Yさんの閑日好日雑記

徒然に、気まぐれに何かが見つかれば

京都から奈良へ(3)

2014年11月01日 | 日記
10月28日
いよいよ奈良国立博物館に行って、第66回正倉院展を見学する。
ホテルから送迎バスで近鉄奈良駅へ向かう途中で運転手が『入場まで結構
並んでいますよ、1時間ぐらいは覚悟した方が』などといやな話を聞いた。

駅からは、歩いて会場まで向かったが確かに平日であるが結構並んでいる。
しかし、待ち時間20分前後で入場出来たので不満を云うほどではない。
今年の正倉院展は、59件の宝物が出陳されている。また天皇皇后両陛下の
傘寿を慶賀する、華やかな品が揃っているのが特色とある。

その中で《鳥毛立女屏風・とりげりつじょのびょうぶ》の6扇の内、4扇を
出陳しているが、正倉院の宝物と云えばこの屏風のイメージが強い。
なぜ鳥毛立女と云われるかが、ボランティアの説明で理解できた。
当初は、鳥毛貼成の方法で仕上げられていた。これが国家珍宝帳に『鳥毛立女
屏風』と記載されていたが、現在は鳥毛がほとんど剥脱しているそうだ。

この《鳥毛立女屏風》は、過去5回出陳されている。最初が1948年(昭和23年)、
2回目は1956年(昭和31年)でこの時は屏風の6扇すべてが展示された。
66年(昭和41年)、88年(昭和63年)、99年(平成11年)、そして今回。
写真は、過去5回《鳥毛立女屏風》が出陳された時のポスターである。
過去5回の出陳は、本物であったと思うが、今回は協力会社に現役時代に勤めて
いたC社の名前があったので、多分本物ではなくデジタル撮影してプリントした
高度な複製品であろう。

折角だから、姉と東大寺の隣にある正倉院の建物まで足を延ばす。
約3年3ケ月を掛けて屋根の葺き替えなどをするため公開されていなかった。
それが、正倉院展と合わせたように今月の25日から再公開された。
現在は、正倉院は外構だけで宝物は手前にある鉄筋造りの2棟の別館に火災・空調
管理なども配慮し納められている。建物は、高床の大規模な校倉造の倉庫であり
天平時代の美術工芸品を所蔵していた施設として世界遺産に登録されている。