黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

デッドプール

2016年06月09日 | 映画のページ
監督:ティム・ミラー

出演:ライアン・レイノルズ
   モリーナ・バッカリン
   エド・スクライン

評価:☆☆☆

あらすじ:ニューヨークで赤いコスチュームに身を包んだ男が、言葉巧みにタクシー代を踏み倒すと、「お仕事」と言いながらハイウエーへと降り立つと、驚異的な戦闘能力と再生能力を武器に悪党どもを派手になぎ倒す。が、そのひどさはX-MENのコロッサスからたしなめられるほど。しかし彼は意に介さず自分の思うままに相手を痛めつけながら、フランシスという男を探す。彼の名はデッドプール。

感想:クソ無責任ヒーローといううたい文句でしたが、予想以上に面白かったです。おバカで下品なベールをまとった良質な娯楽作品。もちろんちゃんと作りこまれた映画です。とにかくいいアクションを見せてくれます。しゃべりまくって暴れまくる。しかしこれが是と感じてしまうから映画って不思議。「イカれてる」とか「クソ」とかお世辞にも褒められた言葉使いではないけれど、しょせん映画は娯楽のための物。上品ぶるのは野暮というものだ。ストレスの溜まっている人にはおすすめの映画、ただし流血に弱い人を除く。


スターウォーズ フォースの覚醒

2015年12月22日 | 映画のページ
監督:J・J・エイブラムス

出演:マーク・ハミル
   ハリソン・フォード
   キャリー・フィッシャー

あらすじ:エンドアの戦いによりダース・ベイダーと皇帝が死んでから30年後の宇宙は、再び暗黒に覆われようとしていた。その銀河帝国の残党ファースト・オーダーから盗み出された重要な地図データーをレジスタンスのポーにたくされたドロイドのBB-8が孤独な少女レイに出会った事から、少女の運命は大きく変わる事になる・・・

評価 ☆☆☆☆

感想:ジョージ・ルーカスが9部作構想を断念し、6部作で打ち切りの発表をしてから今年初めの製作発表がされるまで、もうこれを映画で見る事は出来ないと思っていた。待ち望んでいたからこその不安もあったが、昨日早速劇場に足を運んで、その心配は杞憂であったことを悟った。「Long long time ago・・・」で始まるオープニングから次作へとつなぐエンディングまで、懐かしくも新しい場面の連続で、旧作(といっていいのかな?)ファンにとってはうれしい限りであった。ルーカスはクリエイティブ顧問に名を残すのみで直接の指揮ではなかったが、遜色は全くなかった。J・J・エイブラムス監督は相当のマニアに違いない。
まだまだ公開されてから日も経たない新作の感想、ネタバレ無しに感想を書くのはとても難しいが、本作はただ懐かしいだけでなく、新たな興味を生む。序盤に感じた様々な謎が後半次々とつながり、新たな対決の予感をもたらす。彼がああなるのは仕方ないか・・・。あの彼は何故ああなったのか、あの彼はこれからどうするのか、そしてレイの今後の活躍は?興味は尽きない。
本作は旧作のパワーを生かしながら新たにつむがれた話の序盤の一本目。この長いサーガの結末がどうなるのか、ぜひちゃんとこの目でしっかり見届けたい。

長ぐつをはいたネコ

2012年03月28日 | 映画のページ
Puss in Boots

評価・☆☆★★★

監督:クリス・ミラー

声:竹中直人・勝俣州和・本田貴子

あらすじ・長ぐつをはいたネコことプスは、その見かけとは違ってフェンシングの腕もたつ懸賞金付きのお尋ね者。その彼の前に幼馴染のハンプティ・ダンプティが現れる…

感想・我々の年代になると、長靴をはいた猫といえばペロと相場が決まっているのだが、今回のネコはどんな活躍を見せてくれるのか。
それにしても、CGアニメも発達したものである。特に人間のリアルさが数年前とは際立っている。猫の描写も然り。猫好きにはたまらない映画だろう。
アニメ内がやたらスペイン風なのは、英語版のプス担当がアントニオ・バンデラスだからだろう。私は怪優竹中直人の声優ぶりを再び見たくて日本語吹き替え版を見たのだが、竹中さんはもちろんのことハンプティ役の勝っちゃんの声優ぶりも違和感なし。元々がシュレックのスピンオフ映画ということで、シュレックと同じくおとぎ話の要素が満点。メス猫キティのお話の元もどこかの国のおとぎ話の中にあるのだろうか。
長ぐつをはいたネコの大冒険、といいたい所だが小冒険止まりの印象がぬぐえない。尺も短めだしもう一つくらいエピソードが欲しかった所。
さしものドリームワークスも60年代の東映には及ばなかった。


本宅はこちらになります。掲示板もこちらにあります。→黒猫亭日乗

ヒューゴの不思議な発明

2012年03月07日 | 映画のページ
監督・マーティン・スコセッシ

出演・エイサ・バターフィールド、ベン・キングズレー、クロエ・グレース・モリッツ

評価・☆☆☆☆

あらすじ・1930年代のフランスのリヨン駅。駅に住み着いている少年ヒューゴは駅舎の時計のネジをまき、時計の整備をしながら身を隠して住んでいる。友人も家族もいない彼の持ち物はただ一つ、壊れた機械人形。彼は多くを語りたがらないが、駅のおもちゃ屋の主人、ジョエル老人とかかわりをもってから、彼の人生は動き始める…。

感想・この映画のキーワードは「月世界旅行」。古い映画が好きな人ならピンと来る人も多かろう。古い映画好きにとっては、楽しい楽しい映画である。チラッとだがダグラス・フェアバンクスやチャップリンの顔が見える。女性はメアリー・ピックフォードか?(ちなみにこの3人はユナイテッドアーティスツの創始者である)もちろん、ロイド、キートン、ウイリアム・S・ハートなど映画黎明期の大スターが沢山。これだけでもかなりテンションが上がる。
映画の技術はSF映画によって急激に発展する。スターウォーズしかり、そして月世界旅行しかり。世界初のSF映画である「月世界旅行」は画期的な発想で作られた、今日の映画の歴史を語る上で欠かせぬ映画であるが、本作はこの映画への敬愛の念を強く感じる映画である。
初めは無表情で悲しい顔のヒューゴ少年の笑顔がかわいい。子供には楽しい3D映画の世界を、大人には味わい深い人生を、古い映画好きにはコアな楽しみを。沢山の人が楽しめる映画になっています。本屋の主人ラビス氏にクリストファー・リー。確か今年齢90才となるはず。ご健在ぶりはうれしい限りである。


本宅はこちらになります。掲示板もこちらにあります。→黒猫亭日乗


ALWAYS三丁目の夕日’64

2012年01月24日 | 映画のページ
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆・堤真一・須賀健太

評価:☆☆☆☆

あらすじ:あれから5年。時あたかも東京オリンピックが開催間近となり、日本中が明るい未来を信じて沸き立っていた。夕日町三丁目でも、鈴木オートには新しい従業員が加わり、茶川さんの家では出産間近のヒロミが駄菓子屋を改装した飲み屋で働いていた。淳之介は東大受験を控え、一平はグループサウンズに熱を上げる。そんな茶川さんは、しかしある懸念を抱えていた…

感想:遅まきながら私はこれが初3D映画である。色々なものが飛び出して見える。飛び出す東京タワー、飛び出す鈴木社長…。泣いて、笑って、泣いた。
始まりは定番のラジオのマークから始まる。少し大きくなった鈴木オート、かなり大きくなった一平と淳之介、子供たちが飛ばす木製の模型飛行機、どれもがすべて懐かしい。茶川さんの家が二階建てになっているとは思わなかったけれど、どれもこれもがもう見ることは無いと思っていた夕日町の光景である。まず、淳之介役の須賀健太くんと一平役の小清水一揮くん両方が今も役者をやり続けていた事が奇跡に近い幸運だと思う。この二人はもはや他の役者さんでやって欲しくはない。もちろん他のキャストもそうだけれど、子役から生き残っているのが凄い。
原作では鈴木さん一家が主人公だったのだけれど、映画では茶川さん一家が中心である。3作目ともなると原作の雰囲気はほとんど残っていない。六子の嫁入りのくだりはやや性急か。それと一体青森の両親はどうなってるんだろう?まったくのおいてけぼりになっているのが、私としてはやっぱり少々気になる。
今回のストーリーも中心はやっぱり茶川さんと淳之介。ちょっぴり寂しい気はするけれど、それでいい、と私は思う。よく出来たいい子で、出来すぎの感はあるけれども、昔の子供はやっぱり純粋だったんだ、と思いたい。
新しいのが出来たけれど、やっぱり東京タワーはいいなぁ。本当に。皆の期待をしょって赤々とそびえ立つ姿は本当に綺麗だ。

封切り直後の映画なので、ネタバレは避けたいし、感想は書きたいしで大変難儀した。評価は少し甘めの☆4つ。原作にも映画にも、そして昭和30年代という時代にも思い入れがあるので、そこらへんはご容赦願いたい。


本宅はこちらになります。掲示板もこちらにあります。→黒猫亭日乗


ターミネーター4(Terminator Salvation)

2009年06月18日 | 映画のページ
監督・マックジー
出演・クリスチャン・ベール サム・ワーシントン アントン・イェルチン

評価・☆☆☆

あらすじ・2003年、死刑囚マーカスはサイバーダイン社と献体の契約を交わす。その一時間後、マーカスは処刑される。
2018年、人民抵抗軍の作戦のせいで、爆発を起こした機械軍の基地から実験用の捕虜のうちの一人と思われる男がただ一人助かる。「審判の日」のせいで荒廃した町を目の当たりにして、呆然とするその男は、処刑されたはずのマーカスだった・・・

感想・本作は、ジェームズ・キャメロン監督の手を離れて製作される新たなシリーズの第一作目にあたる。原作のSalvationの意味は「救い」。救世主とされるジョン・コナーの事をさしたものである。
「ターミネーター」の設定がそもそも突飛なので、いまさら少々ぶっ飛んだ事をされても、観客は驚きはしない。その事をよく知っているから、乱出する機械群に頼る事なくストーリー作りがなされたのだと思う。「運命は自分の力で開くもの」というシリーズ当初からのコンセプトはきちんと残されたままである。次第に明かされるマーカスの謎、そしてやっぱりうれしいシュワちゃんのターミネーター姿。クリスチャン・ベールのジョン・コナーにも違和感は無い。ジョンとマーカス、そしてシリーズすべての発端となる人物カイルをからめたストーリーも悪くない。出来は良い映画だと思うので、後は要は好みの問題だろう。
ただ、マーカスに重点があたりすぎてジョンの存在感がやや希薄か。おそらくはコレ以降のシリーズでは、カメオ出演にしてもシュワルツェネッガーの出演は望めないだろう。それにマーカスが地上に出て最初に出会う人間、というのがご都合主義すぎる。個人的な評価は普通よりは上、という位。ケイトの存在感も薄いし、「I’ll be back」の使われ方も物足りない。長さも2時間足らずという、きょうびでは短い部類の映画である。もう少し色々とじっくり描いてもらって、もっと楽しみたかったというのが本音。


レッドクリフPartⅡー未来への最終決戦ー

2009年04月16日 | 映画のページ
監督:ジョン・ウー

出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー

評価☆☆☆☆

あらすじ:曹操軍は80万の兵力を率いて、赤壁の対岸に陣を敷いた。対する連合軍は総勢6万。圧倒的に不利な状況の中、孔明と周瑜はいかなる策でこれに対抗するのか。一方、その曹操軍には孫権の妹尚香自らが間者として潜入していた・・・

解説:個人的な趣味ながら、私は恋愛物の映画は基本的に嫌いなので、このように戦闘シーンやらがっつりとした人間ドラマを見る事の出来る映画はとても楽しい。殊に今回はPartⅠと違い、ラブシーンも無かったので、その意味でも大歓迎である。

かの昔、人形劇に取り上げられた事もあり、今でも熱烈なファンの多い三国志のこと、この映画で納得いきかねる人もいるのかとは思うが、私は幸か不幸か何もしらないまっさらな状態で見る事ができたので、映画自体を素直に楽しむことが出来た。また、PartⅠを見ていない人でも充分楽しめる内容になっている。逆に言えば、ストーリー自体は至極簡単だと言い換える事も出来るだろう。ただ、長い長い三国志のお話の中から赤壁の戦いの部分のみをチョイスしたのはやっぱり正解。

有体に言ってしまえば、結果はすでにわかっている映画なのだが、それでも孔明が念を込めながら羽根扇を振るう場面は鳥肌がたった。もっとも私のお気に入りの登場人物はやっぱり今回も趙雲。義にあつく、戦場でも使える男である。中村獅童扮する猛将甘興も良い。また、曹操を通り一遍の悪人には描いていないのも、物語に深みを与えていると思う。ただし、物語はどちらかというと周瑜中心に動いており、三国志のスーパーヒーロー諸葛孔明があまり活躍しきれて居ない感がある。ひょっとして当初の予定通りトニー・レオンが孔明役をやっていたとしたら、この辺に違いがあったのだろうか。



本宅はこちらになります。映画評のページもあるので、もしよければお立ちよりください。→黒猫亭日乗

WALL・E(ウォーリー)

2008年12月11日 | 映画のページ
WALL・E(ウォーリー)

監督:アンドリュー・スタントン

評価☆☆☆

あらすじ:荒廃したゴミだらけの地球で黙々と働くゴミ処理ロボット、ウォーリー。同型のロボットたちはすでに壊れてしまい、今稼動するのは彼一人。なぜ働くのか、なぜ一人なのか何も知らぬまま、彼は働きつづける。そんなある日、宇宙船が現れて一体のロボットを置いていった。探査が目的らしいそのロボット、イヴをウォーリーは好きになる。しかしやがて再び現れた宇宙船にイヴは回収される。イヴを心配するウォーリは宇宙船についていってしまうが、その先にはすべての謎の答えがあった・・・

感想:「トイ・ストーリー」を祖とするCGアニメ映画もずいぶん発達したものである。今回の主人公は言葉をほとんど発せぬロボットである。このウォーリーがなんといっても健気でいい。押しつぶされそうになりながらも頑張るのは、すべて大好きなイヴのため。これだけされれば、大概の女性はほれ込むのでは?こんなベタベタのラブストーリーもアニメのロボットたちが演じることで、かえって素直に見る事が出来るのかも知れない。
だが、ただの昔っぽいラブ・ストーリーだけではなく、強い風刺も含まれている。私が思ったのは「こんな未来は嫌だ」ということだ。色々な意味でこんな将来になって欲しくは無い。そのために私たちがなすべきことが何かあるのか。そんな事を感じてしまう。
しかしながら、やはり甘く流れてしまい気味ではあるので、何かもう一つピリッと引き締めるものが、後半にあればもっと良かったのに、と個人的には思う。


本宅はこちらになります。他の映画コメントもありますので、もしよければお立ちよりください。→黒猫亭日乗

レッドクリフ PART1

2008年11月06日 | 映画のページ
監督・ジョン・ウー

出演・トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー

評価・☆☆☆

あらすじ・「三国志演義」中でも有名な、赤壁の戦いを中心に三国志を描く。


感想・実は私は「水滸伝」には馴染みがあるものの、同じ中国のお話でも「三国志」の方はとんと内容を知らなかったので、全く何の知識もないまま映画を見て、混乱せぬかどうか大いに危惧していたのだ。映画オープニングでスーパーウルトラざっくりとではあるが、解説が入ったこともあり、お話を全く知らずとも楽しむ事が出来た。また、先般テレビにて鑑賞した同監督の作品「ミッションインポッシブル2」を見て、落ち着きのないガチャガチャとした作品に仕上がっていなければ良いがとも思っていたのだが、本作は静と動の使い方が上手く、安心して見ることが出来る。
今回の映画は赤壁の戦いのうちの前半を描いたものとなる。大軍80万人に及ぶ曹操軍に対抗するため、劉備軍の軍師・諸葛孔明が呉の孫権とどうやって同盟を結ぶかが一応の見どころか。呉の軍師・周瑜の妻小喬がやたらとなまめかしいのがややうっとおしい。キレイなのは見てわかるし、絶世の美女という設定も話中にて出てきている。あれだけしつこくからむ必要はなかろうに。それと、失礼ながら当初、金城武に諸葛孔明のイメージはあまり無かったのでコレも慣れるまでには違和感があった。
しかしながら、映像で見る八卦の陣はなるほど、一目瞭然でわかりやすい。かの有名な八卦の陣はこのようなものであったのかと、多方面でも勉強になった気さえする。
呉の甘興に中村獅童。不適な面構えが猛将にぴったりである。陣中での馬上の趙雲はお見事、の一言。あのシーンは一体どうやって撮ったのだろうか。まさか本当にアレをやってのけたのけたのだろうか?とにかく、パート1の映画中で趙雲が私の一番のお気に入りの人物である。
どちらかというと呉の周瑜の活躍が目立ち、劉備や孫権は頼りなくさえ見え、また「三国志演義」一番のスーパーヒーロー諸葛孔明も充分活躍しているとは言い難いが、すべては後編のお楽しみとしたい。よって評価は一応仮の☆三つ。

本宅はこちらになります。他の映画コメントもありますので、もしよければお立ちよりください。→黒猫亭日乗

ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝

2008年08月20日 | 映画のページ
タケノコヒカル子さんが里親募集されております。詳細はこちらをクリック→福さんに幸せを

*********************

監督・ロブ・コーエン

出演・ブレンダン・フレイザー、ジェット・リー、ルーク・フォード

評価☆☆☆

あらすじ・戦争の終わった1947年、リックとエブリンのオコーネル夫妻は、危険な仕事からは引退して屋敷で余生を穏やかにすごしていた。息子のアレックスは親に反抗気味で、大学を放校されたりしている。しかし、執事までいるような平穏な生活は二人にとってはいささか退屈すぎた。そこへやってきた、中国の秘宝を返還するという外務省の密使の役目を二人が受けぬわけがなかった。
一方、アレックスといえば血は争えぬもので、親にも知らせずに中国で遺跡の発掘をしていた。そしてとうとう中国の古代皇帝の墳墓を発見する。
上海にてエブリンの兄ジョナサンが経営するナイトクラブにて顔を合わせた親子。しかし、それらはすべてある意図によって図られた事だった。かくして呪われた皇帝が永遠の命を得てこの世に蘇る・・・

解説・呪われた皇帝にジェット・リー。火やら水をあやつる秘術など持たずとも、決して敵に回したくない相手である。なんたって中国少林寺拳法のチャンピオンという、元本物の武術家なのだから。長く泣かず飛ばずだったので、近年の活躍は個人的に嬉しい限り。しかも、「HERO」に主演した彼が、皇帝役とは。映画内では皇帝の名は特定していないが、少し歴史がわかれば誰のことかはすぐわかるだろう。
年月をだすためか今回エブリン役だけが交代。たしかに前作よりはトシのいったエブリンなのだが、リックやジョナサンは同配役なので、一人フケたのは違和感がある。
ハムナプトラといえばエジプトの代名詞だったのに、なんで今回は中国?なんて無意味なツッコミはやめておこう。今回ツッコミ所があり過ぎて、一々あげていればキリがないからだ。この映画の最大の見せ場はVFXを駆使したスペクタクルなのだが、水やら火やらミイラやら、ドレも既視感があって、新鮮味は無し。娯楽大作としてのんびり楽しませてもらったし、ジェット・リーの迫力あるアクションに敬意を表して評価は並。



本宅はこちらになります。他の映画コメントもありますので、もしよければお立ちよりください。→黒猫亭日乗