前週に今期初の2桁釣果で気を良くした訳ではないのだが、社業も本店が改装中と言う事もあり束の間の夏休み、おさらいの意味も含めて行ってきた。
過去の経験から言っても、拙さ故に良い釣りが出来た次は得てして外す事が多く、今釣行も別段浮き足立つほどでも無く、淡々としたものだ。
仕事の都合上比較的木曜釣行が多いのだが、春夏秋冬問わずこの時間のエアプレイからはご機嫌な90’sのオンエアー。折りしも晩夏~初秋の時節、流れる車窓からの風景も手伝い、当時を思い出しセンチメンタルになったり心中交錯する大切な時間。
程なくして港に着く。今日はいつものワンドもややざわついている。沖を見やれば少々ウネリがある様で遠巻きに見ても筏のアップダウンが見て取れる。
今日は前週同様カセ船での釣りを期していただけに果たしてどうだろうか。
港では既に旧知の常連さんがいらっしゃり今日はお仲間3人とご同行との事。
出船時間となり舫いを執り親船に曳かれ沖を目指す。
港では北東風で心配はなかったのだが海原へ出ると西南西からのウネリ。沖へ向うと予想以上のウネリで危や恐怖症のスイッチが入る前に、急遽1番筏へと舵を執ってもらい渡筏。
我ながらこの程度のウネリで・・・と思うも苦笑いで船頭に詫びる。
写真ではそんにでもなく見えるが、1番筏もそこそこなれど2番筏は時折筏裏が見える程。平常心を装いながら、早々にスタンバイを済ませる。今日は干潮が9時半~満潮が15時の前中潮。水温は27,5℃。
潮色はやや笹濁り。
釣り始めは沖へと向う潮流れが速い。二枚潮でないのがせめてもの救いだろう。細糸仕様のロッドに持ち替えるのと同時に、俄然速い潮流れに合わせてコマセを手直しする。
重目、軽目の2種類とし当然アンコ入りと無しの2パターン。速潮時にアンコ入れはポイントがボケるのは言うまでも無く、潮が速いからと言って流れに乗せてどこまでも仕掛けを長し続けるのでなく、むしろその逆で、エリアを決めて打ち返しの手数で稼ぐのがこの時期、自分なりの攻め。
釣り始めてから2時間弱、それらしいアタリは一つも無く時折陰気なゴンズイが顔を出す。
10時前になりようやく潮が緩み始める。と、同時にカセ組が掛ける。まずまずの型に会話も弾んでいる様子だ。
こちらは午後に照準を合わせコマセに手を入れるのと同時に腹ごしらえし一服。
今度は2番筏でのヤリトリが見える。タモが入り型モノを仕留めたようだ。
カセ組も都度タモが入っている。
程なくして釣りを再開する。
が、アタリらしいアタリが出ない(出せない)。
ふと気になる事があった。
いつもなら既に何本かの電話が鳴るはずなのだが、今日はそれが今の所無いのが気になり携帯電話を取り出しチェックしようとすると、なんと電源が飛んでいるではないか!
乗船前にいつも通りフル充電していたにも拘らずだ。実は平時においても度々ある事だった。
最近替えたスマホにはつくづく嫌気が差す。当たり前だが便利だからこそ使うのであって、こう度々不具合では不便極まりない。何度かクレームとして窓口にも出向き不具合を説明するも、交換なら有料では開いた口も塞がらない。数万円の携帯が高いか安いかの問題ではない。窓口対応のマズさはマニュアル通りに終始。埒があかないので時折発生する故障、不具合に渋々使っていたのだが・・・。
事もあろうに海の上、有事の際にはどうしたらいいのか、朝からのウネリこそ収まりつつある海況だが、不安に加えて焦燥感で一気に萎えてしまう。
それでも何とか気分を入れ替え釣りを続けていたが、気になるものはやはり気になって仕方が無い。無常にも昼のチャイムがこだまする。
気が気でないので言わずと一服の回数も増える。カセ組に大声で呼びかけ、迎えを頼もうかと思うも止めた。程なくして止まっていた潮がゆるりと動き出した。
上潮のみだが港方向に、下潮は止まっている。
午後一時を回り朝からの自分の釣りを反芻してみた。カセ、2番筏共に復数枚の型が出ている。
自身のコマセは効いているはず。筏下~周辺にはきっと沢山の黒鯛がいるはず。釣る為の手数手順も然り。
が、アタリらしいアタリもないままにこの時間になってしまった。
いくらウネリや携帯の件があろうとも、それは単なる言い訳にしか過ぎない。
何気なくガン玉を噛み付け仕掛けを入れる。着底~上潮でラインが孕む~孕みを修正しようとリールを巻く~仕掛けが立つ・・・「!きゅっ・・!ギュンっ!」不意をつかれたアタリに少々気後れしながらのヤリトリで上がって来たのは36cmの黒。
愕然とした。
朝からノーシンカーの釣りをいつも通り展開。「いつもなら」の慢心が透けて見える様だ。
それにしても、何故今の今まで気づかなかったのか。やろうとしなかったのか。
たった一つのガン玉で釣りが変わる。そもそもガン玉を打つのは基本中の基本。それをノーシンカーの釣りでそこそこの釣りが出来ていたと言う甚だしい勘違いに、自身の釣りが屈辱的でさえある。
されどこうなったら検証するしかない。
今一度同様の攻めを試みると、すぐに結果が出た。27cmの海津。
その後、そこそこの型を確信させる引き味だったがバラシてしまう。
コマセもまだ10数投出来るくらいは余っていたが、後追いせずに道具を仕舞う。
朝からアタリも出ない(出せない)理由めいたものを十分すぎるくらい理解し、
悔し紛れに飲み込む。
食べる為の魚が欲しいんじゃない。
思い出の魚が欲しい訳でもない。
ただ、ひたすらに少しでも釣りが上手くなりたいと言う、プロセスが欲しいのだ。
そして、自分の中で「何か」が芽生えはじめた。
過去の経験から言っても、拙さ故に良い釣りが出来た次は得てして外す事が多く、今釣行も別段浮き足立つほどでも無く、淡々としたものだ。
仕事の都合上比較的木曜釣行が多いのだが、春夏秋冬問わずこの時間のエアプレイからはご機嫌な90’sのオンエアー。折りしも晩夏~初秋の時節、流れる車窓からの風景も手伝い、当時を思い出しセンチメンタルになったり心中交錯する大切な時間。
程なくして港に着く。今日はいつものワンドもややざわついている。沖を見やれば少々ウネリがある様で遠巻きに見ても筏のアップダウンが見て取れる。
今日は前週同様カセ船での釣りを期していただけに果たしてどうだろうか。
港では既に旧知の常連さんがいらっしゃり今日はお仲間3人とご同行との事。
出船時間となり舫いを執り親船に曳かれ沖を目指す。
港では北東風で心配はなかったのだが海原へ出ると西南西からのウネリ。沖へ向うと予想以上のウネリで危や恐怖症のスイッチが入る前に、急遽1番筏へと舵を執ってもらい渡筏。
我ながらこの程度のウネリで・・・と思うも苦笑いで船頭に詫びる。
写真ではそんにでもなく見えるが、1番筏もそこそこなれど2番筏は時折筏裏が見える程。平常心を装いながら、早々にスタンバイを済ませる。今日は干潮が9時半~満潮が15時の前中潮。水温は27,5℃。
潮色はやや笹濁り。
釣り始めは沖へと向う潮流れが速い。二枚潮でないのがせめてもの救いだろう。細糸仕様のロッドに持ち替えるのと同時に、俄然速い潮流れに合わせてコマセを手直しする。
重目、軽目の2種類とし当然アンコ入りと無しの2パターン。速潮時にアンコ入れはポイントがボケるのは言うまでも無く、潮が速いからと言って流れに乗せてどこまでも仕掛けを長し続けるのでなく、むしろその逆で、エリアを決めて打ち返しの手数で稼ぐのがこの時期、自分なりの攻め。
釣り始めてから2時間弱、それらしいアタリは一つも無く時折陰気なゴンズイが顔を出す。
10時前になりようやく潮が緩み始める。と、同時にカセ組が掛ける。まずまずの型に会話も弾んでいる様子だ。
こちらは午後に照準を合わせコマセに手を入れるのと同時に腹ごしらえし一服。
今度は2番筏でのヤリトリが見える。タモが入り型モノを仕留めたようだ。
カセ組も都度タモが入っている。
程なくして釣りを再開する。
が、アタリらしいアタリが出ない(出せない)。
ふと気になる事があった。
いつもなら既に何本かの電話が鳴るはずなのだが、今日はそれが今の所無いのが気になり携帯電話を取り出しチェックしようとすると、なんと電源が飛んでいるではないか!
乗船前にいつも通りフル充電していたにも拘らずだ。実は平時においても度々ある事だった。
最近替えたスマホにはつくづく嫌気が差す。当たり前だが便利だからこそ使うのであって、こう度々不具合では不便極まりない。何度かクレームとして窓口にも出向き不具合を説明するも、交換なら有料では開いた口も塞がらない。数万円の携帯が高いか安いかの問題ではない。窓口対応のマズさはマニュアル通りに終始。埒があかないので時折発生する故障、不具合に渋々使っていたのだが・・・。
事もあろうに海の上、有事の際にはどうしたらいいのか、朝からのウネリこそ収まりつつある海況だが、不安に加えて焦燥感で一気に萎えてしまう。
それでも何とか気分を入れ替え釣りを続けていたが、気になるものはやはり気になって仕方が無い。無常にも昼のチャイムがこだまする。
気が気でないので言わずと一服の回数も増える。カセ組に大声で呼びかけ、迎えを頼もうかと思うも止めた。程なくして止まっていた潮がゆるりと動き出した。
上潮のみだが港方向に、下潮は止まっている。
午後一時を回り朝からの自分の釣りを反芻してみた。カセ、2番筏共に復数枚の型が出ている。
自身のコマセは効いているはず。筏下~周辺にはきっと沢山の黒鯛がいるはず。釣る為の手数手順も然り。
が、アタリらしいアタリもないままにこの時間になってしまった。
いくらウネリや携帯の件があろうとも、それは単なる言い訳にしか過ぎない。
何気なくガン玉を噛み付け仕掛けを入れる。着底~上潮でラインが孕む~孕みを修正しようとリールを巻く~仕掛けが立つ・・・「!きゅっ・・!ギュンっ!」不意をつかれたアタリに少々気後れしながらのヤリトリで上がって来たのは36cmの黒。
愕然とした。
朝からノーシンカーの釣りをいつも通り展開。「いつもなら」の慢心が透けて見える様だ。
それにしても、何故今の今まで気づかなかったのか。やろうとしなかったのか。
たった一つのガン玉で釣りが変わる。そもそもガン玉を打つのは基本中の基本。それをノーシンカーの釣りでそこそこの釣りが出来ていたと言う甚だしい勘違いに、自身の釣りが屈辱的でさえある。
されどこうなったら検証するしかない。
今一度同様の攻めを試みると、すぐに結果が出た。27cmの海津。
その後、そこそこの型を確信させる引き味だったがバラシてしまう。
コマセもまだ10数投出来るくらいは余っていたが、後追いせずに道具を仕舞う。
朝からアタリも出ない(出せない)理由めいたものを十分すぎるくらい理解し、
悔し紛れに飲み込む。
食べる為の魚が欲しいんじゃない。
思い出の魚が欲しい訳でもない。
ただ、ひたすらに少しでも釣りが上手くなりたいと言う、プロセスが欲しいのだ。
そして、自分の中で「何か」が芽生えはじめた。