた恐怖感というのは、
「霊」や「オカルト」の世界のように
ただ、相手方がわけがわからないから、怖いのとは違うと思う。
日常的にDVを受けていて、「夫が怖い」というのは
とてもわかり易い恐怖感だと思う。
「叩かれれば、痛い」だから「そばにいるのが怖い」のだろうと思う。
それと比較してモラルハラスメントは、証拠が残らない。
ただ、密室の中で、夫婦間で、
「そんなことぐらいで」と言われるようなことを日常的に降り注ぐことで
なんだかわからないうちに、心の奥底に恐怖感が芽生えるのだろうと思う。

夫から受けた度重なる「その程度の」と言われるような仕打ちによって、
目に見えて血が出るわけでも、もちろん傷が残るわけでもなく、
ただ、小さな小さな「怖い」という感情だけが自分に根付いていく。
その恐怖感の根は最初は小さくても、
夫の浴びせる罵声、無視、威嚇などの態度を栄養にして
冷たい目線と監視の目線を浴びることによりどんどん光合成し、成長する。
そしてその毒の強い苗木は、いつしかドアを閉める音や、夫の気配、
ため息、嘲笑、些細な一言一言に込められた悪意さえも取り込んで
とてつもなく大きな木に成長してしまう。
そして被害者は、恐ろしいことに、
その、毒を持った樹木を自分の心に育てていることを、まったく知らない。
木によって・・・
心は、乾き、すさみ、荒れ、やさしい心やあたたかい心、
慈しむ心をどんどん蝕んでいく。
やがて、ただその悪意の塊である木のみ残される。

自分がどこにいるのかも、何をしているのかも、
一体、何がどうしてこんな状況に追いやられたのかわからない状況の中で、
自分を見つめたときにようやく、私は、
己の中に巣食った巨大な恐怖感に気づいたのだろうと思う。

ずっと気づかなかったのに・・・
怖いと認識してしまったら最後、一緒に暮らしていることが苦痛となった。
人は、恐怖と隣り合わせの生活を継続すると、
きっと心身の健康が蝕まれるのだろう。
酷い「夫帰宅恐怖症」に陥ってもなお、
自らが弱いから、甘いからかも知れないと、己を責め続ける自分がいた。

ここで繰り返し書いているが、
私の場合もそうだったように、多くの人が夫に傷つけられ
血だらけになった満身創痍の状態のうえに、
さらに自分で傷口に塩を塗るように
「私がおかしいのではないか」と自分を責め疑い続け
そのぱっくり開いた傷口を深めているように思えてならない。
そのスパイラルに入ると、人はなかなか抜け出せないのだと思う。
どんどん精神的に渦の中に巻き込まれていって、
救いの手すら伸ばせない。
それは本当に恐ろしいことだと思う。
この「モラルハラスメント」という言葉を知らずに
知らないままに、まだずっと苦しみ続けている人がいると思うと
いつもいたたまれない気持ちになる。
そしてそんな人たちはきっとずっと、
たとえようの無い恐怖感の中で今も生活しているのだろうと思う。
どうすれば、そんな人たちにこの声が届くかと、いつも思う。

よく・・・
「夫がモラルハラスメントの加害者かどうかわからない。」
と言う被害者の方がいる。
「夫はモラか否か?」
傷つき疲れ果てた心で、それを考えるのは、判定するのは、
とても難しいことなのだろうと思う。
私も、モラルハラスメント関係の書籍やサイトを読み漁って、
「違うかもしれない」と思ったことが何度もある。
「当てはまりすぎだけど、すべてがそうと言う訳ではない」と。
そんな時、自らの心に問いかけるべきだと今は思う。
普通の人間関係に、「恐怖感」は存在しない。
恐怖感があるかなしかが、モラかどうかを左右する
大きな判断基準になることを、ここで提言しておきたい。

そして「モラは治るか否か」の永遠のテーマについては、
「ごくまれに治る場合がある」と思うと言いたい。
それは完治ではなく、「共存可能レベル」だと推察する。
ただ、これに賭けるには被害者の類まれなる精神力と忍耐力、
人生を投げ打ってでも、そのプロジェクトに身を投じる
覚悟が必要なのだと言いたい。

私が抱いていた恐怖感・・・
薄れ逝く恐怖感・・・
いつか、無かったことになるのだろうと思う。
ただ、我が身に我が心に起きた事だけは
忘れずに居たい。
許さずに居たい。
自らが二度とそんな生活に身を置かぬために。
誰かにあの恐怖感について、こうして語り続けるために。



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16 コメント

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今日も深いです (酒蔵)
2005-07-18 11:14:18
>驚くべきことに「怖い」と感じ始めた当時の私は、夫に対し、「嫌い」よりも「好き」の感情の方が圧倒的に強かった。



あああ……!! ここ、ゾ~ッとしました。

何故でしょうね?

私もモラ彼に、不条理で冷酷な仕打ちを受けながら「でも、彼はいい人なんです」と庇ったりしていました。

彼の「難しい思考パターン」を懸命に先回りして読んで、彼に快適でいてもらいたいと願い(あ。彼を愛していたからか、一旦怒らせるとネチネチといつまでも苛められるのが嫌だったからかは、私の場合、不明だ)、

それでも「お前のせいだ」と彼は怒るし、私は自省自虐モードに走るし、自分の判断力がオカシクなっていったのを薄々自覚しながらも、「ここまでやればきっと彼も分かってくれる、いや、もっと、あそこまでやれば、きっと」と、奮い立たせていたような気もします。

(※私はACではありません)



あの体験は何だったんだろう……?

まるで飼い主に虐待される犬の生活ですね(苦笑)。

それでも彼は私を「愛して」いたらしい。

私に言えるのは「あんな風に歪んだ(非コミニュケーショナルな)『愛?とやら』は、もういらない」ということ。



おっと、主旨がズレましたか。ごめんなさい。

まっち~さんのブログを読むと、渦中の気持ちを思い出します。謎の手がかかりが、つかめます。

今日もありがとうございました。
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Unknown (塩砂糖)
2005-07-18 15:01:38
私は、怖いのと一緒に悲しいがありました。



今でも、それは絶え間なく、襲ってきます。

その悲しみの涙はは、精神科医曰く、悲しくて、泣いているのではなくて、世の中の理不尽さ、姑や夫への行動の発言の理不尽さに怒っているのだそうです。でも、病気だから、涙が出てくるのです。

私の感情にはイライラや怒りが出てきません。

ただただ、悲しくて、怖い(これは最近薄くなった。)

早く、ちゃんと怒れるように回復したいです。
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お願い (yakko)
2005-07-18 22:14:54
 はじめまして。

 某自治体の女性センターでDVに関わっている者です。



 出会った被害者の方達から二次被害のことをお聞きすることが多く、行政の職員として少しでも二次被害

を減らすための仕事ができないかと考えていました。



 この度、自治体の窓口の職員、調停委員の方達等にお声掛けをして二次被害防止のための研修会を開催する運びとなりました。



 そこで、お願いなのですが、6/17の「二次被害の回避のしかた」を二次被害を受けた方の生の声として資料に使わせていただくことはできませんでしょうか?



 やはり、生の声ほど強い力を持つものはないと思いますので・・・是非、使わせていただけますように・

・よろしくお願いいたします。
返信する
今も怖い (もにゃ)
2005-07-18 23:27:10
こんばんわ もにゃです。リコン調停最終月となるか・・・調停委員さんもあきれるだだこねモラ夫ですからすんなり行くとは思えない、疑心暗鬼のもにゃです。



そんなことでモラ夫と連絡を取るときの恐怖感まだまだあります。携帯には丁寧語でメールしてくるけどパソコンメールには罵詈雑言、どうしても電話をしなければならないときのあの恐怖心、同居中に言われた数々の叱責やごり押し、相談しているのに無視され、悩んだ挙句決断したことへの中傷、そして暴力・・・詳しく書いて他の人に私の受け止め方が違うのか聞きたいくらいです。しかしパソコンいじる時間が長いモラ夫はこのブログ見ていないか心配なので(モラ夫とは自覚していなくても偶然見つけるかも・・)書けません。



「怖い」今モラ夫に持つ感情はそれだけです。せめて他人になれば距離を持てるかも。同じような体型の男性に恐怖心を抱き、「この人は大丈夫」と自分に言い聞かせている毎日。早くこの「呪縛」から逃れたいと思う毎日です。あー心臓バクバクしてきました。またきます。
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モラかそうじゃないか (あん)
2005-07-19 12:06:39
私はずっと、夫はモラっぽいとこがあるけど。モラではない、と思っています。

でも、「モラルハラスメント」という言葉を知ったときに、救われる思いがしました。

ココに来て、こんなにもひどい目にあって、がんばってる人たちがいるんだ!と励まされました。

夫はモラではないと思うけど、夫からの電話は恐怖です。夫とは離婚の話はサシではしたくありません!だって怖いもん。あ、これってモラなのか?

私が夫をモラだと思えない理由は、私が、モラ被害にあってる皆さんに比べて、ちっともガマンしてないし、言いなりになってないからだと思います。言われたら負けてたまるかと言い返す...でも負けますが。

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同じ思いをしました (ゆううこ)
2005-07-19 13:08:07
最近、こちらのサイトを見つけて拝見しております。初めてコメントさせてもらいます。



恐怖感、私も元夫に対してそれはそれはもう大きな大きな恐怖感がありました。とにかく彼が恐くて仕方なかった。

電話はもとより、直接面と向かわないメールさえ、彼から発信されるものは何もかも恐かった。

私も自身で正直、人を恐いと思ったことに驚きましたし、

なぜそこまでになったのかと思いました。



まっち~さんの書く、「恐怖」の意味が手にとるようにわかります。



私の場合、あるひょんなことをきっかけに家を出ましたが、出て両親に事情を話して初めて恐怖感が私の中に自覚され、それがとてつもなく大きなものであることに気付きました。

それからしばらくのあいだは、両親とも会話が出来ないし、むろん会社もいけませんでした。何よりも誰とも接することが出来ませんでした。



最初はただ漠然と「恐い」だけで身動きも取れなかったのですが、「なぜ、恐いと思うのか」「どうして(例えば些細なことですら)恐いと感じるのか」を少しずつ整理していき、元夫に離婚の意思を伝えることが出来ました。





私も自身のブログで、いつか恐怖感について考えたいと思います。





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深夜にすみません(^^;) (ちら)
2005-07-20 03:13:52
 ・・・、おはようございます?



 夫への恐怖感。

 そうですね、本当にその通りです。

 「私は夫が怖いんだ」と確信するまで、自分の心の中のこの重圧感はなんだろう?と、ずっと思ってきました。

 夫が繰り返す借金で、追い詰められて、余裕のない生活を送っているから、だと思い込んでいたのです。



 そして、夫が話を聞いてくれない、夫が悪いことをしてもすべて自分のせいにされて、結局は自分だけが罪悪感を抱いて話し合いは終わる・・・。

 どこの家庭にもあることなのだと思っていました。

 そして、自分は本当に、一人では何も出来ない、馬鹿な人間で生きている価値もない人間だと思い込まされて行きました。



 いまだに、夫からの電話は怖くて受けるのはためらいがありますが、まっち~様や、同じ思いでがんばっている方々に勇気付けられています☆



 では、又遊びに来させていただきます(^^)
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Unknown (ころちゃん)
2005-07-21 17:13:24
ご無沙汰しています、まっちーさん。

ここ1ヶ月ほどいろいろあり、二次被害にも遭い

まさに「恐怖感」のために何も出来ない日々でした。

そして「恐怖感を感じている自分」すら、頭がおかしくなったのではないかとまわりに思われるんではないかと

堂々巡りの日々でした。



時間がたったら回復できますか。

そう信じています。

ふっと湧いてくる嫌な記憶をレーザーで消したいです。

楽しかった記憶にすら苦しみます。

もう全部消したいです。
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はじめまして (しまくま)
2005-07-21 22:46:41
 偶然たどりついたこのブログですが、ビックリして

昨日から混乱状態になってしまいました。

私は家を出て秋で3年になります。

その時にいっぱい本を読んで、考えて、自分に問いかけて決めました。

DV関連は勉強しましたが、モラというのは全く知らず、まっちーさんの話を読んで改めて自分を振り返ってしまいました。



「怖い」という感情を自分にも他人にも話せないでいます。まだまだ たくさん勉強していかなくては、とても離婚はできないのが分かってしまいました。



別居はできていても問題はいっぱいです。

会社で毎日顔を会わせており、辞めたくても辞められない・・・配偶者が困る→会社つぶそうか?どないしろっていうんや→私が悪い→辞められない式になってしまいます。私が悪い気になってしまいますし。



そんなモロモロのことを、どこで整理・決断したらよいのか迷って・待ってきました。

そんな自分を応援するために、最終目標の離婚に到達できるよう書き込みをしました。



今日は中途半端ですが、これからお世話になると思います。よろしくお願いします。

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こんばんは (ぶるー)
2005-07-22 01:40:25
私も前彼に恐怖心を抱くことがありました。

彼のこと、すごく好きで、嫌われたくなくて、彼の顔色を伺っていました。



あのときの思いはもう味わいたくないけれど、まっち~さんの仰るように、忘れずにいようと思います。

これからの未来、幸せな生活を築いていくために。
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