城壁の街で : At The Walled City Blog

カナダ・ケベックシティ在住、ラヴァル大学院生の生活雑記
Université Laval, Québec City

Minolta Hi-Matic 7s

2008-03-05 | 雑記
学校休みなので連続更新、そして真打ちの登場ですよ。

Minolta Hi-Matic 7s

レンジファインダー情報サイト Hi-Matic 7s


さて、フィルムで写真を撮るのは楽しい。が、X-700では難易度が高すぎるし、Hi-Matic F 小さいしオート露出だから気軽でいいのだけれど、マニュアル操作が全く出来ないのはちょっと物足りない・・・・・というわけでちゃんと撮れるフィルムカメラがどーしても欲しくなった。ま、ここまでの流れを見ると当然の欲求ではある。。。。。

で、どういうカメラが欲しいのか自分で整理してみたら、

1、マニュアル操作が出来る
2、マニュアル操作時に露出計が機能する(軟弱)
3、でも、切り替えでオートも撮れる(更に軟弱)
4、距離計連動式レンジファインダー
5、願わくば完全機械式シャッターがいい(-20℃でも動くヤツな)
6、40mm前後の準広角レンズ

という感じになった。

これらの条件をある程度妥協しながら現行機種で満たそうとすると、選択肢は

ライカM7 標準レンズ付き 52万円

コシナ Bessa + Nokton Classic 40mm 13万くらい?

となり、ライカは我が"年収"の半分、ベッサでも月の生活費を上回るという恐ろしい事態になる。んなもんはどうやったって買えん。つか、その金があったらフィルムなんぞやらずに素直にa200のレンズキットを買う。

というわけで、上手く行けば一台1000円程度で手に入る Hi-Matic F と同年代の準クラシックレンジファインダーの中からなんとかしようと考えた。

と、ここまで来たところで、我が「粘着質のリサーチ能力」+「ブロードバンド時代のインターネットリソース」の出番である。

<以下、読み飛ばし可能>
1960-1970年代のレンジファインダーカメラを探すとなると、

Canon Canonet
Minolta Hi-Matic
Yashica Electro
Olympus 35
Konica の Hexanon レンズが入った機種

あたりが候補に挙がってくる(というか、この辺りじゃないと中古市場にないし、情報もない)。

これらの中で、e-bay でよく見かけるのは Canonet と Yashica Electro 。どうも北米ではこの二つのシリーズが人気らしい。ただ、問題なのは Canonet シリーズはマニュアル+シャッタースピード優先オートで、マニュアルのときに露出計が使えないし、 Yashica Electro のほうは、絞り優先オートのみなので微妙に条件が合わない。あと、この二機種は人気があるため、完動品の落札相場は30-40ドル、送料を考えれば60ドル近い出費になる。これでは「安いもので何とかしよう」という大本の趣旨に合わなくなる。

で、その他の候補の中から露出制御の仕組みを中心に絞り込んでいくと、

Minolta Hi-Matic シリーズの 7, 7s, 9 の三機種
Olympus 35 SP もしくは RC
Konica S, S II, S III, Auto S

あたりが候補に挙がった。この辺の機種なら露出計を使いながらマニュアル撮影が出来きるらしい。ただ、このどれもが北米市場でバカ売れした Canonet,Yashica Electro にくらべてタマ数が圧倒的に少ない。特に Olympus は北米市場が弱くほとんど見つからないし(ヨーロッパでは多いらしいがな)、Konica は Konica で Hexanon レンズの評価が妙に高いため、オークションでもアホみたいな値段がついていたりする。

となると、Himatic シリーズしかない・・・・というか、これがベスト。。。


<読み飛ばし可能 ここまで>

というわけで、Himatic シリーズの 7, 7s, 9 という1960年代に発売されたモデルにしぼって e-bay で検索、そして約3週間にわたる市場監視+落札競争(10敗くらいした)を経て手に入れたのが上の写真の Hi-Matic 7s という1966年発売のカメラ。速写ケースはついていなかったけれど、よくわからないフィルターが三枚 (Skylight, Yellow, 85B)、サイズは合っているものの取り付けたら距離計が見えなくなるラバーフード、肩ひもが切れているカメラバッグ、どう考えても使えないミニ三脚というセットが20ドル強だった。


続く、



Minolta Hi-Matic F

2008-03-05 | 雑記
今日は吹雪で学校は公式にお休み。つか、風と雪が強過ぎて外に出られない。

DSC01392.JPG



レンジファインダー情報サイト Hi-Matic F



さて、Minolta X-700 で悪戦苦闘している間に「フィルムで撮る」面白さはわかったものの、一本前の記事で書いた通り操作があまりにもメンドクさ過ぎるので、「なんか気軽に撮れるフィルムカメラが欲しいなぁ」と漠然と考えていたときに、行きつけのガラクタ屋で偶然このカメラを発見した。


こういうゴミの山の中

60年代から70年代に発売された「普及機レンジファインダー」とよばれるタイプの準クラシックカメラに対する予備知識は全くなかったのだけれど、ガラクタの山の中でコイツを発見したときは、訳が分からないなりに「おぉ、いい物を見つけた」と興奮した。そして普段なら、素性の知れないものを見つけたときには買わずに一度家に帰り、どういうものか調べて「買う価値アリ」と判断したときだけ店に戻るのだけれど、今回は見つけた瞬間に購入。 6ドルだった。 

で、家に帰っていじくりまわしたり、ネットで情報を調べたりしてわかったのは、

ミノルタが1972年に発売した、二重像合致式のレンジファインダーカメラ。
電池が無いとシャッターは機能せず、露出制御も完全なオート。
そして、電池は現在入手不可な水銀電池が必要。

ということ。


とりあえず、バッテリーチェックランプもつかないし、シャッターも切れないので電池室を開けてみると(ふたが壊れていてテープ止めされていた)、液漏れした痕跡のある電池が残されていたので、取り出して電池室内を掃除。さらにカメラの裏蓋を開けてみて中の配線が断線してないかだけを確認したのだけれど、腐食しかけの配線がギリギリ残っている。

なので、今は余計なことを一切せずに電池で何とかしてみようと思いグーグル大先生に相談することにする。すると現在でも手に入る LR44 というボタン電池に工夫を凝らせば代用できる様子。

なんで、作りましたよ、電池を。



右の大きな電池が本来 Hi-Matic F が必要としている HM-N(NR52) 型水銀電池、左の小さい奴が腕時計や電卓でよく使う LR44 型の電池。一円玉は比較対象。こうしてみると、HM-Nは結構でかい。



で、まず高さをそろえるために、LR44 と同じくらいの大きさのアルミの玉を作った。


で、電池とアルミの玉をたてに重ねて、テープで巻く。


それだけではまだ大きさが足らず電池室内で動いてしまうので、その上に厚紙を巻いてもう一度テープで巻く。


同じ物をもう一個つくって電池室に挿入したところ。


で、電池の方向を色々試したりしているうちに・・・・


動いた!


動いた動いた、バッテリーチェックランプも点灯するし、シャッター(絞り兼用)の動きも光の強さに反応して変わっている。


いやぁ、嬉しかったですね。


というわけで、ドキドキしながらテスト撮影を行ったときの写真が以下の三枚。


My Room
一番はじめの一枚。

Plains d'Abraham
戦場公園にて美術館方面を望む

Rue St-Louis
ダウンタウン観光馬車の引く馬(休憩中)


シャープさは全然ないけれど一応ピントも合うし、オート露出も逆光以外では安定して動作している。ただ、オート露出は若干アンダー気味(暗すぎる)に作動するようなのだけれど、それはフィルム感度の設定で調整できた。

というわけで、無事に動きましたよという話。めでたし、めでたし






後日談

Hi-Matic F を掘り出したことにいい気になって、二匹目の泥鰌を狙って同じ店に2週間後に行ったら、明らかに自分が買った Hi-Matic 用と見られるケースを発見。8ドルで売っていた・・・・・・

なんか、騙されたみたいでアホらしい気分になったけれど、折角なんで購入。

というわけで、計14ドルの買い物となりました。