城壁の街で : At The Walled City Blog

カナダ・ケベックシティ在住、ラヴァル大学院生の生活雑記
Université Laval, Québec City

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2007-03-23 | 雑記
以前、うちの先生が如何にシャレになっていない人物かということについて書いた。

The world's top scientist

それを、今一度確認したという小話。






今学期、授業を一つ取っている。

自分の教授がやっている大学院生向けの授業で、学生の発表や与えられた課題(授業一回あたり論文1本)について議論をするクラスである。もちろん、授業は全て忌まわしきフランス語によって進行されるので、まわりが何を言っているのか全く分からない。うん、誇張でも何でもなく全然分からない。

そんな状況なので、急に発言を求められたときには、逆に質問し返して話が適度にそれるのを待ったり、学生の発表のときにグラフやら図が出てきたら、迷惑にならない程度の軽い質問をして(「悪いんだけど、そのX軸の単位は何?」とか「その矢印は何の流れをあらわしてるの?」とか・・・・)「とりあえず、授業に参加する気はあるよ」というささやかなアピールをしてごまかしている(コレは長い北米生活で身に付けた技術だ)。


が、基本的には何が起こっているのか全く分からない状態で水曜午後の3-4時間を過ごさなければならないのでかなりヒマである。


うん、冗談抜きで退屈なんだ


なので、最近はテーマを決めて周りを観察してヒマをつぶしている。

隣の女の子が描いている落書きの進行状況の確認とか
(謎の幾何学模様を描くのが好きみたいなんだ)

同じ研究室の長髪男子の髪のウエーブの具合の観察とか
(欧米人の髪の毛の自然なウェーブって素敵だよね)

教室全体の人間と備品の総重量の推計とか・・・・・・
(よく考えたら、平方メートル辺り結構な重量だ。建物スゲエな)


ま、そんな感じ。
あれだな、ニッポンのダメ会社員の会議中の行動みたいな感じだ。

正直なところ、この事態は全くもって情けない限りなのだけれど、まぁ、ねぇ、内容が完全にわからない授業に無条件に集中していられるほど出来た人間ではないので「仕方ない」と思う。


で、先日は暇つぶしに、我が教授の授業中の目線の軌跡を追ってみた。






さて、さすがの御大も"基本的には"発表者のスライドを注視している様子だ。
まぁ、授業を受け持つ教員として、というか人の発表を聴く人間の行動としてはごくごく普通だろう。


が、よく見ていると時々目線が落ちる。
そして、しばらく動きが止まる。

で、スライドが変わるとまたスクリーンの方に目線が戻る
大体見終わるとまた目線は手元へ。。。。。


今の授業では、配布資料が配られることはないし、学期末の試験があるわけではないのでノートを取っておく必要もない。だから、机の上に用事はないはずだ。

どうも、後で議論の素材として使う予定の論文を読んでいるようなのだ。

まぁ、わかりきっている内容の場合や、自分にとってさして重要でない内容の場合は、プレゼンテーションの進行状況をさっと確認しながら手元で別の仕事をやることもさすがの自分でも可能だと思うし、誰もがやることだと思う。そんなに、大袈裟に騒ぎ立てる必要はないことなのかもしれない。


が、ここで問題なのは手元の論文を読みながらも、発表に反応して質問をしたりする点だ。




どう考えても

手元の論文を読みつつも、耳では発表を聴いている

としか思えない



そういえば、 The world's top scientist で書いた自分の発表練習のときも同じような状況だったわけだ。つまり、今回はその能力の追認みたいなもんだな。

とりあえず、これをもって「うちの先生の脳みそには物事を並列で処理する機能がついている」と結論付けてもいいだろう。ただ、いくつまで並列できるかは未だ不明だ。その辺は卒業までに観察しつづけて明らかにしたい。



それにしても・・・・・ただの退屈しのぎの戯れのつもりだったものが、本来は凡人には見ることが許されていない「この世の果ての景色」を垣間見る結果になってしまったようだ。


いや、もしかしたら、「この世の果て」よりも更に遠い

「異次元世界」

を覗き見たのかも知れない。





どちらにせよ、住む世界が違うことは確かだ
せめて、この事実に気付くことが出来た自分を褒めてやりたい。









<参考画像>うちの教授と御付の大学院生のイメージ図