シンドラーのリスト

2005-02-21 00:57:12 | CINEMA
  第二次大戦下のドイツ。
実業家シンドラーは軍用ホーロー器工場の経営に乗り出し、
ゲットーのユダヤ人たちを働かせた。
やがて彼は、ユダヤ人たちを強制収容所送りから救うのだった。


 12年前、話題になった作品を今頃観ました。“ホロコースト”関連です。

その当時、一緒に仕事をしていた主婦の方がこの映画をみて
感動したらしく、「悲惨な映画やで」といろいろ話してくれました。
私はといえば、ユダヤ人虐殺の事にまったく興味も知識も無かったので
「ふ~ん」で終わってしまったんです。
たとえ観ていたとしても“恐ろしい映画”の印象で終わっていたと思います。
今でこそ、興味を持てばいろいろ調べることの出来る環境にいるので
関連記事なんかを探索し、自分なりに盛り上げていったりもしますが。

映画の話ですが、思っていたのと違う観点の映画でした。
ユダヤ人の強制収容所での大量虐殺に視点を置いてるわけじゃないんです。
もちろん、凄惨なシーンは出てきます。
その当時行われていた迫害を事実を元に描いています。
この映画の視点はシンドラーというユダヤ人を救った救世主の話です。

主人公のオスカー・シンドラーが登場するのですが、
この人が初めは“良い人と違うの???”と感じるような行動をとるんです。
映画を最後まで観ると、ナルホド!とは思うんですけど、
最初はなんとなく“????この人何してんの???”の状態がしばらく続きました。
多分、クラクフのゲットーに住むユダヤ人を働かせてお金を儲けるのが
最初の目的だったのでしょうが、ナチスのあまりにもひどい仕打ちを見て、
心が動いたんでしょうね。

家を追われ、狭いゲットーに押し込まれたユダヤ人たちを、
無償の労働力として雇い、自分のホーロー工場が軌道に乗り始めます。
しかし、ユダヤ人はゲットーまでも追われるようになります。
プワシュフ強制労働収容所に入れられてしまいました。

この収容所の所長アーモン・ゲートがまたひどい男で、
自分の機嫌でユダヤ人を射殺していくんです。
口答えしただけで殺される女性もいました。

労働源のユダヤ人が収容所に送られてしまったので
シンドラーのホーロー工場はストップしてしまいました。
そこで、彼はアーモン・ゲート所長のもとを訪れ、
自分の工場でユダヤ人たちを働かせたいと申し入れます。
ゲートもうまく納得して、シンドラーの収容所が出来上がります。

ナチスのために働きさえすれば、絶滅収容所に送られるのを見逃してもらえるし、
手に職を持っていれば、労働源として雇ってもらえる!
ユダヤ人の中では、シンドラーの工場で働ければ助かるんだと噂まで出てきました。
ユダヤ人たちがその腹を知らずに自分に感謝してくれる姿を見ているうちに、
彼の意識に変化があったんじゃないでしょうか。

空から灰が降りました。
プワシュフ収容所で既に殺され埋められていた死体を
ドイツの進撃に伴い、証拠隠滅のためにもう一度掘り返し、
焼却したために出来た灰が降ってきたのです。
プワシュフ収容所も閉鎖されることになり、シンドラーの工場も閉鎖。
ユダヤ人たちは、絶滅強制収容所であるアウシュビッツに送られることに。

シンドラーはゲートにお金をつんで、
自分の故郷にユダヤ人たちを連れて行く承諾を得ました。
この時、連れて行くユダヤ人のリストが「シンドラーのリスト」です。

シンドラーの故郷、チェコスロバキアの地を目指して汽車は向かいますが、
途中で女性たちの乗った汽車が間違ってアウシュビッツ強制収容所に
行ってしまいます。
ガス室に送られた女性たちですが、危機一髪で助け出されました。
またもやシンドラーが収容所の所長にお金をつんで助け出したのです。

戦争が終わり、ユダヤ人は自由になります。
シンドラーが彼らと別れるとき、「もっともっと助けられたかもしれないのに」
「車を売ればあと十人助けられた、このバッチを売ればあと二人、いや一人でも助けられた・・・」
と言って泣いていたシーンが印象的です。

結局、シンドラーは1200人ものユダヤ人を救ったそうです。
でも彼らの子孫はもっともっと増えてるので今や6000人だそうです。




日本人にもユダヤ人を救った人物がいます。
杉原千畝(1900-1986)
6000人ものビザを発行した日本外交官です。


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1 コメント

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漂う悲痛感。 (ちゃむ)
2005-02-21 12:31:01
超大作にも関わらず、優れた作品の

ひとつだと思います。

私には珍しく

モノクロ作品の中でビデオを

持っている一品です。

人間の持つ愚かさや驕りや

怖さや優しさが、見事に

詰め込まれた映画ですよね。

最後の指輪で必ず号泣する

ちゃむであります。

るなちのお蔭で手元に在る

↓テレジンの竜やんビデオは

私の宝物で御座います。
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