喰らいたい魚を釣る 撃沈パイロット

趣味の飛行機とプラモデルと旅行の日記帳・たまに釣り記

震災時いったい空では何が・・・・・

2012-04-03 11:27:12 | 日記

今まで考えなかったが、3.11の時空の上はどうなっていたのか。

色々と調べて見ると、3月11日、成田空港に着陸予定のデルタ航空機長が当日の事を

ブログに語られていたそうです。

 

抜粋してみますと。

当日デルタ航空767型機は東京から100マイル(約160Km)の地点で着陸の為

降下準備を始めていました。

その時、日本の管制塔から「待機経路」の指示がでたようです。

「この待機経路とは着陸を待つ飛行機が楕円に飛ぶ周回路の事で、

混雑時に複数の飛行機が着陸の順番を待つ為に通常使用します。」

 

その時機長は会社からの無線で地震発生を知るが、一時的な空港閉鎖

であり、点検後着陸可能だと会社は判断していたようです。 

しかし・・・機長はいつもと明らかに様子が違うと感じていた。

管制塔からはいつまで待機が続くか解らないと伝えてきたからだ。

長距離国際線の場合キャプテンと副操縦士と交代要員の3名が搭乗しているので

キャプテン以外の二人はコース変更可能な迂回先や残燃料確認を行っていた。

残燃料は太平洋を横断してきたから余り残ってはいない。

そして、10分も経たない内に、エアカナダ・アメリカン航空・ユナイテッド航空などは、

コース変更をリクエストし始めた。

しかも、全機が最低限の燃料しかないと主張している。

デルタ航空のこの飛行機はまだ1時間半~2時間のフライトは可能だが、

次々にコース変更リクエストにより、事は複雑になっていった。

そして、成田空港は被害を受けたので再開不可能と連絡が入ってきた。

各機は直ぐに羽田への着陸要請を行い、6機ほどのJALや欧米機が羽田に向かった。

しかし羽田も閉鎖と連絡が入る。

こうなれば待機している場合ではなく、遠方の名古屋や大阪への着陸も考えなければ

ならない。

 

大型機は小さい空港には着陸出来ないので限られた空港に全機が着陸を待って

いる状態だ。しかも、いくつかの機体は燃料の危機を伝えている。

こんな時、名古屋空港への着陸許可が下りたので名古屋に向かうが

数分経過すると名古屋空港から飽和状態なので受け入れ不可能、

引き返すように連絡が入る。大阪も同じ状態である。

さらに遠方に飛ぶ可能性が高まり、燃料もギリギリの状態となってくる中

同じ状況の飛行機が十数機も周りにいる。

そんな時、エアカナダなど2機が燃料状態が緊急となり、横田基地に向かう。

当然デルタも競うように向かうが横田からの返事は閉鎖である。

 

この時の状況をキャプテンは

「コクピット内はさながらスリリングなサーカスのようだ」

「副操縦士は無線にかじりつき、交代要員は航路図に埋もれながらどこに行けるか

アトランタからのメッセージとにらめっこ状態である」

 

と語っている。

多くの航空機が行き場を失い、残りわずかな燃料で着陸しなければ

ならない、危機的な状況下にある事が解る。

ここでパニックにならず、冷静な判断を行えるのがパイロットだと改めて感心する。

 

その後キャプテンは三沢基地を選んだ。

しかし、アトランタから今度は千歳空港に行けるかと連絡が入り他のデルタも

千歳に向かっていた。

この時コクピット内は天候確認・チャート確認・燃料確認と大変な状況だった。

 

初めての航路を安全に飛行するのは本来事前に状況を把握する物と思うので

緊急時の情報収集はさぞや、大変だったと思う。

 

この後手記には

三沢に近づくと千歳空港の着陸許可がおりた。重大な決断をするときの考え方が頭をよぎる。

飛ばし過ぎた飛行機を、かなり離れた目的地へコース変更。

そこでさらに状況が悪くなったら……。安全報告書はどう映るだろうか。

またもや管制塔から電波連絡が入り指示を待つよう伝えられる。悪夢である。

状況は急速に悪化していく。東京上空で待機したあと名古屋へコース変更、

また東京へ、そしてさらに三沢へ。十分だったはずの燃料はどんどん蒸発していく。 

 

と書かれている。

当初はさほど危機的な状況ではないと思っていても、時間が経過するごとに

どんどん最悪の状況に陥っている事が手に取るように解る。

 

その後の通信は


「札幌管制塔へ デルタXX便、至急千歳空港への着陸を要請します。燃料の残量は少なく、これ以上待機でき

ません」

「拒否します。現在混雑中です」

「札幌管制塔へ デルタXX便、緊急着陸を宣言します。燃料の低残量、千歳に直接入ります」

「了解、デルタXX便。千歳に向かうことを許可します。千歳との連絡を……」



こうして本当の緊急事態になるまで30分の燃料を残して千歳空港に安全に着陸

したようである。

飛行機は通常エンジンが全停止しても、一気に墜落はしないし、

バッテリー切れで全ての操縦が出来なくなっても、RAT(ラット)

ラムエアタービンと言うプロペラが付いた非常用発電機があるので

降下しながら空港に着陸は出来るが・・・・・・・・・・・・

どこの空港も飽和状態の状況では、少しでも早く着陸するに越した事は

ないので、この時のキャプテンをはじめクルーの精神的プレッシャーは

計り得ないものだったと思う。

しかも、追記として着陸後9時間して搭乗用はしごが届き、飛行機から降りる

事が出来たと有る。

 

今回の3.11で燃料切れで航空機が被害に遭わなかったが

一歩間違えれば、大惨事に発展した可能性も考えられる。

余り知られていない事だとは思うが、空の上で当日このような危機的状況が

おこっていたのである。

 

 


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はまちゃん)
2012-04-04 10:11:09
ん~このブログとしては完成度の高いブログとなっています(爆)

初めて最後まで読んだかも(爆)
返信する
お~い・涙 (管理人)
2012-04-04 12:28:32
はまちゃん。
ほう~完成度が高いか~(喜)

と・・・持ち上げといて・・・

初めて最後まで読んだってか???

大泣

あ~・・・・・凹むわ(自爆)
返信する
Unknown (Haru)
2012-04-04 23:39:16
テバネさんは、
文才がおありの様ですね。
尊敬します。
返信する
Unknown (管理人)
2012-04-05 06:10:41
Haruさん。
それは、私が一番不得意とする分野です(自爆)

有り難うございます。(汗)
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