歴史と旅と少しのグルメ

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2012奈良の旅(藤ノ木古墳)

2012年11月17日 | 旅行記

めっきり寒くなりました。朝夕の気温差が激しくなり、通勤もつらくなり季節になりました。さて、先日久しぶりに奈良への1泊旅行に行ってきました。学生時代、古都について研究するサークルに所属していたこともあり、毎年、春と夏に京都奈良に出かけていました。私は律令国家体制が確立(大宝律令701年、平城京遷都710年頃)する前の時代、古墳や飛鳥時代に興味がありました。そのため、飛鳥や山辺の道などどちらかというと、古墳や都、寺院跡などに興味があります。ここの古墳には、どんな王が葬られているのか、邪馬台国はどこか、聖徳太子は本当に多くの業績を残したかなどを考えて見るのも楽しいですね。私が奈良に行った日は、ちょうど藤ノ木古墳の石室の特別公開が行われていました。藤ノ木古墳は、法隆寺の西に位置する6世紀後半の円墳です。昭和60年(1985年)、横穴式石室内に家型石棺が発見されました。当時話題になったのは、この石室は盗掘されておらず、石棺内からは、金銅製の冠や屨、太刀、銅鏡、ガラス玉など多くの副葬品が当時のまま発見されました。被葬者は特定できませんが、天皇家につながる有力者の墓であることは間違いありません。見学時、朱色に塗られた石棺や巨石が積み上がった壮大な石室空間には圧倒されました。そして、発見当時、そのニュースや記事に大変興味を持ったことを思い出しましたね。奈良は、世界遺産の数では日本一ですが、東大寺、唐招提寺、明日香、吉野など歴史的観光地が点在していて京都のように効率に観光できない上、泊まりは大阪や京都という人も多いです。今回は時間がないため、私も京都に泊まる行程でした。本当は、時間があれば、ゆっくり、じっくり旅がしたいし、奈良は京都にも引けをとらない魅力的な場所だと改めて感じました。

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藤ノ木古墳。国史跡となり、古墳も整備されました。

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石室入り口は、コンクリートで補強され、普段は見学できません。

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当日内部は撮影禁止でした。古墳に隣接したパネルにあった家型石棺の写真。盗掘されておらず、中から貴重な副葬品が多数見つかりました。

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金銅製の屨。飾りもついて、実用品ではなく、被葬者が黄泉の国で履くためつくられたものでしょう。

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金銅製冠。大陸制か国産か、被葬者の地位の高さが伺える逸品ですね。