夢民―ゆめたみ―

現実逃避といわれようと、
日々の生活の中に
心地よきことや楽しきことを探し
記録してみるカナ。

拝啓、天皇陛下殿。

2005-08-02 19:06:11 | 映画・TV。
昨日、何気なくBSつけたらやっていた。

先日、東劇で『砂の器デジタルリマスター』観た時
同じ監督の作品としてパネル展示してあったので気になっていたやつだ。

主演が渥美清さんのわりに
聞いたことがなくて、インパクトあるタイトルで覚えていた。

途中から観ちゃったけど
目が離せなんだ~・・・。

寅さんの原型ともいえる
良く言えば純粋
悪く言えばお馬鹿さんな主人公と
その主人公を見守る友人夫婦の物語だ。

悲しくて、でも優しい・・・。

一番印象に残ったのは長門さん演じる小説家の
奥さん役の女優さんだ。
彼女がか、役どころがか
はたまた両方か?

初対面の時には山田(渥美清さん)を
胡散臭くて怖い・・・という一般的反応。
それが、夫を介して山田と付き合っているうちに
その純粋さにすっかり情が湧き
誰が見てもムリメの高嶺の花の美人未亡人との仲介役に・・・。

そしてそれをハッキリ断られても
また山田に強く頼まれて未亡人に伺いをたてる。

そして、とうとう未亡人に
「バカにして!」「なんであんな人と!」「あんな育ちが悪い!」
とまで言われた時
「あなたが誰かさんと出来てるって
    み~んな知ってるんですよ!!」
「失礼しました。」
「すみませんね、育ちが悪いもので。」
と啖呵をきって帰ってくる所。

山田はお馬鹿さんでどうしようもないのに
裏表がない分子供のようで
情が湧いてしまい他人とは思えない・・・。
戦地で生死を分ける生活を共にした夫と同じくらい
山田を大切な友人と感じるようになったのが
良くわかり、何だか嬉しかった。

そして、何気ないセリフだが
この未亡人はもしかして
片言の日本語を使ってヤミ仕事をしている人と?
とまで些細なシーンを思い出させ暗示させている。

脚本が?編集が?良く出来ているな~と感じたシーン。

そして最後も。
新聞の死亡記事を読んで動揺する夫婦の後
その真相を描いたシーンがあるけど
間違いなく死を知らせているのに
なんて何気なく、そして幸せなシーンなのだろう。
死とは全然結びつかないからこそ
せつなくて
でも、悲しくさせず
それでも彼が人生最大の幸せの目前か
その絶頂で死んだ事を表している・・・。

この作品には名前がなかったけど
山田洋二監督もこの監督の脚本を何作かやっているから
きっと大きな影響受けたよね・・・。
音楽も芥川也寸志さんだし。

この手のはツボまではいかないけど
古き良き日本人が今ではファンタジーでしかない事に気づき
映画を観てそれに気づかされて人間性を呼び覚まされる
そんな感じだ。

長門裕行さんを、生まれて初めてカッコイイと思いました。
そして、彼も偉大な俳優であり
それでも渥美清さんの演技はそれを超えた醍醐味があった・・・。



折角、夫のオゴリでサウナに行く予定が
続きが気になり辞退してしまった・・・。
お土産に冷たい炭酸を買ってくるなんて
なんだか珍しく気が利くので驚きながらもウレシカッタデス
(いつも自分だけなのにね~
うちの夫って寅さんっぽいと思うの。
その理由は後日機会があれば・・・


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6 コメント

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すごい、 (wow001)
2005-08-03 00:51:13
おたふくさんの観察力には恐れ入ります。



「古き良き日本人が今ではファンタジーでしかない事に気づき」

「映画を観てそれに気づかされて人間性を呼び覚まされる」



この文章がすごいです。

映画のことは良く分かりませんが、まだまだファンタジーな日本の文化って残ってますよ。

だって茶髪のガソリン・スタンドの怖そうなおにいちゃんがちゃんと、元気に、「ありがとうございましたぁ」って言ってくれるもん。こういう時、日本ていい国だなぁって思ってしまいます。

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wow001さんへ (おたふく)
2005-08-03 10:44:35
観察力ですか?

いつも灯台モト暗しで失敗しますよ・・・



社会的ハミダシモノに

一緒になって泣き笑いっていう家庭って

きっと少なくなってるよね

私だって映画を観ては素直に味わえるけど

身内以外の実際にいる人だったら

遠巻きにしちゃいそうだな~



そんな世の中だなって思ってたから

茶髪のお兄ちゃんとか頑張ってるのに遭遇したら

まだまだ日本も良いところが残ってるって

ワタシも安心しちゃうな~

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社会的はみだし者 (wow001)
2005-08-03 21:36:47
社会的はみだし者かぁ。それを暖かく包む家庭。。。



最近はテレビで、社会的はみだし者に名前をつける傾向があります。そしてさらし者にして、いかにも悪者って感じで報道して辱めるみたいな。そういうの、見てて腹が立つんだよなぁ。



ちなみに僕は首都高のルーレット族にカテゴライズされるでしょう。

なんだよルーレット族って。その名前の付け方、センス悪。最低って感じです。

で、首都高速をがんがん走るのがいかにも悪って感じです。それは本当に悪なのか?

どうせ法律で決まってるから、人に迷惑をかけるからみたいなくだらん理由を言うんだろうなぁ?

ちなみに僕の車は、その辺の車よりももっと安全に速く走れるようになってるし、首都高は知るときは人一倍安全に気を使ってる。

事故起こしたくないのは自分自身だもんね。。。



そのほかにニートだとか、フリーターだとか、くだらない名前をつけてひとくくりにしようとしてる。アホくさい。人それぞれ個性があるのに、人それぞれ名前があるのに。



社会が何をするかではなく、個人がどのようにして自分の人生を切り開いていくかなのにね。



っていう、僕自身がなかなか人生に苦闘してますが。。でも、社会全体からつべこべ言われたくはありません。



なんて、ひさしぶりに反抗的な態度とってみました。(ちょっと懐かしい。。。)
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何度目の反抗期? (おたふく)
2005-08-03 22:51:20
誰しも同じ人間だって考えると簡単なのにね。



自分の行動の前に周りの人の気持ちになって

他人の行動に文句を言う前にその人の立場に立って

「こんな事しちゃいけないな。」

「そんな事するって、何かよっぽどの理由があるのかな。」

ってさ。

そして声を掛け合う。

「すみませんが失礼します。」

「大丈夫ですか?」

「手伝いますか?」

そんなのが当たり前の古き良き時代を目にすると

現代人の孤立って言葉が浮かぶ。



人間みな平等、プライバシーの尊重とか

自分自身を大切な個人と考えるのは良いけど

だからこそ

いろいろな人と関わって お互い良いところを吸収して

そして自分自身の意識だけでなく まわりの人達に認められる位の

大切な存在になっていく努力をしてほしい。



わからない存在に名前をつけて隔離するのではなく

どうしてそうなのか

自分がそうなるのはどんな時か

考えたり歩み寄ったりして欲しい。



一人で生きていく人はいない。

誰しも親から生まれ

先人の礎のある世の中で生活し

喜怒哀楽を感じて生きていく。



笑っている人も

悲しみ苦しみを知っているはずだし

怒っている人も

孤独の淋しさを知っているはずだ。



どうしても理解できない人がいたら

その人に新たな名前をつけるのではなく

そういう人も生きていける世の中って

案外懐が深いな~って感心しとこうよ。
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何度目の反抗期か、 (wow001)
2005-08-03 23:59:02
何度目の反抗期か、考える前におたふくさんのコメント・レスポンスに感動してしまいました。



おたふくさんのレスポンスに乗ってる言葉、いつもいつも意識できると幸せだなぁって思ってます。



さすがです。



日本人の何割くらいの人がおたふくさんの言葉、わかってるのかなぁ?わかって行動してるのかなぁ?



それが知りたいです。
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wow001さんへ (おたふく)
2005-08-04 22:12:23
なんかホメラレ慣れていないので

wow001兄さんに褒められると木に登っちゃいそうです



誰にもわかってもらえなくても

誰も困らせないなら

一人だけでも意識してがんばろうって思います。



雨に濡れて歩く人を車に乗せたり

大人を軽蔑してトコトン無視する近所の中学生に

無駄と知りつつ会う度に挨拶したり

気持ちと体力に余裕のある状態なら

全くの他人としつこく関わる

御節介オバサンを続けております
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