つれづれの記

 身の回りのあれこれを、写真とともに、
気の向くままに書き連ねます。

私は貝になりたい

2008-11-27 | 映画・観劇・展覧会
映像を「私は貝になりたい」のホームページから、
お借りしました。

川崎まで、プリンターのインクを買いに出かけた。
 Kはゴルフだし、夕飯の仕度までは時間があるしで、
109シネマで丁度時間の都合が良かった、
 「私は貝になりたい」を見た。
フランキー堺のTV版が強く記憶に残っていたので、
この作品はどうかという野次馬根性も手伝って、
鑑賞を決めた。



主役 清水豊松を中居正広、妻房江を仲間由起恵。
昭和の風情には、ちょっと遠かったが、
熱演と言っていいだろう。
監獄で相部屋になる草薙剛、笑福亭鶴瓶も、
印象に残った。
2等兵だった豊松が、戦犯に問われる理不尽。
フィクションとは分っていても、やるせなさがつのった。
島根県で撮影された、映像は素晴らしく、
タイトルの海に雲間からもれる光が反射しているシーン、
秋の紅葉のシーン、
房江が再審嘆願の署名を集めに行く雪のシーンなど、
自然の美しいシーンが、
豊松の絞首刑という重いシーンと対比されるように入り、
一層、事の理不尽さが強調される。
弱い者、階級の低い者が、負わされる責任。
「戦争はいやだ」と思わされる。

見終わった後、暫くは、誰も席を立たなかった。
それぞれが、重いものを感じて、動けなかったのだ。
上映中もすすり泣きの声が聞こえるこの映画、
見てよかったと思った。