筏(かせ)黒鯛 四季織々・・

ホームグランドである千葉県 富浦筏(かせ)釣りをメインに日々の戯言を綴る忘備録ですわ。

空を見上げて

2016年02月27日 | 日記
前夜の予報は久しぶりの凪を確信していた。
新しい竿も届き、さてどちらに出向こうかの答えは明瞭だった。
予定時間よりも早く目覚めたのは良いものの未明の手持無沙汰にいつもより早めに家を出た。
道中館山道の風フラシは勝山を過ぎる頃になってもダラリと垂れ下がっていた。
しかし、終点の富浦を降りた途端に落胆。
街道沿いのノボリがはためくどころか強風でバタバタと煽られているのを見るにつけ溜息ひとつ。
半ば諦めにも似た気持ちで餌屋に寄り港へ向かうも案の定。





真北6~7mは吹いているだろう。
遥か沖合を見やれば各筏も時折波間に見え隠れ。
次々に沖を目指す漁師の小型船もアップダウンに揉まれ軸先に波頭をぶつけながら激しく飛沫が上がっている。

今期で4度目の港で海を見てのUターン。
こればかりは仕方がないさ。





いつ植えられたのだろうか、まだ幼木の華奢な木枝も風で儚げに揺れている。

恨めしそうに空を見上げれば沢山のトンビが両翼一杯に広げ、気持ちよさそうに飛んでいた。

2~3日また海が落ち着けば、いよいよの感(勘)。
近い時期に誰かが、筏カセ問わずきっと大釣りがあるだろう。
そんな予感がする。




長いのと短いの

2016年02月26日 | 日記
2月も下旬ともあらば、陽光も和らぐのとは裏腹に富浦の海は連日の時化続き。
自身の予定と海況が合わずは、例年この時期のお約束。
ならばとこれまた恒例、暇を見ては釣り部屋を物色。新旧の釣り具を引っ張り出しては、オークション出品に勤しむ。
今回も好き者方々から多数の入札を頂きお被楽喜。



以前からオーダーしていた竿が今日届いた。
がまかつ インテッサGⅤ 06-53。
インテッサは今回で5代目のモデルとなった。初代のスーパーインテッサとGⅢは、メーカー主催のG杯はじめ競技会、離島通い等々それぞれに思い出深く今でも手放せずにいる。
過去リリース毎に各代手にしてきた訳だが、それらを遥かにしのぐ完成度に手に入れた以上、曲げたくなるのも釣り人の性。出ても40強の南房総の磯の上物(メジナ)釣りにあってこのスペックで申し分ないだろう。

社業も幸い週末はブライダルの貸切り等もあり、平時の週末とは異なり幾らか気分的にも楽だ。
富浦含め南房総界隈は久しぶりの凪に恵まれそうだ。
気になるのは先週は16℃台で安定していた水温が一昨日から13℃まで落ちた。
沖には淡いコバルトブルーの春潮が流れ込んできてはいるとは聞いてはいるが、その潮がいつ灘(なだ)寄りに追っ付けてくるのか伺いがてら、今宵気に入りの銘酒で一献、ちびりちびり酌りながら想いを馳せようではないか。

富浦にするか南房 白浜の磯に立つか、長い竿短い竿どちらにするか。
あとは家内のご機嫌次第。

ゴーストとフェイタスと私

2016年02月25日 | 日記
過日、毎年恒例?のこの季節にあって、家内は早々と花粉症にさい悩まされ、愛息はご時世宜しくインフルエンザにかかりの先週。
ようやくの落ち着きを取り戻した我が家。
折角の休日も、ことごとく先の件で釣りどころではなかったのだが、2月も後半とあらば幾らかでも浅春を満喫すべく、丁度見頃を迎えた梅でも愛でにでも行こうかと思い立ち、昨秋仕込んだ北総の銘酒がリリースされる頃合いと併せて、かねてから贔屓にしている鰻でも喰らいに行くかってな頃合い宜しく出向いた。



界隈では地元興しのイベントなのか、決まってこの時期は庭内の梅まつりに乗じて参道は何時になく人混みでごった返している。御誂え向きの参道、地元では有名高名な老舗の店先を冷やかしつつ、いくら老舗だろうとお客が当たり前の様に来るからって焼き置きを平然と晒し、参道中に「これでもか」ってな位に客寄せの為か燻煙を撒き散らかす様な店には行かない。「食べる(頂く)」という行為は、決してイベントではないのだ。








庭内の裏手にひっそりと佇む老舗の座敷に胡坐(あぐら)をかいて一献と行きたかったのだが、そこは我慢。
肴を何品か頼みお目当ての鰻が蒸し上がるまでしばし。

「(海が)よくなったらね、いつでも行っていいからね。今日は有難うね」と、ほんの少しだけ和らいだ陽気の梅花見にあって日頃の労いの一言一言が、内心いつでも「行ける」様にと顔色伺いの魂胆も、どうやら家内には御見通しらしい。




(多分、ブログではワタクシ「初顔出し」ですね。ミナサン オゲンキデスカ?)

食後、庭内を散歩がてらお目当ての新酒を複数本土産に纏めてもらい帰路に着いた。

すっかり元気になった愛息とは、休日とあらば最近すっかりお気に入りの「仮面ライダー ゴースト」やらの「戦いごっこ」に夢中。
階下の住民には誠に申し訳ないのだが、例え愛息とは言え下手な容赦はしない。
遊び半分本気半分、幼児相手に十分すぎるくらいの手加減をしつつ、親が親なら子も子。
「・・ぅう・・・や・ら・れ・・・たぁ・・」と、どこで覚えたのか立派に演じているのを眼(まなこ)に焼き付け戯れる時間が愛おしい。時折出される注文がまた可笑しいのだが、やれ「パパっ、さっきのは痛かったから(十分手加減しているんですケドね)ここにアレはやっちゃダメだよっ」とか、「(脇)ここを、コチョコチョしちゃダメだよ~」と、幼児ならではの注文の多さに、日頃は仕事で朝早く夜遅くと愛息にとっては不在がちな「パパ」だからこそ。



この数日、また何やら腰に違和感を覚えてもいた。
大事に至らぬ前の気休めの市販品。

この週末は凪だろうなぁ。









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完敗に乾杯

2016年02月04日 | 日記


港に着けば、この寒さをも厭わない釣り客が3名。当ブログ過去章「あの鐘を鳴らすのはあなた」にて60ドリームを携えてご登場頂いた旧知の常連の御方の姿に、あれはまさに浅春2月下旬の海の事。
それにしても風もなくしんしんと冷え込む氷点下の朝、港でのスタンバイも手がかじかむ始末。





やはり沖へ出れば案の定、海は一見すると静かだが、昨日の名残りウネリもそこそこあり気が気ではないなか釣り始めるが、どうにもウネリも手ごわく一度は携帯を取りだし迎えを頼もうと思うが先か、自身を鼓舞させる事に努める。



今日は干潮が6時半~満潮が正午の若潮。
潮色は上層が笹濁りなれど底付近は澄んでいるのかうっすらと砂地も見て取れる。
水温は14.5℃。先週来13℃だった事を思えば、幾らかの好材料だ。
幸い風向きは北東微風なれど、次から次へと続くウネリに独りおののき狼狽一歩手前の中、未だ生気のない海に団子を打ち込み、もったりとした潮流れを読み潮上からサナギとオキアミのパラ撒きと合わせ、来るべき時に備えるが、刻々と時間は過ぎる。

10時前後だっただろうか、打ち返す毎にほんの僅かだが変化が見て取れる。





厳寒期故、釣り始めから団子を打ち込んでいるからと言って、底の活性もすぐに上がる訳でもない。
むしろこの時期は魚の動きも鈍く身をひそめ、反って不自然な団子への警戒心もあるだろう。
朝の潮色をみた時に、ふと頭をよぎっていた事を実践。
底では無反応だからこその棚。底から2ヒロ強辺りには餌取りの反応が出る。
何か攻めのヒントはないか、オキアミと針の自重のみのフリーフォール、ガン玉各種を用い直下に落とし込むスピードに変化を持たせたり、広角等も織り交ぜつつ団子も打ち続け様子見。
気がつけば昼のチャイムに、夕方からの仕事の事がチラリちらりと脳裏をかすめる。
午前中こそしつこいウネリも収まりベタ凪の海。

ふと隣にある新設された3番筏ではヤリトリの最中。
無事に魚はタモに納まったのを見届けて声を掛けると2枚目だそうだ。
1枚目は午前9時半頃、底ではなく棚にやはりの感。
やはり魚は上ずっていたようだ。攻め時の時間を、ただやみくもに打ち返していただけなのかも知れない。
もしかしたら、あまりの魚の反応の無さに内心盲目になっていたのかも知れない。
いつも以上に手数多く試行錯誤に、もしかしたらそれだけに満足していたのかも知れない。

あの手この手を繰り出すにも、しっかりとした攻めの裏付けがないとただの時間のロスに陥ってしまう。
魚を出せなかったのは勿論だが、何よりも釣りの組み立て自体の信憑性(しんぴょうせい)を自身に問う。

釣れなかったのではない。釣る事が出来なかったのだ。

仕事の都合もあり1時過ぎには道具を畳み迎えの船を頼む。





仕事を終えて帰宅し、冷えたビールを酌りながら今日の釣りを改めて振り返る。
何が足りなくて、何をすべきだったのかを考える。「~だったら」「~してれば」の、たられば論は他所にして、今日の釣りの”あの時””この時”を、脳細胞に刷りこむ。

既に次の釣りが始まっている。