黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

砂の器

2011年10月04日 | 本のページ
原作・松本清張
評価・☆☆☆

有名な作品なのだが、実は小説の方を読むのは初めてである。「砂の器」という作品に最初に出会ったのは、映画版だった。大変に重いテーマだった事を覚えている。今回、読んでみて思ったのは、「料理の仕方が上手かったのだな」という事である。映画と原作とでは違う点がかなりある。このまま映像化しても、あのような評価は得られないと思う。
原作はいわゆる普通の推理小説として進む。視点は警視庁の中年の署員、今西巡査長である。遅々として進まぬ捜査の中から地道に証拠を積み上げていく。
原作に砂の器そのもの、あるいは砂の器という言葉は共に一切出てこない。おそらく、犯人が逮捕された瞬間が砂の器がもろくも崩れ去った時だったのだろう。



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