甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

アフガニスタン、シリア、ロシア

2018年02月04日 14時16分01秒 | 戦争と平和

 てっきりシリアを攻撃しているのはトルコ空軍だけかと思っていました。そんなことはありませんでした。なんとあさはかな私……。

 今朝、ネットを見ていると、シリア北西部でロシアの爆撃機が撃墜され、脱出した乗員は、その後の戦闘で戦死したということでした。ロシアは、懲りもせずに、まだシリアにいたのです。いや、ずっと権益を維持するためには居続けるでしょうし、まだまだロシア軍の戦死者も出てしまうのかもしれない。

 シリアでは内戦はまだ続いているようです。何だか敵扱いされていた強烈なキャラのISはいなくなったんだろうか。姿を隠しているだけで、どこかにはいるのかもしれないけど、彼らの話を聞くチャンスがなくなって、まるでシリアが平和になったと勘違いしていた。たくさんの犠牲者が出たけれど、結局再び独裁者が支配を開始したとばかり思っていました。

 独裁者のアサドさんに反対するグループには求心力がなく、外部からの援助もなく、やがてはアサドさんに屈してしまうのかもしれない。アラブの春は独裁者の勝利だなんて、悔しいけれど、それが現実です。

 私がシリアの人間なら、殺し合いはイヤだから、やはりヨーロッパ大陸に難民として冷たい海を渡ったでしょうか。いや、そんな活力はないから、何もできないまま悲しんで閉じこもっていたでしょうか。すぐに流れ弾に当たってやられていたのか。ああ。

 それを思うと、悲しくなります。シリアの人々が最大の被害者だけれど、ロシアの兵士もかわいそうです。そんなところで死にたくはなかったでしょう。別にシリアの人々が憎いわけではなく、ただの命令によって、こんなところに派遣されていた。

 国家って、ムチャなことを国民に強要するものだけれど、それでもやはり辛いです。

 ロシアの前身のソビエト連邦は、今も昔も、同じような失敗をしていました。アフガニスタン侵攻というのをしていた。

 1979年、ソ連のブレジネフ政権が、アフガニスタンの親ソ政権を支援し、イスラーム原理主義ゲリラを抑えるために侵攻したんでした。ブレジネフさんも、40数年前までいたんですね。そりゃ半世紀前ですもんね……。

 反発した西側諸国の多くは1980年のモスクワ・オリンピックをボイコットし、金メダル確実と言われた西側選手たちは国家の決定に涙をのんだ。柔道の山下さんなんて、かわいそうだった。でも、国家の決定には従わなくてはならなかった。

 やがて、10年間の泥沼戦争がつづき、ソ連崩壊の一因ともなったということです。

 何度も何度も、権力者は、自分は失敗した過去の人間とは違うと思いつつ、同じ失敗をしている。ソビエトやロシアの権力者だけがバカなのではなくて、国家権益を優先させるということで、泥沼に足を突っ込み、自分は違うと確信しつつ、振り返れば結局同じ轍を踏む、そういうのはもう人間が国家を作ってから繰り返されてきたことなんでしょう。ロシアだけではない。世界中で繰り返されてきた権力者の失敗です。

1985年に登場したゴルバチョフ政権は、新思考外交に転換し、膠着(こうちゃく)した状況を打開することにつとめ、アフガニスタンの人民民主党カルマル議長を退陣させ、ナジブッラーを新たに政権に据えた。

1986年にはゴルバチョフはウラジオストックで演説して、アフガンからの8000名の兵力撤退を表明した。

1988年に国連の仲介でジュネーブ和平協定の合意を得て完全撤退を決定し、5月から撤退を開始し、翌1989年までに全部隊の撤退を完了させた。


 ゴルバチョフさんは、本当にえらかった。それだけの人が、どうして国民に支持されず、あんな虚勢ばかりのプーチンさんが人気があるのか。それがまた謎だけれど、ふたたびロシアは同じ失敗をしようとしている。

 とはいうものの、支持するアサドさんは健在だし、ロシアの政策は正しいと、国民はある程度そう思っているのかもしれません。

 けれども、アサドさんがどれだけ元気でいるのか、彼の後継者はまたも彼の息子になるのか、それとも軍事クーデターがまた起きるのか、ああ、本当に何度も同じ失敗を繰り返さないと、私たちはわからないのか、いや、ずっと同じ失敗を繰り返しつづけるしかないのかな。

 ソ連のアフガニスタン侵攻とその失敗は、1991年のソ連が崩壊、イスラーム原理主義を台頭させ、9・11同時多発テロにつながることになったといいます。というか、ずっと放置されてた空白空間(世界中から見捨てられてたところが大麻の大生産地となり、今もふたたびタリバンによって大麻生産地化しようとしている)が生まれ、世界へ火種を散らばらせようとしている。

 米国にとっても、援助した武器で武装したイスラーム反ソ勢力が、湾岸戦争後はその武器で反米闘争に突き進んでいったということです。

 ああ、きりがない。

 よその国への介入は続く。国民は、よくわからないままに、政府を支持しているうちに、自国の内部に覇権国家の基地が拡大していく。

 もう米国でも、ロシアでも、中国でも、どこでもいいけど、基地は作らないでほしい。

 そんなのはむなしい夢でしかないな。せいぜい、人間の失敗とやらを見続けましょう。いいタイミングで拒否はしてあげなきゃいけないけど……。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。