「お話したいことがあります。」
夫宛にメールした。
内容証明送付後、夫からは電話もメールもなかったし、
その時点ですでに脱出後半年が経過していたから、
ずいぶん私の中での夫への恐怖感は薄れていた。
逆に少しずつ沸いてきた感情は、怒りだった。
前回の三者面談で、机を叩いて怒った私は、
自分の中に、時折、沸々と怒りの感情が沸いてくるのを感じていた。
普通、怒りとは肯定される感情ではない。
逆に、封じ込めるべきとされている感情である。
けれど、何をされてもされるがままで、「怒り」がないのは、
とても危険なことだ。
夫との結婚生活の中では、夫に対して恐怖を感じることはあっても、
怒りを覚えたことはなかった。
きっと、自分の境界線に踏み込まれて暴れられても、
ぐちゃぐちゃにされても、されるがままにして、
何も感じないようにしようという訓練を、
幼い頃から積んできたからだろうと思う。
だから、この頃になって、
自分の中に怒りの感情が芽生えてきたことを、
驚くと同時に、とても喜ばしく感じたことを覚えている。
だから、一緒に住んでいた頃のように、下手に出て、
いつだったら話しかけていいかタイミングを見計らってというのではなく、
今、私が話したいから話す、と主体的に感じ、メールできたことも、
自分にとっては大きな進歩だった。
夫からは、1日置いて返事が返ってきた。
「離婚の話なら、するつもりはない。」
私は、それに返事をした。
「まさに、その話です。
最終確認ですが、本当に調停になってもいいのですか。」
「調停はいやだが、離婚はしたくないので、仕方がない。」
「あなたが離婚したくなくても、私は何があっても復縁はしません。
この気持ちは絶対に変わりません。」
ここまでやりとりしたところで、返事がなくなった。
その日は休日だったので、私は、子供たちと3人で、
遊具の併設されたマクドナルドに出かけていた。
子供たちを外で遊ばせて、コーヒーを飲んでいると、携帯電話が鳴った。
夫からだった。
夫と話すのは、本当に久しぶりに感じた。
毎日一緒に暮らし、一緒のふとんで眠っていたのが嘘のようだった。
「俺やけど・・・」
「うん。・・・」
「どうしても、あかんの?」
「うん。」
「最後のお願いやから、一度会ってくれ。会って話がしたい。」
「いや、会う必要がないし、来てくれても会わないよ。」
「・・・子供たちは?」
「今、外で遊んでるよ。」
「子供たちに会いたい。会わせてくれ・・・。」
「え、俺は遠いところへ行くから、
忘れるように言ってくれって言ったじゃない。
子供たちがあなたに会いたがってたけど、
私、一生懸命なだめたんだよ。
あのときは会いたくなくて、今会いたいって言って、
また会いたくなくなるなら、
子供たちが振り回されてかわいそうだもん。
だから、会わせられないよ。」
「あのときは、あのようにしか思えなかった。」
「いや、そんなにころころ気持ち変わられたら、
子供が不安定になるから。
毎日見てるのは私なんだから。
ちゃんとお互いの立場がはっきりしてからじゃないと、
会わせるつもりはないないよ。」
「遠いところから見るのも駄目か。」
「うんじゃあとで写真送るよ。」
「俺は、突然にひとりぼっちにさせられたんやぞ。」
「・・・・・。」
「お前も、子供たちも急にいなくなってしまったんやぞ・・・。」
「それなりのことをしたからじゃない。」
「俺が何をした?
ずっとお前たちのために働いて、金だって全部渡してきたやないか!」
「うん、全部渡してくれたよ。
でもそれ以上に浪費し続けてもいたじゃない。
私が貯金を補填しなければあの家の経済は成り立たなかったやん。」
「俺は俺なりに精一杯やってきた。一生懸命頑張ってきた。
毎日毎日、朝早くから夜遅くまで働いて働いて、
お前達を路頭に迷わせないために頑張って働いてきた。
下げたくない頭を下げて、笑いたくないときに笑って。
それは全部お前達のためにしてやったことや。」
「うん、それは感謝してるよ。」
「感謝しているなら、なんで恩をあだで返すようなことをするんや。」
「悪いけど、恩は感じてない。
私は、あなたと一緒になったことによって、
失ったものは計り知れないと思ってる。
あなたに奪われたものはあっても、返すものはなんにもないわ。」
「じゃ、俺が頑張ってきたことは、何も感謝されないっていうんか。」
「うん、感謝してないよ。
それ以上にひどいことばかりされてきたもの。
それは見えないわけ?自分が何をしてきたか、知らないわけ?
それより、今、そんな話したって、
意味がないでしょ・・・。
もう、私たちの間には何も積み重ならないんだから。
私たちの間柄は、・・・終わったんだから。」
「かってに終わらすな!俺は終わってない、
間柄間柄って、お前のその間柄って言葉聞くたびに、
俺は反吐が出る!理解できない!
間柄ってなんや?そんなもんこの世の中に必要なんか?」
「だから、価値観が違うんだって。
性格の不一致ってことで、もういいじゃない。
どこまでいっても、わかりあえないんだから、一緒に暮らせないよ。」
「待ってくれ、感情的になるな。意地の張り合いはやめよう。
冷静になって、一番大事なものは何か考えよう。」
「私は最初から、冷静だよ。
意地にもなっていないし、感情的でもない。
一番大事なものは、自分の幸せだよ。
幸せに生きている母親しか、子供を幸せにできないんだから。」
「俺が、幸せにするって何度も言ったやろう?」
「できないって判断したから、離婚したいって言ってるんだってば。」
「俺がどうしてもやり直したいのにお前がそんなに言うなら、
俺は一銭も金払わないからな!」
「いや、だからそう言うならそれは調停で・・・」
「調停なんか、何度呼び出されても行かへんぞ!俺は知らん!」
「だって、お金払わないとか言うからじゃん。
父親の義務でしょ、子供の養育費払うのは。
離婚になったのはどっちが悪いのよ?
私の鼻の骨を折ったのは誰よ?」
「俺はあのときはうつやったから、
はっきり覚えてない。
先に病気になったのは俺で、
お前はそれを見捨てて飛び出したんや。
病気の亭主を置いて捨てて出て行ったんや。」
「え・・・いつからそんな話になったん?」
「最初からそうやったやないか。俺もお前も気づかなかっただけや。」
「信じられない・・・
とにかくもう話しても無駄みたいだから、
調停で決着つけましょう。
私、できれば調停は避けたいから、話し合いがしたかっただけなんだけど。」
「だから、俺はお前が何しても応じないし、
金も払わない。
お前が調停申し立てたら、親権争いの裁判をする。」
「わかったよ。DVでうつ病の人が親権とれるか、
頑張ってみたら。じゃ、裁判所で会いましょう。」
「待ってくれ、なんでお前はすぐに結論ばかり急ぐ!」
そう言いながら、突然電話が切れた。
何が起きたのかわからず、
折り返し電話をかけたが繋がらない。
何度かけても、お留守番サービスに繋がった。
「こちらドコモ○○サービスです。
お客様のおかけになった電話番号は現在・・・」
あわてて何度も何度もリダイヤルしていたら、
夫から、メールが届いた。
「どんなに頑張っても
あなたに否定され、
罵倒されてばかりで、
もう生きていても仕方ありません。
俺は、生きている価値のない男です。
今まで本当にありがとう。
さようなら。」
下唇を赤くなるほどに、噛み締めた。
頭がクラクラして目の前が真っ暗になったりちかちかしたりした。
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自分の幼少時代を思い出して胸がきりきりしてきます。そんなときは今は自分がインナーチャイルドを抱きしめてあげなければなりませんが、まっち~さんのお子さんは抱きしめてくれるお母さんがすぐ側にいるんですね。良かったと思います。
この感じは・・・なんとも言えない不快感ですね。
まともに相手していたら欝になりました。
でも、終わったことですけどね。
>間柄ってなんや?そんなもんこの世の中に必要なんか?
…私は、↑の言葉の意味が理解できませんが(^^;)
元夫さん…本当に別れられて良かったです。
どうせ死ぬ気もないくせに・・・。
読んでて腹が立っちゃった。
うちのだんなも多分にモラ傾向ありだと思う。
小モラってとこ?
ただ私も自己チューなとこがあるんで、あまり我慢しないから
まっちーさんみたいに追い詰められなかったんだろうな。
それにしてもこれからどうなるのー?
あぁ、早く続きが読みたいよ~。
未だに元・旦那から連絡が来たりするのですが、あの時まっち~さんの今の記事を読むことが出来ていたらとちょっぴりざんねんです。
読んでみます
私社宅住まいなので、
25人に一人・・・ほんとにいるんだろーか。
すでに遭遇してる気もしますが・・・
怖いですね、研究しなくては((^^;))
ただ、本当に自分自身が欝だと信じ込んでいるのかもしれませんね。
何となくそう思えてきました。
やはりモラハラ・・・
私も離婚バトル、これからがんばります!!
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