もう二十数年前、ボランティアで虎のぬいぐるみを着たことがありました! 地域の何とかフェスティバルというやつで、熊野川の川原で、ということは、現在のこのブログの表紙の左側の広いところです。
ここで、よくわからないけど、イベントがあって、子どもたちもたくさん参加するし、その子どもたちを喜ばせる役割のぬいぐるみのボランティアをしました。遠い昔です。
初夏、5月か6月、それなりに暑かった。もう一人の仲間とかわりばんこで、汗を拭きふきぬいぐるみを着ました。
そこへうちの子と奥さんがやってきました。もちろん、私がどんなにしてるか、見に来てくれたわけです。たぶん、バスか何かで来てくれたのだと思われます。
ただっ広いだけで、フラットだから、ぬいぐるみを着た人なんかすぐに見つけられたことでしょう。そして、二人はやってきた!
ところが、うちの子は、やはりぬいぐるみは嫌いだったようです。いくつぐらいだったんだろう。小学校にまだ行ってなかったのかなあ。
小さいころから、怪獣は好きだったし、仮面ライダーだって嫌いではなかった。でも、一度近所のスーパーで怪獣ショーがあるというので、行ってみたところ火が付いたみたいに大騒ぎして、逃げ出しましたし、大泣きしました。大泣きどころではなくて、もう必死になって逃げようとしていた。
それは、怪獣や怪人の姿が恐ろしいから、そんなふうに逃げたのだと思っていました。
かわいらしいトラのぬいぐるみで、たぶん、とぼけた顔をしてたと思うんですけど、それでも、うちの子はあの時と同じ拒否の姿勢でした。
なぜだかわからないけれど、「オトーサンだよ! ほら、オトーサン」と精一杯声を掛けましたが、うちの子に拒否されてしまった。そのあと、ぬいぐるみを脱いで、二人のところに行くと、いつもの状態なのです。
着ぐるみを着ているものは、そこに人間が入っていても、声からすると、自分の父親という気もするが、それでもうちの子には拒否するものでした。
あれまあ、不思議なこともあるもんだなあと、感心して、他のことは忘れて、とりあえず時間までボランティアをして、すごすごと家に帰りました。
あの体験、何だったんだろうな。ただの思い出? 何だか不思議な体験でした。あれから、ぬいぐるみ着たことあるかなあ。ないですね。何ものにも変身できないまま、中身も外身もオッチャンマンに変身して、そのオッチャン度は日々強化しています。そこから何か違うものになれたらねえ。
急にキャラ変えられたらいいんですけど、まあ、無理ですね。このオッチャン度は変えられないから、せいぜい人当たりのいいオッチャンになりたいけど、たいていはボンヤリした、何にも気づけないボンクラ野郎です。悲しくなってしまう。