筏(かせ)黒鯛 四季織々・・

ホームグランドである千葉県 富浦筏(かせ)釣りをメインに日々の戯言を綴る忘備録ですわ。

持つべきは

2019年08月22日 | 日記



待ち合わせ場所に向かう車窓から見やる西の空は初秋。
気がつけば随分と空も高くなった。





釣友「アカレンジャー」さんとの会合は、いつもこの店。
久しぶりに盃を交わし(彼は一切酒は口にしないが)舌鋒宜しく縦横無尽。釣りの事、富浦の事、公私に渡り大いに語り呑み実に有意義な時間。
楽しかったなぁ。


Prelude

2019年08月21日 | 日記
愛息の夏休も残すところあと10日程となった。長い様で短いのは夏も同じ。
連日の猛暑日のそれも、ここ数日朝夕にどことなく季節の入れ替わりを感じる。
18日は時化後の凪を狙い準備はしていたもののお盆休み最終とあらばの帰路渋滞を憂い見合わせた。より凪確実な19日もなんとなく気乗りがせず。
休業日の火曜またいで21日。
連休中賑わいを見せていた堤防の太公望達もさすがに平日ともあれば閑散としたものだ。
同様、船頭衆待ちの港もしかり。
数年前に何度かご一緒させて頂いた漫画家のさとう輝先生がいらっしゃる。互いに束の間旧交を温める。
その職業柄故、原作脚本、そして要(かなめ)の画と一つの作品に仕上げるまでの想像力と魂の筆。私も何度となく拝読させて頂いている訳だが、今日一日のシナリオが先生の頭の中では既に出来上がっているのかもしれない。













今日は満潮が7時半~干潮が13時半。潮色はまずまずだ。
スタンバイしながら針の持ち合わせが極端に少ない事に気づき唖然。どうやら入れ忘れた様だ。2本だけではどうにも心もとない。
筏に渡しがてらの生簀周りでの作業を終えた親船に手招き、高山さんが苦笑いしつつ舵をきってくれ先生のいる2番筏へ。









「大事な商売道具忘れっちゃぁだ~めよ~」と笑いながら快く針を御裾分け。
朝一はアオリ烏賊狙いでと仰っていた貴重な時間にお詫びしつつ。

仕切り直しで釣り始める。
丁度潮が変わりはじめる頃合い。上潮は重く沖へと、底は港向かいへの二枚潮。モヤモヤとした団子の航跡を見やりながら仕掛けを打ち返すも小一時間さして変化もない海に、前回を思い出す。
何時の間にか上潮が港向かいへもったりと動き出す。
先程からいたずらに竿先を叩いているのはカワハギ。冬場のそれには叶わないが腹を見て肝の入り具合も確認しつつ、手の平より二回りほどの大きさともなれば格好のお土産。
底はそれほどまだうるさくはない。黒らしいアタリも合間合間に出るのだがどうにも決め手に欠ける。

団子に入って来ないのか、広角で拾うか潮行き同様どうにも定まらない時間。

スプールを弾きラインを送り送り自身も中腰になり穂先を凝視。送った分を竿先で訊きつつ更にまた送り訊く。
じんわりとモタれる目の前にある穂先は確実に生命が宿っている如し、海中にある餌浮力は完全に0(ゼロ)。
何かしらの不必要な負荷が掛かれば魚は餌を離すだろう。
ジワリジワリ穂先のモタレが先か一閃合わせが決まり愛竿を軋ませる至福の瞬間、今日もフィネスを実感。
40㎝に僅かに満たないが綺麗な銀鱗に目を細める。



時間はまだ9時前、後に続けと目論むも先の魚を反芻。シビアでかなりの神経戦。ようやくの二枚目は30㎝の海津。
この時期らしいフレッシュな魚体なれど、それにしてもだ。
潮が悪いのか攻め方が違うのか、このサイズであれば何の疑いもなく竿先を引っ手繰っていく様な盛期らしいアタリが連発、のハズという思い込みと目の前の海のギャップ。
今日は事の他、終始ボラも静かだ。10時半を回る頃から徐々に上潮が走り出す。底潮は重くかなり釣りづらい。



団子をかなり潮上に打っても釣座を越えて着底は潮下遥か。
重いシンカーを持ち合わせている訳でもなく止める釣りが成立しない。さりとて流す釣りにもこの流れではと半ば諦め気味。
ソコリ前後までの潮待ちも考えたが一向に流れが緩まない潮に見切りをつけ迎えの船を頼む。
仕方がない、今日の釣りはここまでだ。
近いうちきっと、全てが噛みあっての初秋の数釣りに想いを馳せて。



風見鶏

2019年08月16日 | 日記







台風10号、しかし止まないねぇ風。
湾奥ベイフロントはもう潮っ気で霞んじゃってる。
毎年恒例の「サマソニ」で界隈は俄かに色めき立っているけどビーチサイドエリアの公演はこの風で中止だと。
家内愛息愛娘は実家(とはいっても車で20分くらいなんだけど)帰っちゃってるし、夜な夜なの前に既に2本目麦汁ブシューなっし。
この風ん中、波もバッシャンバッシャン、やっぱりというかなんというか無謀なウインドサーファーやらカイトやってるのを見るにつけ危ねぇな~と。

富浦、やっぱり心配だよな。
旧知の富浦豊岡の渡船屋の親方に電話してみたら、「けっこう~もんじゃってるよう~海ぃ~」そりゃぁそうだろう。

さてと、日曜辺り凪を見込んで虎視眈々。

盛期 IN 富浦

2019年08月12日 | 日記
すでに世間は盆休みに入った。
先週後半は、やはり台風9号の余波と南絡みの風が強い日も多く釣行を見合わせていたが、9号と10号の狭間、予報海況は波高3mウネリ伴う予報に反し昨日は久しぶりの凪だったようで、一抹の不安もあるにはあるが兎にも角にも港に着いてそれらは一蹴されるほどの静かな海。
風もなくこの時期特有のムッと蒸せかえるような密度の濃い朝の空気の中、堤防上にはずらりと老若男女が太公望宜しく思い思いに釣り糸を垂れている。





前日聞いたところでは全体で14~5名の予約が入っているとの事だったが受付小屋前は埼玉からいらっしゃったご家族のみ。
かるく挨拶を済ませ準備をしていると船頭衆が到着。
「今日んはさぁ~こん後ぉいっぺぇ来っからさぁ~さぁき(先)いっっちゃぅんお~」と早く早くと手招き、高山さんが舫いを解いて凪の洋上を滑るようにいつもの1番。
ここ富浦釣り場は定時7時出船が基本だが最近は揃い次第出船なんてことも良くある事なので、初めての方は少し早めに着いていた方が良いかも知れません。




つ~か、早すぎやしないか?^^;ありがたいけど







終日16時まで釣りきりたいのは山々なれど今後時間を追うごとに徐々に入り出すであろう余波ウネリ、また、この時期ならではの帰路の大渋滞の事を考え朝のコマセスタンバイはいつもの半量に留めた。状況によって継いでいけばよい。



今日は干潮が7時半、満潮が13時過ぎの潮回り。潮色はほんのり濁っているが夏潮のそれ。
釣りはじめから2時間程は上下ともに沖へと重くゆったりとした流れにあって穂先を時折揺らすのはジャミ程度のアタリ。
潮の緩みっ端、9時頃に照準を合わせ団子の場作りと仕掛けを打ち返す。



今夏、連日の様に愛息との時間で既に顔もそうだが両腕両足はすっかり日焼けし足繁くここ富浦に通いこんでいた往年のよう。
ジリジリと照りつける陽が更に肌を焦がす。
丁度上げ潮に差し掛かる頃からタームの長い小さなウネリが入り始める。東の空には何やら怪しげな雲。風向きも変わった。案の定ポツリポツリの雨が、画を切りとるべくカメラを取り出すのもためらうほどのスコールとなっておよそ20分程。クールダウンには丁度よい。



程なくして雨も止み再び夏の日差し。
潮行きが変わりはじめた。底の活性も徐々にではあるが様々な魚種がイタズラに穂先を震わす中、ファーストフィッシュは34㎝の海津。
このサイズならもっと居るはずとコマセワーク、握り込み、サイズ、餌のローテションを駆使しての追釣を目論むも後が続かない。
風は予報に反し北へ回し5~6mほど。先のウネリ、上げ潮ともあらば潮風逆で筏の揺れも相応の中、集中力を途切らす事のないよう攻めるも穂先穂持ちの塩梅がどうにもしっくりこない。
こんな時は道具立てを変え気分を刷新、リセットしてみる事も大切。



潮は思ったほど行く訳でもなく手を焼くほどでもない。流れを釣るのが得意な御方ならば物足りなく小休止となるだろう。
いや、むしろ私には期するものがある。ほぼ潮流れの無い目の前の海はやもすると生気を見落とす。釣り人の思い込みは一朝一夕では芽生えない。手前味噌だがやはりここは「経験」。同じ海、同じ筏に通い込み得た過去を紐解き「今」と交錯させる。
あの時の海と一緒だ。
間合いは当然のこと、密度が徐々に増してくる。
風はやや強めに吹く東風に変わった11時過ぎ。
一瞬ジャミアタリと見まごうアタリからスプールを弾きラインを送ること数回。
もったりと穂先に重みを感じるのを見逃すはずもなく42㎝の銀鱗に目を細める。食い渋りというほどではないが、ここはいつも以上に丁寧な釣り「フィネス」でいこう。
案の定だ。時折穂先に小さなアタリがみてとれるが完全な食い込みまでには至らない証拠。






ほぼ居食いを掛け合わせ40㎝、釣れない日、いつもなら虚しくこだまする昼のチャイムの鳴る最中に破顔一笑の47㎝。
手を変え品を変え繰り出し2枚追釣。



この時期、筏の上も灼熱だ。タモで掬い上げた魚を直置きにし針を外す事はしたくない。リリースするにしてもキープするにしても熱い板の上でもんどり反り鱗が飛び散りみすみす魚に不要なダメージを与えたくないからだ。



遥か沖合にある名礁 猪の瀬のハナレに白波がすっぽりとかぶり始めたのが遠目に見て取れる。
台風10号の余波ウネリが確実に届き始めている。
今日はここまでにしよう。中型なれど40㎝後半含め計6枚。
12時半に竿を仕舞い迎えの船に乗る。帰りしな3番筏へと舵を回してもらい2枚程進呈し港に戻る。







早上がりの恩恵か、帰路はまだ渋滞を知らせる掲示もなくストレスフリー。
アクセルを踏み込むのを我慢しつつその足取りは軽い。

いよいよ富浦の盛期に入る。