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Endless SHOCK

2009-02-15 | 観たものレビュー
レビューの順番が逆になってしまいましたけども。
感動の記憶が薄れないうちに!と「パイパー」の方を先に書いてしまいました。
別にSHOCKの方が感動が薄かったというわけじゃないんだけどね
「パイパー」より感想をストレートに書きやすいので後回しにしちゃいました。


昨年、菊田一夫演劇大賞を受賞した「Endless SHOCK」は、おそらく演劇の世界で「古典」になりつつある。そう感じたのが今回の舞台だった。
今後も主演「堂本光一」は当分変わることはないだろうが、遠くない将来、光一以下オリジナルキャストが変わったとしても、「Endless SHOCK」はその輝きを失わずに上演され続ける芝居になるだろうと思った。
それを強く感じさせたのは、今回、劇場支配人役に植草さんを持ってきたことにある。

今まで、光一たちと同じ世代の若い劇場支配人(親から引き継いだという設定)だったのが、劇団メンバーと異なる上の世代の支配人となったことで、芝居にリアリティと一層の安定感が増した。さらに、光一に恋心を抱くリカの父親という設定は、今までの芝居にはなかった「親」という新たな視点によって、ストーリー展開にドラマティックな深みを加えた。

「Show must go on」を貫くコウイチの姿勢も、それに賛同したり戸惑ったりする劇団員たちの姿も従来と変わらない。だが、彼らと同じ不安定な存在であった支配人が、ショービズの酸いも甘いも噛み分けた中年の男性になったことは、思っていた以上に大きな変化だった。
この舞台の見せ場でもあるショッキングな事故で幕を閉じる1幕のラスト。
そこで受けた衝撃は、2幕以降も客席を巻き込んでしまうほどの不安定さの中で、いつまでも消えることがない。もちろん、それが「Endless SHOCK」の持つ独特の味わいではあった。
しかし、シェイクスピアの名戯曲をみて分かるように、不安定要素を抱える若者たちを脇から支える大人の存在は欠かせない。

2幕、再び劇場に姿を現したコウイチに無邪気に喜ぶほかの劇団員たち。
コウイチに再び会えたと同時に、死んだはずの彼の登場に激しい動揺を隠せないリカ。
そんなリカに(わかってる、何も言うな)とけん制し、劇団員たちと同じようにコウイチを歓迎する支配人ウエクサ。

今までは、たった一人でコウイチの秘密を胸の内に抱え込んできたリカだが、今回は父親もその秘密を知っていることになっている。
リカの動揺が軽減されたことが、私たち観客にも安堵を及ぼしたことが思いがけない驚きだった。

去年、支配人役が大倉君になったことで、コウイチ、ヤラ、オークラのトライアングルが際立つという思いがけない発見をしたが、今回も新しい発見の連続だった。
去年も言ったかもしれないが、この舞台がまさに「Endless」そのものなのだ。

ああ、来月あたりに観られるものならもう1回観たいなあ。
きっと1か月の間に、またどんどん変貌していっているだろうから。