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弓道修行日記

このブログに、弓道修行する中で、学んだこと、考えたこと、試行したこと等を書き残し弓道修行の友とする。

一つ的坐射礼の留意点(4人の男性を基準に)ー私が学び、指導を受けて整理した内容ー1

2013-08-20 | 意見発表

一つ的坐射礼の留意点(4人の男性を基準に)ー私が学び、指導を受けて内容ー

弓道の指導を受けたこと、或いは弓道書で学んだこと、それをまとめて完全な弓道をしようとまとめていましたが、私は現在弓道ができない状態にあり、この完成ができない状況にあります。

今、未完成品ですが、ブログに投稿しておけばこのデーターも失われないと考えられるので、投稿して弓道研究者で完成させて欲しいと思います。間違っている箇所やこうすべきだという修正点がありましたらコメントで教えてください。

 

一つ的坐射礼の留意点(4人の男性を基準に)

                                         女性の場合の襷掛けを加えること(今後の課題)

◎3人の場合、本座から射位へ斜めに進み方は、右に向きを変える方法と同じで、射位の一歩手前で左足で踏み、右足をL字に的正面に踏み出し、左足で締める。

◎二人での一つ的坐射礼で、本座にいる射手は、射位に行くために本座で立つ時期は、射 位に立つ射手が弓構え(弦調べを終え、はぼ「取懸け」)(乙矢を取るときと間違えては いけない)の動作に移るとき、立って射位に進む。(158頁)これでは遅いので胴造りで立つこと、⇒問答集

 甲矢の時:乙矢を引き抜いて腰に取ったとき、乙矢の時は右手を腰に取るとき

 

◎持的坐射礼の取懸けの間合いも同じ、胴造りが終わって乙矢を取るときと違う。

 

1.はじめに

  現在、錬士の二次審査では持的坐射礼、教士以上の二次審査では一つ的坐射礼が行われているので、六段を合格した人は次の教士を目指すためにはこの一つ的坐射礼をしっかり研修し修練する必要がある。一つ的坐射礼は本来は持的坐射礼の小冊子等が先に有りこれがしっかり出来た人を対象にするものであり、ほとんど同じことで持的坐射礼が出来る人にとっては細かく記述する必要はなく、さほど難しいものではないと思われるが、この一つ的坐射礼の小冊子は持的坐射礼の小冊子がまだできあがらない中で書き始めたので、細かく書くことになった。ともかく六段を合格した人の研修・修練に役立つものを作成したい。

 この一つ的坐射礼は弓道のほとんどの要素を含んでいるので、この修練を積むことは、故宇野要三郎範士が言われていた、①礼に即した体配の研修、②射法射技の修練、③射品・射格の向上、④人間の完成、と言う弓道の修練の眼目に叶うものであり、一次審査、面接試験、論文作成等にも大いに役立つものである。

 

 この一つ的坐射礼の小冊子は完全を期したいが、不明な点が多い中では最初から完全を期すことは困難であるので、ともかくも勉強した範囲で書いて一応最後までたどり着き、その上でご指導ご批判を得て追加訂正しより良い物にして行きたいと考えている。

   この小冊子をまとめるにあたって一体我々が取り組んでいる弓道とは何であるのか、定義しておくことが意義あると考えた。この定義はは弓道の修行する上で大切なことであろうと思われる。本来この定義が先にあるべきであると考えるが当然のことと思われているためか定義がない。昔の弓術が弓道と変わった理由は何か、内容が変わったのか単なる呼び方が変わったのかのかもはっきりさせるべきである。ここに独断であるが敢えて弓道の定義を試みてみることにした。

「弓道とは、和弓と矢を持って道場に入場し、矢を放ち退場するまでの一連の所作を弓道教本や小冊子、諸規定(統一見解集、弓礼・弓法問答集、雑誌”弓道”等の指導事項)、ならびに指導書等に従い励行し、心・技・体の向上により、弓道の真・善・美の追求、射品・射格の高揚、芸術性の追求を行い、錬心錬磨、精進を重ねることにより、人間性の向上を計ることを、人生の楽しみとするとともに、人としての生きる力を養い、社会に有用な人間の育成を目指す武道である。」と定義してみた。

  弓道は矢を如何に的に中てるかということでなく、弓と矢を使って決められた所作と射法により弓を引き、調和の美、芸術性を追求するものである。弓道の上手下手はこの点から判断される。動きを美しく芸術的にすることが大切である。そして究極は「生きる力」を養い、強く楽しく生きることが第一である。

 

3.一つ的坐射礼の在り方

 弓道教本第一巻に、多人数の演武について、「多人数が一体となり、間合い、息合い、気合い等に注意し、調和の美と力を発揮しなければならない」とあるように、演武者は一心同体となって、調和の美を追求し、礼射であるので常に礼の心を持って動作と行射をし、真の射をする気持ちを持ち、正しく優雅で気品があり円滑な動作と行射に心がけ、気合い気迫と清燈な心によって善射善中を図り、芸術的に高いものの表現がなければばらない。 演武者が一心同体となると言うことは一人の失敗は全体の失敗とみなされるということであるので自己の失敗をなくすと共に全体の調和に留意し射手が正しく演武出来るように配慮することが大切である。

 要はどうしたら最高の一つ的坐射礼になるかということを考え実行することである。

それには「真の弓道の追求」「自然の美」「調和の美」「礼の心」「気迫」「真の弓道」「善射善中」等々の表現がなされるべきである。

  弓道の所作や行射の方法については決まりや指導がある。明文化されているものもあるが口伝されているものがかなりある。例えば、定座の礼で右手の位置について膝から出てはいけないと注意されたが、教本p149の写真では前に出ているように見える。しかし、介添えの小冊子ではほとんど出ていないし、体配のビデオでも膝と同じであるが、p147深い礼での手の位置はばらばらであるように見える。(p81の基準の礼では手の第二間接まで出ているがこれが拳になると拳はでなくなるのか)このように右手の位置一つ取っても何処が正しいかはっきりしない、そのようなところが沢山あるよいに思える。例えば介添えの礼で両手の開き方であるが、これもどれくらいかが明確でない(p149介添えの開きは一致していない)、両者が一致しなければならないとか、10-15センチだとか、申し合わせで決めるとか、上腕は太股を摺るようにとか、事細かに指導されるが、明文化されていない。

そこはどうでも良いのか決まりがあるのかもはっきりしない。

  弓道教本は一つの基本基準を示されたので、それほど細かく規定されていないが、実際に演武することになった場合、所作の細かい部分についてどうなのかという疑問が出てくる。

規格化が進み事細かな所作を追求するようになり、より細かい指導に方向に進む傾向にあり、如何にその指導を受けるかに関わって来る状況にある。どうしても厳しい方、細かい方に向かって行く傾向にある。しかし、規定はない、要所要所の定めや指導事項はあるが、事細かに文章化出来ないのが現状である。しかし、演武する方は一つ一つ意識して動作をしなければならないが、はっきりしない部分が多いのである。

 多数演武の場合シンクロナイズすることが大切であるがこの場合動作を細かく規定しておかないと同調することは難しい。例えば肌脱ぎして的正面に向きを変えた後、膝を生かすのかこの場合は動作中なので膝は生かさないのかという二つの考え方ができる。膝を生かすとする場合、これは跪坐の原則であると考えれば生かすべきといえる。膝を生かす場合は、開き足後、①膝を拳一つ開いて、②膝を生かし、③膝を下ろして、④膝を閉じる、と言う動作をして、立つ動作に入ることになる。

 その中で、何が正しいのかどうすべきかは、見よう見まねで行って指導者について指導を受けて誤っている所の指摘を受けて訂正して行くことになる。(指導者によって異なる場合もある、細かく言われる場合と大ざっぱに言われる場合がある)

  例えば肌脱ぎ、肌入れで的正面に向きを変える場合、女性が目通りに上げて向きを変えるので、弓の高さは「男性もすぐに女性と同じ高さ(低くなっている)にして左腰にとる」と指導される。このことは教本に書いてないし、たまたま女性がいたので指摘されたが男性ばかりの時そのような指導が行われるかは疑問である。つまり、一つ的坐射礼の所作についてはおおざっぱには教本に書かれているが、詳細についてはわからないと言うことが言える。従ってこれをマスターするためにはいろんな先生に接し指導を受けて身につけなければならないことになる。

 これは職人が弟子入りして技を身につける過程と変わりがない。

 科学的弓道を目指すなら、所作の一つ一つを明文化しプログラム化することである。このプログラム化で誰でも何時でも正確に所作が出来ると言うことになる。

 そこで、正しく書き留める方法として、矢渡し等の模範演武を事細かに書き留めロボットを動かすプログラムを作成するつもりで書いて、それで再現する方式、所作や行射のプログラム化とその展開が必要である。これをするかしないかで息合い間合いが異なることになる。

 

 

4.演武者の確認

  演武者同志は坐して「宜しくお願いします」の礼をしお互いの無事の演武を祈念する。人数、順番を確認するとともに協調態勢を取る。入場は落ちから入場し大前(1番)は最後に入場する。

 

5.着装の点検

 着装は紋付きの和服により正装し、肌着が袖からはみ出たり、帯が袴から大きくはみ出したり、背中の縫い目がずれたりしてはいけない。演武者相互に点検をし個人的にも全体としても気品があり美しく優雅であるようにする。

 

6.弓具の点検

 (1)弓に矢を番え、中仕掛けの大きさの点検をし、併せて自分の弓、自分の矢の確認をする。

 (2)弓の点検(弦と関板の開き具合、弓把の高さ、弦のけば立ち、上矛の余分な弦)

 (3)矢の点検(破損の有無、筈欠けの有無、矢尺の適正さ等) 

  (4)弓、矢一手、弽、弦巻を一ヶ所に揃え、万全の態勢を敷く。

 

7.位取り等について申し合わせ

 道場毎に広さや間取りが異なり演武者の人数も変わるので、調和の美を発揮するために は位取り等の申し合わせが必要である。審査ではこのための時間的配慮が成されている。

 申し合わせのリーダーは1番とする。(明文化されているかどうかは不明ですが)

(1)定座について

   (あ)定座の決め方

     入場して、足の運びを合わせ、定座で出来るだけ全員同時に脇正面に向きを変え、  射手の間隔は同じで位取りが道場の広さとも調和しているのが理想である。

  このためには、4番(落ちが先頭)が入場して4番の定座に着くのに原則がある。

  道場の広さに、人数によるが、最後に入場する1番の定座の位置をどうするかを決める。

  最後に入場する1番が、入場し揖をした後の1歩目の所を1番の定座とした場合、4番は  13足目のところが定座となる。これが原則である。1番の1歩目が定座になるようなことは5人による持的坐射礼で道場が狭い場合は無いこともないが、どんなに狭くても歩幅を小さくして1番は3足目以上の所に定めた方が良い。1番が1足目で脇正面に向きを変えるのはちょっと忙しすぎるからである。一つ的坐射礼は多くて4人なので、1番は定座までの足数を5足は取れるはずである。1番の定座を5足目とした場合4番の定座は、5足+4足×3人=17足目が定座となる。

    4番(落ち)①②③④⑤:⑥⑦⑧⑨:⑩⑪⑫⑬:⑭⑮⑯⑰

                   左右左右左  右左右左 右左右左 右左右左     1番の定座を7足

                   吸吸吐吐吸 吸吐吐吸 吸吐吐吸 吸吐吐吸      目とすると、4

                         1         2       3         4      番の定座は19

                 番         番        番         番     足目となる。

                         の         の        の         の                                   

                      定座      定座    定 座     定 座

      道場が広い場合は1番は7足とか、9足とかに2足ずつ増やして調整する事になる。全員の足並みを揃える場合は歩数より実際に動かす足数で申し合わせた方が徹底しやすい。

      4番が進みすぎると全体が的側に寄ることになりかねないので、全体の位置、射手間隔、等を勘案して調和良くなるようにきめことが大切である。

  位取りの手順案としては

   ①先ず全員が定座にならんで道場の広さに調和良く配置し、そこを各人の定座として決める。

   ②後ろの射手は前の射手との距離の目安をつける。執弓の姿勢で弓の末弭まではおよそ130センチであるのでこれを目安に考える。また先頭者に4足で歩いてもらい、その歩幅を合わせる。この二つの方法により射手間隔、全体の位置、足並み、同時性等を図ることができる。

 (い)決めた歩幅を守る。

     4番が進むことによって以後の射手の定座が決められるので、全射手は4番の歩幅に合わせ揖の後の歩行をする必要がある。

      二人で演武する場合は先頭は大きい歩幅、1番はやや小さくして調和を取った方がが良い場合もある。道場の広さとの調和を取ることを優先する。

 (う)射手間隔を合わせる

   4番の歩幅に合わせて進むと射手の間隔は同じになり調和が取れる。射手の間隔は末弭と前射手の袴の関係で間隔を合わせることもできる。例えば持的坐射礼の5人立ちの演武で道場が狭い場合は末弭が前の射手の袴の右に10センチ位入れるというようにして間隔を合わせる。

      (参考:末弭は入場して定座に向かうときは右に、定座から本座に向かう時は左に、    控座から定座に向かうときは右に、定座から退場する時は左に、常に曲がる方向    に置き方向変換の邪魔にならないようにする。4人の場合の射手間隔は末弭が前    の射手の袴、3人の場合は末弭と袴は30センチ位は一応の基準)

 (え)先頭者は人数、道場の広さを勘案して、礼の後の足数、射手間隔、を決め、道場   の広さとも調和するように計る。

  (お)定座で脇正面に向きを変える場合右足の踏み出す歩幅をどうするかを申し合わせ   し、定座で横一線に並ぶようにする。

 

(注)ここに書いたように足数をそろえることを言うと先生から注意を受けることもありますので留意して下さい。“そんなことを気にしてはいけない、気迫を湛えて進むべきだと。”と、もしそうすると先頭は先に定めの座について1番が入場する前に先に向きを変えることになる。1番は遅れるのが当然だと言うこともできるが、全員揃って右向け右となった方が“息合い間合いが取れて”見た目がきれいであるはずです。先生方の持ち的座射礼等の模範演武では入場で1番は遅れている場合が多いのはこの足数を考慮していないからと思量しています。従って申し合わせする場合足数については合わせることに異議を唱える人もいますので、その時は兎に角合わせることに留意する事です。しかし、一つ的坐射礼は本座から射位までは5歩(教本では歩数は距離を表し足数とは区分している。しかし揃えるためには足数で合わせている)と決まっているので、足数で合わせることがいけないとは言えない筈ですが、まあ、そう言うところはいろいろあるのです。同意が得られない場合は諦めて、合わせるだけです。例えば控えの線(定めの座から的前に進むときの控えの位置をこう言うことにする)から本座に何歩(実際は足数で申し合わせしないと一致しない)と申し合わせをすることが肝要とされていますし、戻る場合も何足と合わせることが肝心ですが、入場の際の本座に着く時はダメだというのはおかしいと思います。(練習ではこっそり足数で申し合わせしています。)先生によっては控えの座までも足数を調べておくように指導される方もいます。その方が間違いないように思います。

 

 (2)上座について

     神棚がある場合は神棚、神棚が無い場合は国旗、国旗が無い場合は審査委員長が上   座になる。これは申し合わせして決めるものではないがお互いに間違わないように   確認をし入退場時の目線とする。

 (3)控えの線について

     定座から本座に向かう場合控えの座を通るが、この控えの座のどこを通り(これを  控えの線ということにする)、本座へ何足で進むかを決める。これは1番が決めるこ  とになる。この控えの線は射終わって定座の戻ってくる場合に正しくこの線に戻るこ  とが大切である。「控えの線は一つ」と言う原則である。

(4)控えの座について

  1番は的を正面にとった控えの線で向きを的正面に向きを変える。(この位置を1番  の控えの座と言うことにする)2番以降は控えの線に等間隔で立つこれがその射手の  控えの座である。位取りで全員で控えの座まで進んで各自控えの線と控えの座を確認  する。この射手の間隔は的を付ける位置にもよるが中心の3番的のままであると、3  ー5番の的の間(的間隔180センチとして360センチ)に4人立たなければなら  なくなるので控えの座での射手間隔は120センチになり、控えの座に向かうときは  末弭が前の射手の袴の左に10センチ入る位の間隔に詰める必要がある。(3人の場  合は的間隔のまま、二人の場合は270センチ位(4番的と5番的の真ん中に2番が  位置する)が良い)

  この控えの線は射終わって定座に帰るときもう一度正しく戻ってこなければならない  位置なので全員しっかり確認をしておくことが大切である。

    (参考:本座で2度、射位で1度開き足をするが開き足をする都度約15センチほ   ど脇正面の方向に進むので、控えの座で的の中心に立ちそのまま進んで本座で坐り、  肌脱ぎのために開き足をすると両膝は的の中心から約15センチ程前に位置し、さら  に的正面に開き足をすると両足の中心が的の前枠10センチ程前に立つことになる。   そのまま射位に真っ直ぐ進み坐りそこから更に開き足をすると的の前枠約25セン  チ位前の所に立つことになる。足踏みで40センチ程下げるには無理があるので、控  えの座から本座に進む場合的枠の後ろを目指して進み、本座から射位に進む場合も的  の後ろ枠目指して進むと開き足しても的の中心線上に足踏みが正しく出来る。

  甲矢を射終わって足を閉じる場合、後ろに足を引いて跪坐するがこれはそのまま坐り  立つとすねの長さ分前に進むことになるのでその分予め下がっておくのである。これ  も的の中心線に足踏みする工夫と言うことである。これと同様の工夫である)

 (5)控えの座から本座へ、本座から控えの座への足数について

            一つ的坐射礼の本座をどこにするか、本座まで何歩何足締めで進むかを申し合わせ  る。これは道場の広さを考慮して決める必要があるが、基本的には一つ的坐射礼は本  座から射位の1歩手前まで5歩(6足で締める)であるので、一時審査の本座が射位  の1歩手前まで3歩であるのでその本座から2歩手前の位置にすると5歩になるとい  える。

    本座に進む場合は控えの座から本座の1歩前まで進み跪坐した場合両膝頭が本座の線  に揃うようにしなかればならないので、控えの線から本座までの歩数から1歩引いた  歩数が本座への歩数となる。こう言う関係を知らずに本座まで進む人がいると足並み  が揃わないし横一線に並ぶことが出来ず、調和が欠けることになる。調和が欠けた場  合全員責任と言われている。自分だけは正しかったでは済まないのです。

    なお、歩幅は本座から射位まで200センチ、これを4歩(実際に進む歩数は3歩で  あるが跪坐して膝が射位に揃わせるものとしてすねの長さを1歩として加える)に分  けると1歩50センチとなるのでこの50センチを基本の歩幅と考えるべきである。

    (と言うことは一つ的坐射礼の本座から射位までは300センチにすればよいことに   なる)

 

  ただし、進む場合の第1歩はやや広く踏み出すし、開き足をすることによって膝の幅  分前に進むことになるので若干の歩幅の調整が必要になる。

  申し合わせは「3歩4足締め」というように申し合わせると間違いが少なくなる。

  戻る場合は本座の線から控えの線まで戻るので進んだ歩数より1歩多く戻らねば元の  控えの線には戻れない。この戻りの歩数足数も申し合わせる。(3歩4足締めで進ん  だ場合は戻りは4歩5足締めが原則、後退は歩幅が小さくなりがちなので1歩50セ  ンチを守ることが大切で、正しく控えの線に戻ように留意する。この控えの線に戻る  場合も足並み、歩幅が全員一致して揃わねばならない。

(6)本座から射位へ、射位から本座への足数について                        

                            (ここから→→→再チエックのこと)

             

    本座から射位の1歩手前まで進む場合は5歩6足締めと決まっている。射位から本座  への後退は二足開きの射手の場合は射位から後退することになるので(進んできたと  きは射位の1歩手前までであった)後退は1歩多くなる。更に本座の1歩手前に後退  し跪坐した場合の膝頭が本座の線になければならないので更に1歩加え7歩8足締め  で戻る必要がある。「本座は一つ」これは厳守しないといけない。これができないと  射手の動く範囲がだんだん小さくなることになり、正しさに欠けることになる。一足  開きの射手は射位の1歩手前にある右足に揃え進んできた位置と同じ位置に立つので  二足開きの射手より1歩少なくなる。

  後退の第1歩の歩幅は小さくなるし後退の歩幅は小さくなりがちなので1歩50セン  チを基準に「本座は一つ」の原則で元の本座の位置に正しく戻ることに心がける。

 (7)審査が始まる前に位取りの時間が与えられるので、道場に実際に入場して歩行し   て申し合わせる。この場合、弽をつけたり弓矢を持って入場してはいけない。

 

7.執弓の姿勢の点検

 (1)弓の方向は立った時、跪坐した時、正座した時で傾斜が変わるので、矢も弓に合  わせて傾斜を変える事が大切である。特に揖や礼をする場合弓の傾斜は変わらないの  で矢も動いてはいけない。

  (2)弓の弦は下を向いてはいけない。弓を直角に握り弦は水平を向くようにする。

 (3)その他着装を含め点検し完全を図る。

  (4)円相を取り、気合いを全身にこめる。

  (5)目先は常に4メートル先に、目は半眼に。

 (6)矢は甲矢を下に乙矢を上に握り、共に走り羽が上になるようにして握る。矢が羽    根の所で分かれないように揃える。

  (7)弓の末弭の位置は体の中央床上10センチの所、弓の後ろの部分(乙腰節あたり)   が左前腕に接する。矢も矢先が弓の末弭に向けなければならないので、矢の縦の傾   きと横の傾きが弓と同じでなければならないが、矢は先が出なかったり、出ても1   0センチからいなので弓との傾きと合わせにくい。そこで矢の後ろの部分を弓の後   ろの部分に合わせ右前腕に接するようにすると合せやすい。特に弓倒し時に矢の後   ろが体寄りなりがちなので留意する。

  (8)両手は腰の前に同じ高さに保つ。

 (9)矢の根を隠し持つ場合は矢が二つに分かれがちなので深く握って防ごうとすると、   矢の根が見え勝ちになる。矢の根は見えてはいけないので、矢の先端を親指と人差   指で軽く押さえると矢の根は見えず矢が二つに分かれることもなくなる。 

 (10)背筋を張ると上体が反り気味になる。肩の力を抜いてやや前に出しゆったりと   構える。肩に力が入って堅くならない。

 

8.心の安定

   これからいよいよ入場すると言うことになると心臓がどきどきし、口の中がからから になりがちである。

  心を安定させるために、深く大きく丹田式呼吸を行い呼吸と丹田に集中する。自己の内 面ことを考え、他に心を移さず心を澄ませる。自分の日頃の射をすることだけに集中す る。

   中てようと考えないで大きく美しく伸び伸びと引き、会では自己の内面、足、腰、肩、 胸、肩、手、丹田、の詰めと伸び張りに集中することのみ考える。「そうすれば大丈夫 だ」と強く自分に言い聞かせ安心と自信を持つ。

 稽古場での練習のつもりで臨むのも一つの方法である。

9.演武の開始前

 全射手入場順に円を組み正座して、お互いの成功を願って「お願いします」の挨拶をす る。

10.入場(1番の定座は5足目とする)

 (1)落ち(4番)から入場し、入場は①で吸う息で左足を正面に真っ直ぐ出し、②吐  く息で右足を上座に向け踏み出し、③吸う息で左足を右足に揃え、背筋を伸ばして上  座に意を注ぎ、④で息を吐く、⑤の吸う息で礼(背筋を伸ばし、腰から折り、45度  位の礼)をし、⑥屈したまま息を吐き、⑦息を吸いつつ体を起こす、⑧執弓の姿勢を  取って息を吐く、の三息の礼をする。⑨吸う息で左足を定座に踏み出す。

 (2)3番以降は前に射手の定座への踏み出しに合わせて、①吸う息で左足を正面に真  っ直ぐ出し、② 吐く息で右足を上座に向け踏み出し、③吸う息で上座に意を注ぎな  がら、左足を右足に揃えつつ揖(上体の屈し方は約10センチ)をする、④息を吐き  つつ体を起こしで執弓の姿勢を取る。4拍子二息の揖をし⑤吸う息で左足を定座に踏  み出す。以降の射手は4番の足の動きに合わせて全員揃えて百足競争みたいに歩行す  る。

  (3)申し合わせの歩幅で定座に進み射手間隔を合わせる。(弓の末弭と前の射手との  間隔でチエックする)。定座の歩行の息合いは吸って2歩吐いて2歩である。

    歩行は背筋を伸ばし、目線は鼻頭を通して4メートル先、縦線を生かして、爪先を上  げない、踵を上げない、膝を曲げない、土踏まずですり足で歩く等基本体基本の動作  を守る。

  (4)4番は17足目の吸う息で左足を踏み据え(動作をゆっくりとし方向変換に入る  気持ちを後ろの射手に示す。以後1番まで示し全員極力同時に方向変換に入れられる  ようにする)腰を脇正面に向けつつ吸う息で右足を小足にL字形に踏み方向転換し吐  く息で左足を寄せる。3番以降は3番は13足目、2番は9足目、1番は5足目(1  番の定座を5足目とした場合)で同時に左足を踏み4番と同様に方向変換する。

    入場から方向変換までは4番が先導者であり、3番以降は先導者より早く動作をし   てはいけないし、前の射手より早く動作をしてもいけない。(順次厳守の原則)

 (5)方向変換がすんだら先導者は1番に変わり、1番の先導で執弓の姿勢を取り、   吸う息で 右足を半足引き息を吐く、吸う息で上体が崩れないように腰が曲がらな   いように胴造りを保ちつつ両膝を曲げ腰を落とし、後方に引いた右膝を床に着けつ

  つ腰を送って右膝を左膝に合わせ、足先を片方ずつ伸ばし、両足の親指を重ね膝は   拳一つ開いて、静かに尻を両踵の上に紙一枚空ける気持で置  き正座し息を吐く。

 注:①先導者は後の射手がついてこれるように配慮して、やや息合いを保って、次の行動に移ること。

   ②2番以降の射手は息合いで合わせ極力前の射手と同時に行動出来るように気を張る。

   ③立礼、揖、歩き方、回り方、立った姿勢、坐り方、正座、坐礼等は基本の姿勢、 基本の動作で行うこと

      ④礼や揖で上体が屈するにつれて弓や矢が動くことが無いように、特に矢は動きや    すいので留意する。(弓矢連動の原則)

 

   動作は全員が一心同体であることが原則なので、全員同時に動作をすることが望ま   しいが他の射手は先導者の1番より先に動作をしてはいけない、前の射手より先に   動作をしてはいけないと言う「順次厳守の原則」があるので、1番に従って2番、   2番に従って3番、3番に従って4番と順次動作を始めることになる。それはドミ   ノ倒しや波の動きに似て行われるべきであるが、極力前の射手に遅れないように    滑らかな波長の短い波になるように心がけなければいけない。

   この波の動きは同時に動作すべき総ての動作、即ち立ったり、跪坐したり、揖をし   たり、開き足をしたり、弓を立てたり、矢を番えたり、進んだり、後退したり等の   動作の総てに適用され、けっして前の射手より先に動作をしてはいけないのである。

 

     坐る場合弓の末弭は腰を10センチ落としたとき床に着き、腰を落とすにつれ傾き   が小さくなるので矢の傾きも弓に連動させて横から見た場合弓と同じ方向にする。

 

  注:一つ的坐射礼(持的坐射礼は特に)はシンクロナイズド弓道と考えられる。如何に   全射手が同調しシンクロしているかが大切で、訓練したメンバーであれば同時性、   調和性が追求出来るが、当日組まれたメンバーでは極力同時性を追求するように心   がけることが大切である。日頃の練習もいつでもどこでも同時化ができるように修   練すべきである。お互いの修練の結果が見事なシンクロナイズド弓道になり合格の

      栄冠が得られるのである。申し合わせをしたり、息合いを使ったりするのはこのシ   ンクロ化の目的のためである。

 

11.定座での礼

 (1)吸う息で背筋を伸ばし、上座(最上位者、目線の高さは審判席あたり)に意を注   ぎ「これから射礼を奉仕いたします」という気持ちを込めて視線に乗せて気持ちを   送る。下腹を腿につけるように上体を45度屈する。

   屈体するにつれて右手は床につけ指建礼となり、屈体とともに腿に沿って前方に運   び膝頭の前あたりに置く。拳半分出る位。

  (2)屈したまま息を吐き

 (3)息を吸いつつ体を起こしつつ右手は屈体の道筋どおりに元に戻し、執弓の姿勢を   とり吐く。目先は2メートル先に置く。

 

12.定座で立つ

 (1)吸う息で、膝を寄せ腰を伸ばし、一方の足の爪先を立て、次に他方の足の爪先を   立てて息を吐く

 (2)吸う息で左足を踏み出し(踏み出した左足の踵は着けない)、爪先を軸として胴   造りを崩さないように、重心を爪先にのせつつ立ち上がり、上に伸びつつ右足を寄   せて、息を吐く

   注:立った後右足を寄せるのではなく、腰が浮いたら寄り始める。

       弓の末弭は立ち上がる最後の10センチで床から離れる。弓の傾きが変わるにつ   れて矢も傾きを変える。

 

13.定座から控えの座に向かう

  (1)1番の先導で、吸う息で、右に腰を向け①右足を踏み出す。弓の末弭は前の射手   の左側(曲がる方向)に位置させる。

 (2)吸う息で吸う息で2歩吐く息で2歩の息合い)左足を出し歩行する。歩幅は入   場時と同じ。

  (3)1番は控えの線に来たら(入場時礼と揖をした位置、右左右左と進み次の右足の   5歩目(1番の定座を揖の後5歩目とした場合)、右足を踏み、腰を左に向け、左   足を的習面に向けてL字に踏み出す。

  (4)以後吸う吸う吐く吐くの息合いで控えの座に向かう。

 (5)2番以降は1番に合わせ歩行し、控の線へは元禄に回る。

 (6)方向を変えたら1番は通常の歩幅で控えの座に向かう。以後の射手は末弭と前の射手の関係で歩幅を調節しつつ自己の控えの座に至る。

 (7)1番は控えの座に着いたら、左に曲がる気持ちを後ろの射手に伝える。(間を取る)

 

14.控えの座から本座へ向かう

  (1)1番は控えの座の到着すると右足を踏み、腰を左に向け、左足を的正面に向けてL字に踏み出す。息合いは吸う吸う吐く吐くの息合いで。

  (2)2番以降は前の射手に合わせて極力同時に的正面に向きを変える。

  (3)1番は的の後ろに向かって、申し合わせた歩数(例:3歩4足締め等)歩幅(50センチ)で進み本座の1歩手前に足を踏み他方の足を締め揃える。

 (4)執弓の姿勢で残心をとる。

 

  注:①控えの座は1番はあらかじめ定座から向きを変えた所からの歩数を図っておく、全体の位置関係を確認しておく、等で間違いなく正しく定座につかなければならない。

      ②1番はリーダーとして先導者の責任をはたさなければならない。動作は息合い十    分にややゆとりを持ってする。前の射手が早いとついて行けない場合があるが、    やや遅い分には合わせやすい。

      ③先導者が大きい歩幅で歩くと後ろがついてこれない場合もあり足並みが乱れる。

       横一列に並ぶことが調和の美である。

      ④締め足は呼吸に合わせゆっくりと行う。

 

15.本座で跪坐する。・・・・次稿に

 


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