明日は何をしようかな…

趣味の手芸や読書などのことを中心に、日々の生活のことも書いてみたいと思います。

読書メモ 『とんび』 (ブクログから転載)

2012-01-20 | 読書メモ

重松 清
角川グループパブリッシング
発売日:2008-10-31
家族のいなかったヤスさんが幸せを掴み、
自分の家族を得たのも束の間、不幸な事故によって
奥さんを亡くし、息子のアキラとの二人の生活が始まります。

大げさにいえば、父子の家族の歴史のような本です。

不器用なヤスさんが不器用なりにも精一杯アキラを育てる姿、
また、そのヤスさんを周りで支えてくれる人たちの温かい心…
そんな中でアキラはすくすくと育っていくのだけど、
思春期に入ると進路に悩み、母の死の真相を知りたがり、
ヤスさんとぶつかることが増えるばかりで読んでいてもヒヤヒヤ。

照れ屋のヤスさんは気持ちをアキラに伝えることができず、
それが自分でももどかしく余計に不機嫌に…
そんなときも陰になり日向になり手を貸してくれる周囲の人たち。

子供が成長するのと同時に、親も悩みながら迷いながら時を重ね
やがて自分のあるべき姿をみつける…そんな気がしました。
また、両親が揃っていようが、片親であろうが、
親以外に自分のことを大切に思ってくれる大人の存在は
貴重であり、その存在に気づけたら、間違うことなく
人生を歩めるような気がしました。

アキラが素敵な大人になってよかったね!と
ヤスさんに声をかけてあげたくなりました。
Comments (2)
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