トサミズキが咲きました
←1冊目
心に沁みましたので2冊目読みました。↓
舞台も時代も人物も バラバラな12の短編からなっている。
背景が日本はただの1編だけ、房総の海辺です。
共通しているのは「戦争」。
どれにも抗戦、厭戦の空気が満ちている。
今起きているウクライナ侵攻の遥か前に書かれた作品ですが
まるで今を現しているようです。予見していたかのように。
物流の停滞でスーパーマーケットの棚は空っぽ等々。
ある日突然「特別な通知」が届いてホセの日常は奪われ戦場へ。
貧しい中から小金を貯め、
戦場に行くにあたって隠し場所に困るホセ
13歳で体を売らなければならないジョイ、兄マルコだけは
唯一妹を守ろうと必死。
軍隊は給料が出ると知って志願するマルコ。
裕福だが移民二世(中国系)のナタリー(国籍はアメリカ)
彼女の複雑な民族性が描かれている。
背景はポーランドだったりウクライナ国の名前もでてくる。
難しい形容詞修飾語が多くて、
私には難しい点もありましたが、
どの作品にも哀感を覚え心に残る作品の一つになりました。
(ある方から紹介して頂きました、感謝)