SHAンパンでもいかが?

「最終楽章 気分はAdagio」
76歳の一人暮らし。

月の光

2024-05-25 09:37:00 | 日記


ドビュッシーの
ピアノ曲の中で
もっとも
愛されている
曲でしょうか。

ある生徒の
お気に入りの曲で
最初の音の出し方に
とてもこだわっています。
(*^^*)



もとになったと
思われるのは
フランスの詩人
ヴェルレーヌの
「月の光」です。

『お前の心は
けざやかな景色のようだ
そこに見なれぬ
仮面(マスク)して
仮装舞踏のかえるさを
歌いさざめいて
人等行くけれど
彼らの心とて
さして陽気でないらしい』
(堀口大學訳)

ヴェルレーヌの詩には
過ぎさったもの
悦楽のあとの虚しさが
うたわれていますが
月の光にも
切なさが見事に
表現されています。

甘美ですが
甘ったるい内容ではなく
ゆるやかに
らせんを描きながら
下降していくメロディに
はかなげで
切ない思いが
漂っています。

最初のタイトルは
「感傷的な散歩道」
だったようです。
のちに「月の光」に
変わりました。