SHAンパンでもいかが?

「最終楽章 気分はAdagio」
77歳の一人暮らし。

魔術師

2022-10-01 22:14:00 | 日記



今日は又、
夏に戻ったような
暑さになりました。

   🥀🥀🥀🥀🥀

ラヴェルの作品の中で
もっとも良く知られている
のは「ボレロ」でしょうか。

最初に小太鼓が
聞こえるか聞こえないかと
いう小さな音で
リズムを刻み始めます。



やがてそのリズムに乗って
フル―トがエキゾチックな
旋律を吹くと
続いてクラリネットが
後半の旋律を奏します。

メロディ―は2種類の
パタ―ンのみで
別の楽器に代わり
再現なく続けられて
いきます。

最初から最後まで10分強、
同じリズムの上で
総計169回。
楽器が1つ、2つ、3つと
増えていき最大になるので
世界一長いクレッシェンド
とも呼ばれますが
クライマックスに達し、
全オ―ケストラによる
リズムと大洪水の中で
あたかも爆発するように
最後の2小節で
急に転調してドスンと
幕切れです。


ラヴェルはこの曲を
ほんの手すさびのつもりで
書いたようですが
それが彼の作品の中で
最も人気のある作品に
なったのが面白いところ
です。

確かにこの曲はリズムも
調性も変わらず、
ただ一つのクレッシェンド
だけで盛り上げられるので
これほど簡単な音楽も
珍しいのですが、
「オ―ケストレ―ションの
魔術師」と呼ばれた
ラヴェルの特性が
最大限に発揮された
作品なのです。