城壁の街で : At The Walled City Blog

カナダ・ケベックシティ在住、ラヴァル大学院生の生活雑記
Université Laval, Québec City

中西部の虎 → ただのダメ猫

2008-03-24 | おいてけぼりシリーズ
何を書いても結局読者を置き去りです。


さて、現在カナダの南の国では March Madness と呼ばれる大学バスケのトーナメントが行われている。そして、今年"も"トーナメント表には、どこかの誰かさんが卒業した University of Missouri の名が無い。さらに一つ格下の NIT というトーナメントにも出場できなかった。まぁ、Big 12 で 6勝10敗の10位(Big 12 トーナメントは1回戦負け)、シーズン全体で16勝16敗なんだからどうしようもない。(NCAA に出るにはBig12 で 6位以上(大体 9-7 か 8-8 の成績)でシーズン20勝以上というのが例年のボーダーライン。NITは選考基準が意味不明なんでなんとも・・・) 

最後に NCAA に出たのが2003年、その後NITに二回連続出場した後、2006,2007,そして今年と三年連続ポストシーズン出場なし・・・・・・・か・・・・・



もうねぇ、涙も涸れちまったよ



ミズーリの男子バスケチームはカンザスやらテキサスのような絶対的に強いチームではない。だから、シーズンを通して勝ち続けるのを観て悦に浸るような楽しみ方はできない。それはよーく分かっている。

じゃぁ何が面白いのかというと、それはチームの"微妙な強さ""脆さ"だ。シーズン中に「おいおい、そんなゲームが出来んのかよ」という完璧なゲーム運びで全米トップレベルのチームに勝ってしまったかと思えば、その翌週に信じられないくらい弱いチームにあっさり負けてしまったり。Big12のゲームでも、テキサスに勝ってみたかと思えば、 Iowa St.やらネブラスカに負けてみたりするのに、オクラホマ辺りに2点差で勝ったり。そして、シーズンの終盤には 「NCAA トーナメントに出れるかどうかギリギリ」とか言われ続けながらも Big12 で9勝7敗の6位タイとかでシーズンを終了し、トーナメントには結局出る(←ココ重要)。そして、トーナメントでは1、2回勝ってコロンビアは大盛り上がり。そんな感じの不安定感がもたらす極度の興奮がタマらんかったのだけれど、ここ4年は最終的に負け越したりしているので全然面白くない。そして、弱いだけでなくオフコートトラブルが多すぎるのが本当に興ざめだ。


とりあえず、今年は Mike Anderson 政権の2年目。来年あたりからは Snyder色が消えて完全に Anderson のチームになるだろうから、そろそろ何とかして欲しい。というか、いい加減 NCAA トーナメントに出ろ。




もう一度書くけれど、NCAA バスケは本当に面白い。特に、自分が応援しているチームが活躍していると、本気で燃える。カナダの生活は、アメリカ時代にとは比べ物にならないくらい快適なので、アメリカに戻りたいとは基本的には思わないのだけれど、この一点置いては「アメリカに戻ってもいいなぁ」と思ったりする。

ポスドクで UNC とかないかなぁ・・・・・・・・・・・・

文化的なエ○

2008-03-19 | 雑記
ちょっと最近仕事が不規則でキツイ。更新する余裕がねぇよ。




ちょっと前に、朝日新聞が主催する手塚治虫文化賞という漫画賞のノミネート作品が発表されたのだけれど(選考結果の発表は五月)、そのノミネート作品をみてかなり驚いた、というのが今日のお話。

第12回手塚治虫文化賞ノミネート作品

そろそろ在北米は7年とか8年なので、全く知らない作者やら作品が増えていることもそうなんだけれど、それ以上に驚いたのはリストの10番目に「山本直樹」が載っているって事。健全なる一般人が多数を占めると思われる城壁の街で読者の皆さんは誰も知らんと思うけれど、この人




エ○マンガの人っすよ




しかも、監○、S○、ス○トロ、セッ○ス教団(自主規制しました)、なんでもありのかなりコアな人なんですけど・・・・・(なぜ、僕がそんなもんを知っているかに関しては突っ込まないでほしい) いいんすかね? ゴッドファーザー手塚治虫の名を冠し、山岸涼子、岡崎京子、高野文子、諸星大二郎とかが受賞している賞にノミネートしちゃっても?

いや、たしかに山本直樹はただのエ○マンガと違って、なんというか、こう、性愛に溺れてゆく人間の悲哀みたいなものを鋭く描いている漫画家で、大学生時代の自分の周りでもファンは散見されたけれど、それにしても手塚治虫文化賞っすかぁ・・・・・・

なんか、よくわからん。



と、いうわけでノミネート作品である「レッド」に関して少しだけ調べてみたんだけれど(すぐに買って来て読むということが出来んのが悲しいな)、テーマはあの学生運動やら、日本赤軍やらに関してらしい。しかも、登場人物が死んでゆく順番にあらかじめ番号を書き込んでおくという妙な手法を使っていたりしていて・・・さらに現時点でエ○なし・・・・

ふうん、そっかぁエ○じゃなくて学生運動がテーマなんだな・・・・

へぇ、学生運動ねぇ・・・・・・・ 


自分にとっての学生運動というのは「映画やら小説やらを読んでいるとたまに出てくる昔の話」ぐらいの認識しかない。(あ、そういえば某旧帝国大学にはそういう人たちがいまだ生息しているという話を聞いたような聞かんような・・・・・・でも、自分の大学生活には全く縁が無かった)とりあえず馴染みが無いし、思い入れも無いただの歴史上の出来事だ。だから映画や小説でそれにかかわることが出てきても全然感ずるものが無い。あの、あれですな、多くの日本人にとってのベトナム戦争みたいなもんだと思う。アメリカ映画ではやたらと出てくるんだけれど、あんまりかかわらなかった自分たちには「へぇ、そうなんだ」ぐらいにしか思わない感じ。あれですよ。


ぬうん、読みたいような、別にどうでもいいような・・・・・




四年位前に立松和平の「光の雨」を読んだときも「アホらし」と思ったぐらいだからなぁ。






カメラ話、総括

2008-03-11 | 雑記
さて、ここまで興味の無い人には全く持って面白くない記事が続いていましたが、ここで一段落させようと思います。(いつも読者おいてけぼりな点に関してはそっとしておいてほしい)


さて、まだ Chinon の防水コンパクトやら Vivitar のパノラマトイカメラやら、フィルムスキャンが可能な Canon Canoscan 8800F の話が残っているけれど、ここで一旦カメラ話の区切りを付けて通常更新に戻ろうと思う。

で、ここまでの流れを整理すると


フランス語しゃべれない+日本人超少ない
  ↓
有効友人数極小
  ↓
休日超ヒマ(特に日中)
  ↓
趣味は「散歩」と「一人スイーツ」
  ↓
弟が Cyber-shot W80 を買い与える
  ↓
散歩ついでにケベックの写真を撮るようになる
  ↓
意外に面白くてハマる
  ↓
マニュアル撮影が出来る機種が欲しくなる
  ↓
PowerShot S3IS を入手
  ↓
さらにハマる、でも画質がいまいち
  ↓
デジタル一眼が欲しい
が、高過ぎて買えない
  ↓
古いフィルム一眼なら何とかなるんじゃないかと画策
  ↓
実家で Minolta X-700 発掘
  ↓  
フィルム、超面白い
が、自動露出が壊れているため素人には難しい
  ↓
手軽にオートで撮れるフィルムカメラを所望
  ↓
ガラクタ屋で Hi-Matic F 発掘
  ↓
レンジファインダー、超面白い
が、マニュアル操作が出来ないのがもの足りん
  ↓
セミクラシック・レンジファインダー購入検討
  ↓
Hi-Matic 7s 落札
  ↓
マニュアル撮影、超面白い、と思いきや
いきなりシャッターが切れなくなり途方に暮れる
  ↓
善後策を思案中 ← 現在地




という感じになる。

で、Hi-Matic 7s が壊れる前の時点では、

Hi-matic 7s の操作に慣れる
  ↓
リバーサルフィルムに挑戦
  ↓
機会があれば二眼に挑戦

という遠大な計画を立てていたのだけれど、肝心のカメラが動かないのでどうしようかなぁと。

ま、大体において趣味なんてものはいつまで情熱が持続するかわからんもんなのでどうなるかわからんけれど、今後もこのブログでボチボチと報告しながらやっていきますよ、っと。





面白いのは、こういう趣味に大量の時間とエネルギーを使うようになったら、仕事を圧迫するかというとそんなこともなく、むしろ仕事ははかどるようになった。「部活を真剣にやっているときの方が成績が上がる」みたいなもんで、なにか生き甲斐みたいなものがあった方が本業も活性化するらしい(体調は相変わらず悪いがな)。

Minolta Hi-Matic 7s その2

2008-03-10 | 雑記
さて、問題は抱えたままなんだけれど、既に書き上げてしまった記事がもったいないので、一応掲載。基本的に壊れる前に書いた記事に少しだけ書き足しています。

Hi-Matic 7s



さて、なにやらごちゃごちゃしたセットで届いた Hi-Matic 7s なんだけれど、肝心の本体を見た感じではどこにも問題はない。というか、外観があまりにもきれいで(キズ一つなかった)、レンズの曇りもカビも全くないので驚いた。シャッターも低速(1/8, 1/4)が若干遅すぎるような気がするけれど全速しっかり切れているし、絞りも適正に動いている。とりあえず、完全なマニュアル機としては問題なく使える様子。

さて、露出計とオート機構か・・・

っとまぁ、ここからの状況判断と修理の手順を事細かに書こうと思えばかけるけれど、多分誰も読まないだろうから結論だけ手短に書くと、


電池室から露出計につながっているリード線が液漏れによる腐食で外れていたので、レンズボードやら何やらをすべて外してリード線を露出させてからハンダ付けしたら動くようになりました。


ということになる。途中、レンズボードの取り外しにビビってコーヒーを飲みながら漠然とカメラを眺めていたり、半田ごてを買いにいったりしながら5時間くらいかかったか。露出計の動作を確認したときと、バラバラになったカメラをなんとか組み上げたときは、それはもう


嬉しかったですね


レンズボードを外したあたりから状況がかなり複雑になってしまい、最終的にきちんと元に戻せるかかなり心配だったので、ちゃんと動いたときは一人で大いに喜んだ。ガラクタ趣味全体にいえることだけれど、自分の手で直したものが動くようになるととても幸せな気分になる。



というわけで完動品となったジャンク品の Hi-Matic 7s だけれど、撮影の方法がけっこう面白いので説明してみようと思う。


これがファインダーをのぞいた映像(トイレとかが写っているのは無視してほしい)。右に出ているのが露出計部分で、この映像では「9」の位置に露出計の指針があるけれど、この針がさしているところが「最適露出」ということになる(この指針が光の強さによって動くのだけれど、フラフラとした動きがものすごく味があってイイ)。ちなみに、ファインダーの真ん中にあるオレンジの菱形がピント合わせ。その部分の2重像を合わせればピントがあう(この距離計が微妙に狂っている気がする。ま、追々調整しようと思う)。


で、鏡胴部分のシャッタースピードと絞りのリングをまわすとそれに合わせて小窓に出てくる数字が変わる(この写真では14になっている)、この数字を露出計の数字(EV値という)と合わせると最適露出で撮影できることになる。

ということで、撮影の手順は、一度ファインダーをのぞいてフレーミングしてからメーターを見て露出を確認、その値を元に鏡胴のリングをまわしてシャッタースピードと絞りを決定、んでもう一度ファインダーをのぞきながらシャッターを切る、という感じになる。

微妙にめんどくさいけれど、この程度ならなんとか許容できる範囲だしそれなりに楽しい。

というわけで、動くようになったこのカメラをクソ寒い中持ち歩いて撮った写真だけれど、すでに C Jam Photo の方にあげてあるのでそちらを参照してもらえばいいかと思う


実写速報


思った以上にしっかり写っていたので驚いた。とりあえず、しばらくの間はこのカメラをメインに使っていきたいと思う。




っと、ここまで書いて2本目のフィルムを撮っている最中にシャッターが切れなくなりました。前にも書いたけれど、工具がないから肝心のシャッターユニットまでたどり着けない状態です。

ま、ぼちぼち考えながらやります。



厄日

2008-03-06 | 雑記
さて、昨日のHi-Matic 7s の記事の続きと、カメラ話の総括の記事は昨日のうちに書き上げてしまって準備万端だったんだけれど、今日いきなり Hi-Matic 7s が動かなくなりました。24枚撮りを10枚撮ったところでいきなりレリーズしなくなった。

とりあえず家に帰ってレンズボードを外してみて、とれかかっていた部品をつけ直したら「パシャ」と音はするようになったのだけれど、直後にシャッター羽が開かんようになった。

たぶん、どっかでギアが引っかかっているのか、ついに羽が古いオイルで固着したのか(元々低速は遅過ぎた)・・・・・

何にせよレンズボードどころかレンズ+シャッターユニットを外してベンジンで洗うなり何なりせんといかんのだと思うのですが、レンズを開ける工具(カニ目レンチというけったいな名前の工具)がないので途方に暮れております。

まぁ、40年以上前の機械っつうのはトラブルは覚悟の上じゃないと遊べないものでして、こういう事態を克服しながらつきあってゆくのがそもそもの楽しみのうちだったりするので(歪んどるな)、そこまで打ちひしがれてはいないんだけれどちょっと困りましたな。特に工具がなくて「駄目もと」で開けてみることすら出来んのが困った・・・・

とりあえず、今日は他にも困ったことや嫌なことが多発したので不貞腐れ気味。こういう日は、ムヤミに辛いマーボードーフでも食ってさっさと寝るしかないですな。





ま、雪解けまであと2ヶ月。それまでには何とかしたいですなぁ。

Minolta Hi-Matic 7s

2008-03-05 | 雑記
学校休みなので連続更新、そして真打ちの登場ですよ。

Minolta Hi-Matic 7s

レンジファインダー情報サイト Hi-Matic 7s


さて、フィルムで写真を撮るのは楽しい。が、X-700では難易度が高すぎるし、Hi-Matic F 小さいしオート露出だから気軽でいいのだけれど、マニュアル操作が全く出来ないのはちょっと物足りない・・・・・というわけでちゃんと撮れるフィルムカメラがどーしても欲しくなった。ま、ここまでの流れを見ると当然の欲求ではある。。。。。

で、どういうカメラが欲しいのか自分で整理してみたら、

1、マニュアル操作が出来る
2、マニュアル操作時に露出計が機能する(軟弱)
3、でも、切り替えでオートも撮れる(更に軟弱)
4、距離計連動式レンジファインダー
5、願わくば完全機械式シャッターがいい(-20℃でも動くヤツな)
6、40mm前後の準広角レンズ

という感じになった。

これらの条件をある程度妥協しながら現行機種で満たそうとすると、選択肢は

ライカM7 標準レンズ付き 52万円

コシナ Bessa + Nokton Classic 40mm 13万くらい?

となり、ライカは我が"年収"の半分、ベッサでも月の生活費を上回るという恐ろしい事態になる。んなもんはどうやったって買えん。つか、その金があったらフィルムなんぞやらずに素直にa200のレンズキットを買う。

というわけで、上手く行けば一台1000円程度で手に入る Hi-Matic F と同年代の準クラシックレンジファインダーの中からなんとかしようと考えた。

と、ここまで来たところで、我が「粘着質のリサーチ能力」+「ブロードバンド時代のインターネットリソース」の出番である。

<以下、読み飛ばし可能>
1960-1970年代のレンジファインダーカメラを探すとなると、

Canon Canonet
Minolta Hi-Matic
Yashica Electro
Olympus 35
Konica の Hexanon レンズが入った機種

あたりが候補に挙がってくる(というか、この辺りじゃないと中古市場にないし、情報もない)。

これらの中で、e-bay でよく見かけるのは Canonet と Yashica Electro 。どうも北米ではこの二つのシリーズが人気らしい。ただ、問題なのは Canonet シリーズはマニュアル+シャッタースピード優先オートで、マニュアルのときに露出計が使えないし、 Yashica Electro のほうは、絞り優先オートのみなので微妙に条件が合わない。あと、この二機種は人気があるため、完動品の落札相場は30-40ドル、送料を考えれば60ドル近い出費になる。これでは「安いもので何とかしよう」という大本の趣旨に合わなくなる。

で、その他の候補の中から露出制御の仕組みを中心に絞り込んでいくと、

Minolta Hi-Matic シリーズの 7, 7s, 9 の三機種
Olympus 35 SP もしくは RC
Konica S, S II, S III, Auto S

あたりが候補に挙がった。この辺の機種なら露出計を使いながらマニュアル撮影が出来きるらしい。ただ、このどれもが北米市場でバカ売れした Canonet,Yashica Electro にくらべてタマ数が圧倒的に少ない。特に Olympus は北米市場が弱くほとんど見つからないし(ヨーロッパでは多いらしいがな)、Konica は Konica で Hexanon レンズの評価が妙に高いため、オークションでもアホみたいな値段がついていたりする。

となると、Himatic シリーズしかない・・・・というか、これがベスト。。。


<読み飛ばし可能 ここまで>

というわけで、Himatic シリーズの 7, 7s, 9 という1960年代に発売されたモデルにしぼって e-bay で検索、そして約3週間にわたる市場監視+落札競争(10敗くらいした)を経て手に入れたのが上の写真の Hi-Matic 7s という1966年発売のカメラ。速写ケースはついていなかったけれど、よくわからないフィルターが三枚 (Skylight, Yellow, 85B)、サイズは合っているものの取り付けたら距離計が見えなくなるラバーフード、肩ひもが切れているカメラバッグ、どう考えても使えないミニ三脚というセットが20ドル強だった。


続く、



Minolta Hi-Matic F

2008-03-05 | 雑記
今日は吹雪で学校は公式にお休み。つか、風と雪が強過ぎて外に出られない。

DSC01392.JPG



レンジファインダー情報サイト Hi-Matic F



さて、Minolta X-700 で悪戦苦闘している間に「フィルムで撮る」面白さはわかったものの、一本前の記事で書いた通り操作があまりにもメンドクさ過ぎるので、「なんか気軽に撮れるフィルムカメラが欲しいなぁ」と漠然と考えていたときに、行きつけのガラクタ屋で偶然このカメラを発見した。


こういうゴミの山の中

60年代から70年代に発売された「普及機レンジファインダー」とよばれるタイプの準クラシックカメラに対する予備知識は全くなかったのだけれど、ガラクタの山の中でコイツを発見したときは、訳が分からないなりに「おぉ、いい物を見つけた」と興奮した。そして普段なら、素性の知れないものを見つけたときには買わずに一度家に帰り、どういうものか調べて「買う価値アリ」と判断したときだけ店に戻るのだけれど、今回は見つけた瞬間に購入。 6ドルだった。 

で、家に帰っていじくりまわしたり、ネットで情報を調べたりしてわかったのは、

ミノルタが1972年に発売した、二重像合致式のレンジファインダーカメラ。
電池が無いとシャッターは機能せず、露出制御も完全なオート。
そして、電池は現在入手不可な水銀電池が必要。

ということ。


とりあえず、バッテリーチェックランプもつかないし、シャッターも切れないので電池室を開けてみると(ふたが壊れていてテープ止めされていた)、液漏れした痕跡のある電池が残されていたので、取り出して電池室内を掃除。さらにカメラの裏蓋を開けてみて中の配線が断線してないかだけを確認したのだけれど、腐食しかけの配線がギリギリ残っている。

なので、今は余計なことを一切せずに電池で何とかしてみようと思いグーグル大先生に相談することにする。すると現在でも手に入る LR44 というボタン電池に工夫を凝らせば代用できる様子。

なんで、作りましたよ、電池を。



右の大きな電池が本来 Hi-Matic F が必要としている HM-N(NR52) 型水銀電池、左の小さい奴が腕時計や電卓でよく使う LR44 型の電池。一円玉は比較対象。こうしてみると、HM-Nは結構でかい。



で、まず高さをそろえるために、LR44 と同じくらいの大きさのアルミの玉を作った。


で、電池とアルミの玉をたてに重ねて、テープで巻く。


それだけではまだ大きさが足らず電池室内で動いてしまうので、その上に厚紙を巻いてもう一度テープで巻く。


同じ物をもう一個つくって電池室に挿入したところ。


で、電池の方向を色々試したりしているうちに・・・・


動いた!


動いた動いた、バッテリーチェックランプも点灯するし、シャッター(絞り兼用)の動きも光の強さに反応して変わっている。


いやぁ、嬉しかったですね。


というわけで、ドキドキしながらテスト撮影を行ったときの写真が以下の三枚。


My Room
一番はじめの一枚。

Plains d'Abraham
戦場公園にて美術館方面を望む

Rue St-Louis
ダウンタウン観光馬車の引く馬(休憩中)


シャープさは全然ないけれど一応ピントも合うし、オート露出も逆光以外では安定して動作している。ただ、オート露出は若干アンダー気味(暗すぎる)に作動するようなのだけれど、それはフィルム感度の設定で調整できた。

というわけで、無事に動きましたよという話。めでたし、めでたし






後日談

Hi-Matic F を掘り出したことにいい気になって、二匹目の泥鰌を狙って同じ店に2週間後に行ったら、明らかに自分が買った Hi-Matic 用と見られるケースを発見。8ドルで売っていた・・・・・・

なんか、騙されたみたいでアホらしい気分になったけれど、折角なんで購入。

というわけで、計14ドルの買い物となりました。

Minolta X-700 その2

2008-03-03 | 雑記
Minolta X-700


さて、写真歴の短い人間にとっては悪夢のような難関となってしまったジーさんのカメラなんだけれど、せっかく手に入れたんだからやっぱり撮ってみたい。というわけで、無い頭を捻り回してやっと思いついた唯一の解決方法は、

PowerShot S3IS を露出計代わりに使う

というもの。この案を思いついた瞬間は「俺って超天才だわ」と思ったのだけれど、実際にやってみると信じられないくらい面倒で難しかった。

まず、何が面倒って、そこそこの大きさがあるカメラを二つも持ち歩くのは想像以上に面倒だというのが第一点。重いし、動きにくいし、「俺は一体、何をやってんだ?」という気分になる。

<以下 読み飛ばし可能>*****************
んで、さらに面倒なのが露出の割り出しから撮影までの一連の動作。簡単に説明すると、まずはじめに取りたいと思うものに X-700 を向けてフレーミングする。そして、 Powershot S3IS に持ち替えて、同じフレーミングを再現し、絞りを調節してシャッター半押しをすると適正のシャッタースピードが EVF に表示される。その数字を元に X-700 の絞りとシャッタースピードを調整。で、もう一度構えて「本当にこれで撮れているのかなぁ」という不安と戦いながらシャッターを切る、という感じになる。

ここで本当に難しいのは、昭和生まれの頑固親父である X-700 のシャッタースピードは

1、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500、1/1000秒

と1秒から1000分の1秒まで11段階にきっちりと区切られていて、それぞれの中間のスピードは存在しないのだけれど、現代っ子の PowerShot の場合は、15秒から3200分の1秒までの間でかなりフレキシブルにシャッタースピードを設定するため(640分の1秒とかのシャッターを平気で切る)、PowerShot で測光してからX-700 に移ったときにどのスピードを使うかかなり悩むこと。

さらに、絞りのほうでは X-700 の F値は 3.5 から 22 とかなり広くなっているのだけれど(35mmフィルムカメラだと普通らしい)、PowerShot の場合は 2.7 から 8.0 までと絞った側に3段分も狭い。なので、遠景をとるときには X-700 の方で F16とか22に絞りたいんだけれど、そうなると PowerShot の最も絞った F8 で出てきたスピードとどうあわせればいいのかまた悩んでしまったりする。

あっ、あと ISO の設定も難関だった。いま市場でフツーに手に入るネガフィルムの感度は200とか400が多い。で、外でとる場合は ISO 200 を選択することになる。そして、当然のことだけれど撮影の途中でこの感度を変えることは出来ない。でも、デジカメ場合はISO感度は可変。PowerShot の場合は 80,100,200,400,800 と5段階で設定できて、普段外で撮影するときはもっともきれいに撮れる80を使う。でも、測光のときは、X-700 にあわせて感度設定を 200 に変えて計らなくてはちゃんとした露出を導き出すことは出来ない。でも、X-700 を使わずPowerShot だけで撮影するときには、当然 ISO 80 で取りたいわけで云々、

要するに、ISO 設定の切り替えを何度もやっているうちに訳がわからなくなって、X-700 のための測光を ISO 80 でやってしまったり(明るくなりすぎる)、せっかく外で撮っているのに PowerShot のISO設定を 200 で撮ってしまったり(画質が想像以上に悪くなる)してしまった。
<読み飛ばし可能 ここまで>***************

ここまで、カメラのマニュアル操作をしたことのない人にはピンと来ない話だろうけれど、要は、


物凄く複雑でメンドクサイ


ということ。しかも折悪く今は冬。それだけの作業をマイナス10度以下の環境下で遂行するのは根性の無いダメ人間には非常に困難だった。

あと、笑ってしまうような話なんだけれど、このカメラで取った一本目のフィルムはフィルムの出し方がよくわかっていなかったため内部で破いてしまった挙句、感光もさせてしまいダメになってしまった。マイナス20度の中死ぬ思いをして撮影したものだったので本気で3日間くらい落ち込んでしまった。

さらに、その翌週に撮った2本目は、またフィルム取り出しに失敗して終わりの方の数枚を完全に感光させてしまった挙句、近所のドラッグストアで適当に現像に出したら恐ろしく質の悪いプリントで仕上がってきてしまい落胆。。。。。。

そして、3本目になってやっと気づいたのだけれど、裏蓋についてるスキマから光が入るのを防ぐスポンジ(モルトというらしい)が劣化していたため、24枚中20枚に変な光の帯が入ってしまって涙目。

そして4本目、フィルムの取り出し方も理解し、光漏れ対策もばっちり施した状態で(黒のビニールテープで裏蓋をふさいだ)、市内を一回りして撮ってきた写真の一部が以下の3枚。


Musée National des Beaux-Arts du Québec

les plaines d'Abraham

St Laurence River


いやぁ、大変だった。
とりあえず、このカメラを使うにはかなりの「気合い」が必要ですな。




Minolta X-700

2008-03-02 | 雑記
Minolta X-700



さて、ここからはフィルムカメラ。
つうか、こっからが本番。



コニカミノルタ公式

コニカミノルタはとうの昔にカメラ事業から撤退しているのだけれど、一応昔のカメラの紹介サイトは残してある。ただ、未だ事業継続中のキャノンに比べたら前々情報少ないけどな・・・・

ファンサイト
細かいスペックやら、紹介はここで見ることができる。



昨年の秋頃にこんなことをぼやいたら、本当に実家の押し入れからミノルタのフィルム一眼が出てきた。機械道楽癖のあった父方の祖父の物だったらしい。新しい物好きでメカオタクな人だったので、出てきたカメラがミノルタでしかも中級マニュアルフォーカス機というのは意外だったけれど、そんな細かいことは実際どうでもよく、とりあえず触ってみたかったので、すぐに送ってもらった。

んで、コッチに届くなり喜び勇んで弄くり回してわかったことは、

レンズの中にゴミが一つはいっているけれど、その他カビ・キズ等はなし。絞りの固着なんかも無い。シャッタースピードは機械式ではなく電子制御なので、ちゃんと動くのかかなり心配だったのだけれど、一応全速ちゃんと動く。とまぁ、とりあえず最低限の撮影は出来る状態だった。


ただ、致命的なのは自動露出は絞り優先、プログラムともに正常に作動せず。。。。。
どうも受光素子が死んでいるご様子



これがどういうことかと言うと、「露出」つまりはシャッタースピードど絞りの組み合わせを、状況に応じて自分で決めなければならないと言うこと。要するに、こういうカメラや、こういうカメラと同じようなレベルの操作が要求されると言っていいと思う。となると、露出計(安いのでも2万円位する)を使うか、経験と勘をたよりに露出を決める必要があるのだけれど、そのどちらも自分は持っていない。



一眼が手に入ったと喜んだのもつかの間、
いきなり超難しい課題を突きつけられてしまった・・・・・



いまいち、この状況がよくわからない人のために、わかりやすい例え話をすると、

中型免許を取りたての少年が「あー、折角免許取ったんだからバイク欲しいなぁ。バイト先に行くのとか、ちょっとしたツーリング用に使える奴が無いかなぁ」と思っていたところへ、「ウチに250ccが一台余っているから、欲しかったらやるよ」と親戚のおっさんあたりが言うもんだから、喜び勇んで取りにいってみたら「スズキの RGV 250 ガンマ」だった

みたいな感じになるかとおもう。



次回へ続く