月のおはなし

2004-11-02 00:00:53 | 物語
月の中には兎が見えるっていいますよね。
あれにはちゃんとしたいわれがあるんですよね。
皆さんご存知かとも思いますが、ちょっと書いてみます。



 むかしむかし、狐と猿と兎が仲良く暮らしていました。
自分達が獣の姿なのは、前世できっととても悪いことをしたからに違いないと話し合った3匹は、
いいことをすれば生まれ変わる事ができると思い、修行をしていたそうです。
 ある日、老人に姿を変えた帝釈天がやってきて言いました。
『なにか食べ物をください』
そこでその老人のために、狐は河から新鮮な鯉を、
猿は木に登り珍しい花や木の実を取ってきて差し出しました。
ところが兎は何もとってくることが出来ませんでした。
かわいそうな兎は、狐と猿に『薪を集めてください』と頼みました。そして
『私はなにもあなたに差し出す物がありません。どうか私を食べてください』
と言って、燃えさかる薪に飛び込み死んでしまいました。

老人は帝釈天の姿に戻り、薪を取り除いて黒焦げになった亡骸を抱き、
『どうしてここまで思いつめたのであろう』
と言い天に昇っていきました。
そして帝釈天は兎の優しさを後世に伝えるために、黒焦げの兎の姿を月の中に残したそうです。



初めてこの話を知った時は、ちょっとショックでしたね。
他にも月の中にはさみを振りかざした蟹が見えると言う説もあります。
可愛そうな話だけど、蟹より兎に月に居てほしいかも(笑)
これから月を見るたびに兎の姿を探すんでしょうね。