甘い生活 since2013

俳句や短歌などを書きます! 詩が書けたらいいんですけど……。

写真や絵などを貼り付けて、二次元の旅をしています。

秋の奈良公園 夕やみ迫る

2014年11月29日 09時23分00秒 | 大和路を歩く
 先日、奈良公園に行きました。もうギリギリの出発時間でした。もっとササーッと家を出ればいいものを、つい庭仕事(?)をして、メダカの水替えと木製コンポストを生き返らせようとしていました。

 それで、昼前の出発になりました。三連休・紅葉シーズンということで、どこもお客さんでいっぱいです。お昼はクルマの中でパンを食べなきゃいけないくらい、時間的にはタイトな外出でした。

 出がけからケチがつきます。家を出て少しのところに狭い道のところがあって、そこへ差し掛かると細心の注意を払って通らねばならないのですが、対向車が来て、五分五分のところでお互いにどっちがいくかということになりました。私が向こうが待ってくれないかなと希望的観測でいたところ、ずんずんと突き進んできました。仕方がないので私が下がったものの、向こうはまだ通れないので、早く道を開けろと指で指図をします。いやだなあと思いつつ、道の脇によせると、対向車はゆうゆうと通り過ぎていきました。合図も何もなしで、当たり前のように。

 これがそれらしき人なら、「全くあんなヤツらは……」と、納得ができたのですが、立派な衣装をきたお坊さんが2人乗っていました。たぶん、お葬式か何かのために鈴鹿のほうからやってきた立派なクルマでした。それで、「何だ坊主のくせに、あんなふんぞりかえって」と怒ってしまいました。

 でも、今考えてみると、お坊さんのかなりの部分の人たちはそういう感じで、ごく少数のお坊さんがつつましく、控えめに、謙譲の精神でやっているわけです。それは私たちの社会と同じです。

 私たちが接するお坊さんは、たいてい私たちに合わせて、小心かつケチくさく、みみっちく、こすっからく、意地悪で、自分のことしか考えない、私たちに合わせたお坊さんなのだと思います。少しだけお金も持っているので、立派なクルマにも乗って、狭い道なら当たり前のように通っていくのです。それを理解していないなんて、私もまだまだ未熟です。未熟なのに、足腰が痛かったり、目がぼんやりしてきたり、老化がどんどん進んでいます。



 というわけで、奈良公園に着きました。駐車場はどこもいっぱいで苦労したけれど、何とか止めることができました。目的地は特にありません。唐招提寺に出るには少し時間がありません。こんな時はやみくもに東大寺の敷地を歩くに限ります。紅葉やら、大仏さんやら、二月堂からの眺望やら、そんなこんなができたらいいんです。







 高畑界隈を抜け、春日大社の参道を横切り、そのまま二月堂をめざしました。神社にはもうお参りしてもいいんですけど、奥さんはもうしばらくは行かないということでした。私はもう大手を振ってお参りしていますが、ここは奥さんの言う通りにしておいて、とにかく二月堂から奈良の町を見渡しましょう!

 ところが、その前に古梅園の若草山販売所を見つけます。前から知ってはいたのですが、書道を始めた奥さんが中くらいの筆が必要ということでした。三条通りに出たら、別のお店があるのは知っていますが、何事も行き当たりばったりの私たちは、中に入ってみました。お店のおばさんに奥さんが何か注文をしました。すると、おばさんはあれこれ出してくれましたが、何だかよくわからない様子です。少し待ってくださいと奥へ入っていきました。

 痩せたおじいさんが出てきて、「これは絵筆で、字を書くのはこちらです」と、いくつかすすめてくれました。このおじいさんのことばは、ものすごく信頼できる感じのことばで、ついつい奥さんは勧められた1本を購入することになりました。しかも、買ってからお客さんなのにすごく舞い上がってしまって、お店を出たら自分がどちらに行くのかもわからなくなるくらいにポーッとしてしまったようでした。







 それから、私たちは二月堂をめぐり、お参りをして、さて次は? というと、もう、日も傾いているので、大仏殿に行き、それから奈良町をめぐって、それで帰ろうということになりました。

……二月堂の北側の休憩所の奥にもみじ!

……大仏殿に向かうところの背の高いいちょうの木がありました。

 二月堂まで上がってきて、東大寺の境内を徘徊する善男善女はしあわせです。どこへ行っても、外国の人がいたり、幸せなカップルが楽しそうにしていたり、子どもたちが大きな境内で手持ちぶさたにしていたり……。鹿さんたちはそういう人々のところへ割と無関心を装いつつ、何となく近づいてくれるのでした。よその鹿さんたちは絶対にそんなことはありません。ヒトを見たらすぐに逃げ出すか、それともクルマに突進してぶつかるかのどっちかです。奈良公園の鹿さんだけが、そこにやってきた人々のしあわせを演出してくれるのでした。ありがたいことです。

 かくして私たち2人は、大仏殿にお参りし、柱の穴をくぐるための長い行列にびっくりしながら、スイスイーとお参りして、少しあっさりしすぎじゃないのかと思うくらい、あっさりと大仏さんにもお参りしてきました。とにかくお祈りすることはしっかりしたし、ただ観光的な要素がなかったというだけで、記念撮影もしないし、お祈りしたい信仰心がありました。観光しなきゃという関東の人たちが多かったのか、みんな懸命に写真とか撮っておられました。私は、これ一枚でした。

 

 さあ、あとはお散歩です。国立博物館の地下でコーヒー飲んで休憩して、興福寺を経由して奈良町をめぐり、帰るばかりです。

 秋の奈良の夕空は、何とも言えず人恋しい。今日はちゃんと奥さんがいてくれるから、ぶつくさつまらないことをつぶやいても、全部つっこみを入れてくれるし、ありがたいものです。









 奈良町をぶらぶらして、古本屋はパスして、雑貨屋さんで奥さんにカバンを買ってあげて、次は靴でも買ってあげようといい気になって(こづかいをもらいたてなので、気が大きかったんですね。すぐお金がなくてピーピー言わなきゃいけなくなるのに……)、そして、すぐ夕暮れになって、帰ってきました。

 帰りはあまりトイレにも行かず、2時間あまりで帰ってこれました。




 



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