先週末、ジェーン・バーキンのコンサートへ。
女優、歌手、映画監督、脚本家、そして人権擁護活動家である彼女に
ずっと会いたいと思っていた。
セルジュ・ゲンズブール、エルメスのバーキン、そのか細く壊れそうな
歌声。
彼女を語るうえで有名なキーワードはたくさんある。
けれど、彼女はその枠を超え、ばっさりと切った
ショートヘアに男性用のパンツにシャツ、ネクタイで
幼い日のノスタルジーを語る。
そして、今まで歌い続けてきたセルジュの曲を
一つずつ紹介しながら思い出すように歌う。
どこか、記憶の奥に残るそのシャンソン。
セルジュ・ゲンズブールが今も彼女の中に
生きているのがよくわかる。
そしてステージには、現在、軟禁状態にあるミャンマーの
民主化運動指導者、アウン・サン・スーチーさんの写真。
ジェーン・バーキンは静かに歌う。
「スーチーさんは死に、彼女の絵柄のTシャツが売れる」。
そんな状況は想像したくないけれど、スーチーさんを
取り囲む状況を切々と、しかし力強く語る。
自然な生き方が、日本でも新たな人気を得ているジェーン・バーキンが、
今、人権の大切さを守るという新たな炎に燃えている。
暖かく柔らかな歌声ながら、その深い力を感じ、
勇気をもらうことができた、ある週末の夕べ。