舞栗倉庫

過去ログ

残ったもの

2006-07-16 18:57:10 | Weblog
沖縄県北部の東村で配布している地図の片隅にこうある。「持って帰るものは思い出と写真 残すものは足あと」自然には手をつけず、且つゴミが出たら持って帰りましょうということなんだろう。
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昨夜久しぶりに勉強仲間と集まった。
最近お気に入りの沖縄料理の店である。お気に入りと言ってもこの2年間で3回目、外に呑みに出ること自体すっかりなくなった(若い頃は毎日のように行っていたなぁ、なぁにが楽しかったんだろうか?)。

外資系保険会社の女性。
世界の御三家の一つと言われるプラント会社の男性。
国家公務員の男性。
そして無職のオッチャン。

美味しい肴を食べた・・・筈である。
呑んだ酒もおいしかった・・・筈である。
話にハナも咲いた・・・筈である。

今朝起きると、持って帰ってきた筈の思い出が・・・ない。
残ったものは・・・酒だけである。

毎度のことだ。

ナゼ 僕 ダケ 言ウ ミナ ヤテル

2006-07-16 18:14:18 | Weblog
中村吉広さんの書かれた「チベット語になった坊っちゃん」を読んだ。
出版は半年以上前だったと思うが、図書館で借りることが出来たのが1ヶ月前。一気に読んでしまった。
中村さんはブログ「旅限無」でも日々のニュースの中から「聞き捨てならない」ことを拾い上げ、鋭い切り口で論評されている。正直、ブログにはついて行けない。中身が濃くてしかもアップのスピードが速すぎる。頭の中で整理が出来る前に次の話が出てきてしまう。
こんな人がどんなに難しい本を書いたのか、非常に気になっていた。

これ以上簡単なあらすじはないんじゃないのってくらい簡単にあらすじを書くと・・・中村さんはチベット仏教を学ぶべく、今は中国の一部となったチベットの奥にある学校の日本人初の留学生となる。ご自身の考えだした学習方法により驚くほどの早さでチベット語を習得し始める。チベット語と日本語の共通点「てにをは」に着目し、尊敬する恩師の為に初めてチベット語を用いた日本語教師になる。成績優秀な生徒を選抜し夏目漱石の「坊っちゃん」の翻訳を開始する。諸事情により帰国することになった中村さんを学生達は涙で引き止めるが、翻訳が未完のまま帰国する(一部抜けてたり間違ったりしてるかもしれないけど、本自体が手元にないのでご勘弁を)。

中身が濃い、言語研究の専門家が読んだら重~い内容なんだろうけど、自分のような一般のオッチャンが読めば学園ものとして充分楽しい。
読み進んで行くと時に鼻の奥がツ~ンとしたり、仮に電車の中で読んでいれば(電車には乗らないけど)目の前の女子中学生に「このオッチャン、超キモイ!」と言われそうなニヤつきかたをしてみたり、最終章が迫って来ると「中村さん、まだ帰国しないで欲しいなぁ」とまったくの他人事。

あとがきだけで一冊書けるんじゃないかなぁと思われる情報量だ。
チベット語も日本語も、トルコ語~モンゴル語~満州語~朝鮮語と同じ仲間「膠着語」というんだそうな(ここら当たりの知識は自分にはまったくない)。
「てにをは」を持たない中国語を使って行われる日本語教育は効率が悪く、チベット語で日本語教育を行う方が理にかなっているらしい。

それでか、ユンソナさんなどの韓国出身者の日本語上達が早いのは。今朝も半年前まで日本語をまったく解さなかったという韓国の女性タレントがTVでかなりきれいな日本語を喋っていたなぁ。
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都内屈指の違法駐輪のメッカで勤務していた時、目の前で堂々と駐輪しようとしている中国人(もちろん日本人にも言いますよ)に注意をした「そこには停めないでください。」
それに対する彼の返事が冒頭のタイトルである。

「皆は関係ありません。僕はあなたに言っているんです。」
「ミナ ヤテル ウルサイ ソレ ウルサイ ノ コト・・・」

中国人に「てにをは」は難しいのか。